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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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別れたら好きな人 17

「どうして?」
 どうしてココにルルーシュが?
「知らせてくれた子がいるんだ」
 息を切らせながらも苦笑しているルルーシュに、ロロは友人が何と言って知らせたのか大よそ検討がついた。
 聡い友人なのだが、大げさに話す癖がある。
 真剣に心配して走ってきてくれたのだろう。
 運動が苦手な兄には申し訳なかった。
「ロロが心配だったんですか?」
 走ってくるくらいには。
 私の為には走っては来てくれないだろう。
 そう思うだけで、目の前が真っ赤に染まる。
 そうだ、嫉妬しているのだ。
 ロロという存在に。
 ルルーシュに想われている存在に。
「ジノ?」
 何を言っているんだ?
 ルルーシュが首を傾げていると、
「そんなにロロが心配なんですか!」
 強い口調。
 嫉妬に駆られたジノは、周りが見えていない。
 だからこそ、隣でロロが呆れた顔をしているのにも気がついていなかった。
「はい。ストップ」
 そんなジノとルルーシュの間に割って入ったのは、勿論ロロだ。
「ロロ!」
「ロロ?」
 二人の対応は正反対に近い。
 睨み付けてくるジノに、安堵するルルーシュ。
「ジノ、好い加減に気付いたらどうなのさ」
「何がだ!嫉妬している事か!」
 ジノの言葉に、ルルーシュの方が驚いてしまう。
「嫉妬?」
 誰が?
 誰に?
 この場合はジノがだろうが、誰に嫉妬?
「嫉妬しているのは知っているけど、違うから。あのさ、僕のフルネームを言える?」
 多分というか、絶対に気付いていないんだろうな。
 女性のフルネームは一瞬で覚えると評判のジノも、相手が男になると全然覚えない。
 だからこそ、今回のような誤解が生まれたのだろう。
「ロロだ」
 胸を張って言うジノに呆れながら、
「だから、フルネームなんだけど」
「知らん」
 ジノにとって、ロロはロロだ。
 それ以外の名前を覚えるつもりは無かった。
「やっぱりね」
 そのジノとロロの遣り取りに、遅ればせながらルルーシュもロロの真意に気が付いた。
 というか、
「知らないのか?」 
 クラスメイトなのに?
 もっともルルーシュとてクラスメイト全員の名前を覚えていない。
 必要な人物だけは覚えているくらいだろう。
 だがロロは、自分の弟なのだ。
 色々と兄弟という事で話題に上った噂は、一つや二つではない。
 それなのに、今まで知らなかったとは驚きだ。
「だから、何がだ」
 好い加減に切れそうなジノに、呆れながらロロは、自分のフルネームを告げた。
「ロロ・ランペルージ」
「え?」
「僕の名前だよ」
 悪戯っ子の様な笑みを浮かべながら、ロロはジノを見据える。
「ランペルージ?」
 だって、それは?
 そこまで呟くと、ロロに庇われるように立っているルルーシュを見た。
「コイツは弟だ」
 そこには呆れた顔のルルーシュ。
「兄弟?」
「そうだよ」
 ジノの嫉妬は、呆気ない結末を迎えた。




☆あと数話で終わります。
絶対に終わらせます。
 

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