諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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頑張りました
「ズルイです」
グイッと迫ってきた顔に、ゼロは逃げ腰だ。
「怖いぞ、ジノ」
目の前で覗き込まれては、身長差もあるので些かムッとしてしまう。
離れろと目で訴えると、
「え~。ルルーシュ殿下の綺麗で可愛らし顔を近くで見たいのに」
ブーブーと不満のようだ。
だが、
「今はゼロだ。ラウンズの制服を着ている時に、ルルーシュの名前は出すな!」
公私混同?は、避けなければならない。
というか、自分が面白くない。
「はいはい。ゼロですね。了解しました」
本当に分かっているのか疑問だが、建前上は納得したようだ。
「それより、何がズルイんだ?」
そこで冒頭に戻る。
「あ!そうだ、ズルイです」
ズルイズルイと連呼する男が、帝国最強の騎士の1人だとは思いたくない。
「だから、何がだ!」
いい加減、ゼロとて暇ではない。
こんな下らない遣り取りに時間を取られたくないのだ。
「おお!言ってませんでしたね」
「だから!用件を言え!!」
「お茶会です!!」
真顔で、またもや迫ってきた。
だが、『お茶会?』。それが、どうしたのだろう?
「何がだ?」
用件が飲み込めない。
「だって、アーニャはお茶会に呼ばれているんでしょう」
「呼ぶな」
あの子は可愛いし、ナナリーとも仲が良い。
呼ぶ理由がある。
「だったら、私も呼んでください」
「断る」
近付いてきた顔を退かしながら、ゼロはキッパリと言い切った。
「どうしてですか!」
納得できません。
呼んで欲しい。
「男なんか呼んでも、華がない」
「大丈夫です!ゼロ1人で華は十分です」
「俺は男だ!ともかく、却下だ」
男に華があってたまるか。
「えー。そんなー。どーしても、ダメですかー?」
ブーブー拗ねる姿は、大きな子供そのものだった。
「仕方がない。条件付なら良いぞ」
「え!本当ですか?」
条件も何も言ってないのだが、ジノの瞳がキラキラと輝いている。
「今回だけだからな」
「はい」
やっぱり、こいつも犬属性だと再認識しながら、
「美味しいプリンを買って来い。作らせても可だが」
自分でも甘いと思うものの、急に美味しいプリンが食べたくなったのだ。
「はい」
ニッコリと、溢れんばかりの笑顔で返事を返したジノは、ゼロの前から走り去って行った。
「プリン」
言葉にだしたら、直ぐにでも食べたくなってしまった。
「作るか」
明日にはジノが美味しいプリンを買ってくるだろう。
ならば、今日は自分の手作りで我慢だ。
「期待しているぞ、ジノ」
走り去った方に目を向けながら、ジノにささやかなエールを送ってみた。
穏やかにゼロが自作のプリンを食べている頃、帝国最強の騎士の一人でもあるジノは、ブリタニア中のプリンを扱う店のプリンを買い漁っていた。
「どれが美味しいか分からない。ならば、全部買って行くまでだ!」
翌日、余りにも大量のプリンを目の前に、ゼロに起こられるジノの姿。
「こんな買われ方をしては、プリンが可哀想だ!」
こうしてお茶会には参加できたものの、ジノの肩身は狭かった。
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