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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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プリンの友『困惑編』

 2度目の邂逅の翌日。
 早くもルルーシュの元には3度目のお誘いメールが届いていた。
「どうしよう?」
 行くにしろ、断るにしろ、何らかの返事は出さなくてはいけないだろう。
 分かっているのだが、何となく思い浮かばないのだ。
 断る文面が。
「どうしたのルルーシュ?」
 携帯電話を見ながら固まっているルルーシュに、今日は珍しく授業に出れそうなスザクがニコニコと寄って来た。
 学園に通える事が嬉しいのか、ルルーシュに会える事が嬉しいのか、本人にも判断が付いていないが嬉しいものは嬉しいのだ。
 そう1人で納得して、スザクは学園に今日も通う。
 そして、喜びを隠す事無く入った教室で、目当てのルルーシュが携帯を眺めていた。
 携帯を眺めている事は珍しくないのだが、その表情がいつもと違っていた。
「なあ、スザク」
「なに?」
 携帯から目を離さないまま、ルルーシュは近寄ってきたスザクに声を掛けた。
「お前の上司は暇なのか?」
「え?」
 なんで、ここで上司?
 嫌な予感に、ルルーシュが見詰めていた携帯画面を一緒に覗き込んでしまった。
 そして、そこには、
「ロイドさん!」
 自分の上司たる男からのメールを見つけてしまった。
「そうなんだが、どうしたら良いと思う」
 声は困っている風にも聞こえるが、表情はどことなく嬉しそうだった。
「ねえ、ルルーシュ」
「なんだ?」
「ロイドさんとは、何時会ったの?」
 自分の記憶が正しければ、ロイドとルルーシュの接点は一回きりだ。
 そして、メルアド交換なんかしていないはず。
 だが、目の前にはロイドからのメール。
 ビシバシと嫌な予感。
「昨日」
「昨日!昨日って、僕が真面目に仕事していたのに!」
 確かに昨日はロイドはいなかった。
 気分転換だなんだと言いながら行方不明になっていたはず。
 それでも、仕事だけは山積みだったので、スザクは一日中軍に拘束されていた。
 なのにロイドさんは、ちゃっかりとルルーシュに会っていたのか?
 沸々と沸いてくるのは怒り。
 だがそれを表に出すほど愚かではない。
「ス、スザク?」
 声を荒げているスザクに恐る恐る声を掛けると、
「あ、ゴメンね。何でもないよ。昨日はちょっとハードだったから、思い出したらちょっとね」
 ゴメンね。
 ニッコリと笑いながら言うスザクに安堵するが、
「忙しかったのか?」
 ロイドは忙しさを感じさせなかった。
「人によりけりだけどね」
 曖昧に誤魔化しながらも、どうやってルルーシュとロイドの接点を潰すかしか頭にない。
「そうか」
「それより、どうするの?」
 携帯を指差して言えば、
「どうしようか困っている」
 首を傾げている姿は困っている風にも見えなくはない。
 が、やっぱり表情は嬉しそうなのだ。
「ルルーシュ、君・・・・・」
 言いたくない。
 言ってしまえば墓穴を掘るような気がする。
 だが、言わないでいても結果は同じような気がする。
「スザク?」
 先ほどからスザクの微妙な表情。
 どうしたんだと問えば、
「ロイドさんは軍人だよ。だから・・・・」
 会わない方が良い。
 そう言いたかったのに、
「そうだよな、軍人なんだよな」
 ルルーシュは酷く悲しそうな顔をしている。
 その表情に、スザクの方が泣きたくなってしまった。
「でも、ロイドさんは変わってるから大丈夫だよ」
 応援なんかしたくない。
 でも、ルルーシュの悲しそうな顔も見たくなかった。
 だってルルーシュの事が好きだから。
 ここに来てスザクは自分の心に素直になった。
「・・・・・・スザク」
 スザクが励ましてくれているのが分かった。
 そっか、そうだよな。
 知られた時は、その時に考えれば良いのだ。
 やっぱり今ロイドに会いたいと気持ちが大きい。
「ナニ?」
「ありがとう」
 今は自分の気持ちに素直になろう。
 だって会いたいと思ってしまったのだから。
「どういたしまして」
 嬉しそうなルルーシュの笑顔。
 何かが吹っ切れたのだろう。
 ははは、応援なんてしたくなかったんだけどな。
 スザクは自覚と共に失恋した事に、心の中で1人泣いていた。
 



☆久しぶりに「プリンの友」の更新。
次はロイドさんが出てきます。
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