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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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別れたら好きな人 18

「弟?」
「そうだよ」
「そうだ」
 ジノの呟きに、呆れながらロロとルルーシュが頷いた。
「あははは、バカみたいだ」
 兄弟だなんて。
 家族思いなルルーシュが、弟を大切にしないはずがない。
 今思い返せば、確かにアノ時見たルルーシュの表情は、大切な家族に向けるものだった。
「納得しているところ悪いんだけど、もう一度確認させて欲しい」
「ロロ?」
 真剣なロロの表情に、ルルーシュは何事かと驚いている。
「どうして兄さんと別れたの?」
「なっ!ロロ!」
 ジノに真っ直ぐ伸びた視線。
 だがルルーシュは、その答えを聞きたくなかった。
 辛い思いは一度で沢山だ。
 二度も傷を作りたくない。
「それは・・・・」
 それは、どうして?
 ロロを呼び出すほど嫉妬している自分。
 その答えなど分かっている。
 そして、認めてもいる。
 だが、それをルルーシュの前で言うのは憚れた。
 自分が傷付けてしまった人。
 これ以上、この人に迷惑を掛けたくない。
「ジノ!」
 尚も詰め寄ろうとするロロを止めたのは、ルルーシュの悲しそうな声。
「もう良いよ。ロロも、俺は大丈夫だから」
 これ以上、この話題に触れたくない。
 だって、今だってジノの事が好きだから。
 だから、これ以上本人の口から聞きたくない。
「でも、兄さん。コレは大切な事なんだ」
 自分に嫉妬するくらい兄を求めているジノ。
 そして、兄の心もまたジノにある。
 ここで自分が引いてしまえば、この二人が交わる事がない。
 だからこそ、自分は引く訳にはいかない。
「ロロ、私は、私は・・・・・」
 言って良いのだろうか?
「聞きたくない!ゴメン、聞きたくないんだ」
「私のせいなんですね」
 傷付いたルルーシュの表情。
 こんな顔をさせたのは私だ。
「違うよ。俺が弱いだけだよ」
 ジノが悪い訳じゃない。
 心変わりなど誰にでもある。
 この世に不変なものなどない。
「私の事が嫌いですか?」
 嫌われても仕方がない事をした。
 だが、ルルーシュの態度は嫌っているようには見えない。
 一途な望み。
「嫌いじゃない」
 嫌えれば良かったのかもしれない。
 だが、嫌う事ができなかった。
 だから、自分の心を受け入れた。
 ジノが好きなんだと。
 たとえジノの心が自分に無くてもいい。
 気持ちが自然に消化されるまで、好きでいようと思った。
「私は、ルルーシュ・・・先輩の事が好きです」

 


☆あと2話で終わります。今度こそ、本当です。

 

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