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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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天使はプリンが好き

「ルルーシュ」
 甘ったるい声。
 だが、この家の中では日常的な声だ。
「兄様?」
 自分を呼ぶ声に、コテンと首を傾げながらルルーシュは兄を見上げた。
 誰よりも優しい(ルルーシュ限定)兄は、ルルーシュの憧れだ。
「美味しいと評判のプリンを貰ったんだ(正確には、某友人を脅して買ってこさせたモノ)一緒に食べようか」
 ニッコリとルルーシュの大好きな笑顔。
「はい」
 ルルーシュもつられるように万遍の笑みが浮かんでいる。
 その、いつも以上に輝いている顔に、シュナイゼルは内心でオヤっと思ってしまった。
 ルルーシュが可愛くて輝いているのは何時もの事だが、ここまで目をキラキラさせた顔は始めて見る。
 これは、ルルーシュメモに付け加えるべき事項が増えたかもしれない。
「ルルーシュ」
「何ですか?」
 またしても首を傾げる愛らしい姿に、シュナイゼルはクラクラしながらも平常心と自分に言い聞かせてカッコいい兄を演じている。
 ちなみに演じないと、ルルーシュの愛らしさに当たって顔がフニャフニャになってしまうのだ。
 そんな姿を、ルルーシュにだけは見せたくない。
 というか、見せられない!
「もしかして、プリンが好きなのかな?」
 基本的にルルーシュに好き嫌いは少ない。
 最近知ったルルーシュの好物はイチゴだったが、もしかすると今回も偶然ヒットしたかもしれない。
「はい。大好きです」
 キラキラと眩しい笑顔。
 ああ、何て可愛らしいんだ!
 シュナイゼルは感動しながらも、ルルーシュメモに好物の追加事項を書き込んだ。
「そうか、友人(悪友)にプリン好きな男がいてね、今回のプリンはお勧めの一品だそうだよ。ルルーシュも気に入ってくれるかもしれないね」
 ルルーシュがプリン好きとなれば、あの男の出番も増えるな。
 何かと煩わしい悪友だが、ことプリンのこととなれば役に立つだろう。
「わぁー。早く食べたいです」
 キラキラと希望に満ちた表情。
 やっぱり私のルルーシュは可愛い。
「じゃあ、手を洗ってきなさい」
 本当は直ぐにでも一緒に食べてあげたいが、ここは保護者としても責任を果たさないと。
 こういった事を無視していれば、後でアノ父親にルルーシュを取られかねない。
 今は自分がルルーシュの面倒を見ていても、アノ男もルルーシュの事が可愛いのだろう、むやみやたらと連絡が来る。
 今まで(ルルーシュを引き取る前)は、数ヶ月に一度、下手したら年に一度程度しか連絡がなったのに、今では週に2度は電話が掛かってくる。
 鬱陶しいが、出なければ家に押しかけてきそうなので出ている。
 もっとも、色々言い訳をしてルルーシュを電話口に出させることはないが。
 
 
「さあ、食べようか」
「はい」
 頂きますと行儀良く手を合わせて食べ始めるルルーシュ。
 何をやっても可愛いと思いながらシュナイゼルも自分用のプリンを食べ始める。
 さすがにプリン狂のロイドお勧めだけに、絶品といっても過言でない。
 内心でロイドに感謝していると、
「ほわぁぁ。美味しいです~」
 可愛らしい声がした。
 声のする方は、やっぱり可愛らしいルルーシュ。
「気に入ったかい?」
「はい!」
 ニコニコと即答。
 相当気に入ったようだ。
「それは良かった。また、美味しいと評判のプリンを買ってきてあげるよ」
 もちろん買いに行くのはロイドなのだが、ルルーシュには言わない。
「本当ですか!」
 美味しいプリンが食べられる。
 ルルーシュの顔は、これ以上ないくらい輝いている。
「私がルルーシュに嘘を付いたことがあるかい?」
「ないです」
「そうだね。ルルーシュに(だけ)は嘘を付かないよ」
「はい」
 嬉しそうに頷くルルーシュ。
 この子のためだけには、どこまでも優しくなれるような気がする。
「大好きだよルルーシュ」
「はい。僕も兄様の事が大好きです」
 この子の笑顔のためなら、どんなことでもしよう。
 何度目か分からない、誓いを心にシュナイゼルは優しい気持ちになれた。
 
 
 後日、当たり前のようにプリンを買いに走るロイドの姿が目撃されていた。





☆シュナ兄が段々と壊れていくような気が・・・・
でも、まあ、このシリーズの兄はルルバカだから仕方がないか。
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