諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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プリンの友『運命編』
メールに返事をする。
だがそれだけの動作が、上手くいかない。
手が震えてしまうのだ。
だって、会いたいと思っている人に返事をするのだ。
ドキドキしたって仕方がない。
だけど何を書けば良いのか分からなくて、結局空いている日時だけを書き込んだシンプルな文面になってしまった。
それがルルーシュには精一杯だった。
「よし」
送信が終われば、後は返事を待つだけ。
今日の放課後から、来週の頭まで、希望の日付は3日ほど書き込んだ。
余りにも多いと迷惑かと思ったから、遭えて3日。
そして、その10分後。
メールの着信を告げる音。
「え?」
早すぎる返事にまさかと思いつつメールを開けば、そこにはロイドからの返事。
そして指定されたのは今日の放課後。
「本当に?」
確かに今日の放課後から大丈夫と書いたが、まさかこんなに早く会えるとは思わなかった。
「本当に暇なのか?」
スザクは昨日から忙しいと言っていた。
その上司たるロイドが暇だとは(昨日は暇そうにしていたが)思えない。
心配なのだが、それ以上に嬉しさが上回る。
だって、ロイドに会えるのだから。
待ち合わせ場所はルルーシュもお気に入りのプリンの美味しいお店。
本来は本格的なコーヒーを出すお店なのだが、裏メニューのプリンも絶品なのだ。
裏メニューだけあって、一般には知られていないのだが。
ロイドもその事を知っていたと思うと、ルルーシュはそれだけで嬉しくなってしまう。
「早く来ないかな」
授業が終わると、生徒会の仕事を放り出してルルーシュは来ていた。
その為か、待ち合わせ時間まで30分以上余裕がある。
それでも、
「人を待つのが、こんなにも良いモノだと思わなかった」
ドキドキしながら人を待つ。
それだけなのに、凄く新鮮に感じられるのだ。
時間が近付いて来ると、それにソワソワが加わった。
待ち合わせ時間になると、ワクワクしてきた。
ドキドキ
ソワソワ
ワクワク
今まで感じた事がない経験だ。
こんなのも悪くないと思いながら、時間を確認しようと腕時計に目を向けたとき、
「待った~?」
待ち望んでいた声が聞こえて来た。
「ロイドさん」
ルルーシュが顔を上げると、そこにはニコニコしているロイドが立っていた。
「ゴメンね~。待たしちゃったかな~」
「いえ、俺が早く来すぎただけだから」
そう勝手に早く来てしまっただけなのだ。
ロイドが悪い訳じゃない。
それに、待っている間は楽しかった。
「本当~?ルル君が良いなら良いけどね~」
「はい」
「良かった。で、今日はこのお店なんだけど~、知ってる?」
「はい。俺も、このお店は好きです」
「え~ルル君の知ってたんだ~」
残念と言いつつも、ロイドは嬉しそうだった。
「はい」
「ねえ、ルル君」
「何ですか?」
「今日で、3回目だよね」
「え?」
唐突な言葉に、一瞬何の事だか本気で分からなかった。
「会うのが」
ロイドのニコニコは止まらない。
「そうですね」
そうか、まだ3回なんだ。
もっと会っていたようにも感じる。
とても不思議だった。
「だから、これで運命なんだよ」
ようやく3回目だ。
これで運命。
僕の気持ちはルル君にある。
だから、今度はルル君の気持ちを確かめよう。
「え?」
何が運命?
「僕の副官がね。言ったんだ~」
「何をですか?」
何を言ったんだ?
「一度目は偶然。二度目は必然。三度目は運命って」
目を細めながら言うロイドは、どこか楽しそうだった。
「それって?」
三度目は強引なのだから入らないような気がする。
でも、嬉しいと思う気持ちは本物。
だから、
「だから、これで運命だよ」
ルルーシュが考えていた事をロイドが言った。
「そうですね」
これは運命なのだろう。
「これから宜しくね、ルル君」
捕まえたからには離さないけどね。
「はい。ロイドさん」
2人は嬉しそうに微笑んだ。
☆これでコピー誌が出せると思ったら、2ページ足りなかった(泣)
なので、2ページ分の話を続きで書きます。
多分、『デート編』になると思います。
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