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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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箱庭の小鳥達 3

箱庭の小鳥達 3





 そして、和気藹々と雰囲気でティータイムへと突入した。
 父と子の会話ながら、皇帝と皇子だ。
 本来ならば政治的な話をしなくてはならないのだろうが、その手の話は一切出ない。
 いや、シャルルが意図して出さないのだ。
 だからこそ、話題は身近な事が中心になってしまう。
「そういえば、ラウンズに新しくイレブンの人間がなったそうですね」
 シャルルが意図して避けているのを悟っている兄弟達は、敢えて政治的な事を話題に出さないようにしている。
 だがラウンズならば、父の騎士。
 これならば良いだろうとゼロが切り出したのだが。
 ナイトオブワンの顔が強張り、シャルルの顔もまた無表情になった。
「「?????」」
 なぜラウンズの話で?
 兄弟達が不思議そうに首を傾げていると、新たな来客の登場となった。
「さあ、可愛い双子達。遠慮なくお兄さんの胸に飛び込んでおいで」
 ロイヤルスマイルを浮かべた変人・・・・もとい、兄が迫力で迫ってくる「
「「遠慮します!」」
 会う人を限られている兄弟達にとって、この兄の事は嫌いではない。
 嫌いではないが、スキンシップが過剰すぎるのが難点ともいえた。
「相変わらず遠慮深い子達だね」
 お兄さんは悲しいよ。
 そう言いながらも、ニコニコと笑顔を浮かべている。
「兄上がしつこいから嫌なんです」
「おや、おかしいね。私は淡白な方だと思っていたのだが」
 愛情が伝わらないとは悲しいね。
「どこがですか!」
「兄上」
 ゼロとルルーシュの反撃にも、シュナイゼルは涼しい顔だ。
「硬くるしいね。お兄ちゃんと呼んで欲しな。
 はい、お土産だよ。
 そう言ってルルーシュに手渡したのは、一匹の仔犬。
「え!」
 自分の膝の上で目をキラキラさせて見上げてくる姿は、可愛らしい。
「欲しがっていただろう」
「兄上」
 パアーっと嬉しそうに見上げてくるルルーシュにシュナイゼルも嬉しそうに目を細めている。
「良かったなルルーシュ」
 ルルーシュが欲しがっているのは知っていたが、制限された生活を送るゼロにはどうする事もできなかったのだ。
「うん」
 腕の中の仔犬は暖かく、生きている事を如実に伝えている。
 生きている動物の温もり。
 コレほど安心できるものはない。
「それでね、お兄ちゃんと呼んで欲しいな」
 ね。
 ダメ押しのようなシュナイゼルの微笑みに、ルルーシュも笑顔で返していた。
「ありがとうございます。シュナイゼル//////・・お・・お兄ちゃん・・・・//////」
 やっぱり恥ずかしいのだろ、ルルーシュの顔は真っ赤になっている。
「どういたしまして」
 ルルーシュが言ってくれた事に満足したのだろう。当たり前のようにお茶の席に加わっている。
「ありがとうございます。兄上」
 ゼロもルルーシュの欲しがっているモノをプレゼントしてくれた兄に礼を言うのだが、
「う~ん。ゼロにもお兄ちゃんと呼んで欲しいんだけどね」
「無理です」
 即答だった。
「仕方がないね。今回はルルーシュだけで我慢しよう。可愛らしい笑顔も見れたしね」
 今日はこれで我慢しようか。
 まだまだ時間はあるのだ。焦っても仕方がない。
「次回もありません」
 シュナイゼルの心を読んだかのように、ゼロの突っ込みは的確だった。
「おやおや、つれないね。それよりも、私が来たときに、何やら雰囲気がおかしかったようだが、何か有ったのかい?」
 シュナイゼルが入ってきたとき、室内が静まり返っていた。
 この笑いや笑顔の絶えない箱庭にはありえない光景だった。
「いえ、その、父上に新しいラウンズの話をいたら行き成り・・・・」
 黙りこんでしまったのだ。
 だが、その理由を双子は知らない。
「そっか。それは仕方がないね」
「兄上?」
 シュナイゼルの言葉に、ゼロが首を傾げている。
 隣を見れば、ルルーシュも不思議そうな顔。
「新しいラウンズの彼は、君達と同じ年なんだ」
「「え?」」
 同じ年?
 侵略エリアの者が登り詰めるのは大変だろう。
 なのに、同じ年。
 それは、相当の苦労をしたのだろう。
 シュナイゼルの言葉に、双子達は納得してしまった。
 短期間で登り詰めるには、綺麗事だけでは済まない。その手を染めてこそ、登り詰める事ができるのだ。
 皇族に生まれついた双子達は、たとえアリエスの離宮から出る事はできなくても、その事だけは分かる。
 そして、奇麗なモノ意外を自分達に見せたがらない父親が、その件で黙り込んでしまった事も納得ができた。
「それでは、その話題は避けます」
「ええ。今度からは、この仔犬の事がメインになるかも」
 そんな双子達の笑顔に、シャルルやシュナイゼルは心が癒される。

  この笑顔が有る限り、この箱庭は全力で守り抜こう。
 そう心に誓う、シャルルとシュナイゼルだった。




☆父と兄の甘やかし終了。
次回サブタイトル「暖かい時間 お風呂タイム」です。一番書きたかった話なので、頑張って書かないと!
シュナ兄様からのプレゼントの仔犬ちゃんは、ロロという名前にまりました。
小型犬ながら、凶暴さはピカイチ。でも、双子に絶対の忠犬です。
そして、双子以外には全く懐かない子で、某騎士様の天敵になるそうです(笑)
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