諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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箱庭の小鳥達 2
箱庭の小鳥達2
咲世子は、自分達兄弟の世話係だ。
咲世子は、自分達兄弟の世話係だ。
イレブンである彼女が、なぜ自分達の世話係としてブリタニアにいるのか分からないが、気が付いた時には傍にいた。
違和感なく溶け込んでいる彼女に不満はない。
それどころか、性格的に天然な所はあるが、その他は完璧な仕事ぶりに兄弟達の信任は厚い。
それにゼロは知っていた、彼女の身体能力が優れている事を。
いざとなれば、自分の代わりにルルーシュを守る事もできる。だからこそ、ゼロの信任は強くなったのかもしれない。
現に彼女自身から『私は、ゼロ様とルルーシュ様に仕える女です』そう言われた時、なぜだか素直に頷く事ができた。
「咲世子さん、お茶をお願いします」
ゼロが声を掛けると、珍しく咲世子の困った顔。
「どうかしたんですか?」
「それが、先ほどご連絡がありまして、皇帝陛下がお見えになるとの事です」
今お茶の準備をしてしまったら、連続してお茶をする事になってしまう。
『2杯くらいなら大丈夫かしら?でも、やっぱり連続して飲むのはキツいかも』
咲世子は真剣に悩んでいた。
そんな咲世子の悩みを何となく理解してしまったゼロとルルーシュは、
「父上が参られてからお茶にするよ」
「咲世子さんは、それまでに準備しておいて下さい」
苦笑してしまった。
余りにも微笑ましい日常。
これが当たり前なのに、たまに違和感を感じてしまう。
それが何?と言われれば、何とも答えられないのだが。
だが、その事を深く追求したいとは思わなかった。
それは、今が何よりも大切だからかもしれない。
それから一時間後、ナイトオブワンを伴って皇帝陛下が来た。
「ようこそ、父上」
「お待ちしていました」
ニッコリと笑顔付きで出迎えてくれる愛息子達に、シャルルの表情が崩れた。
「るっるーしゅ。ぜ~ろ。ダメでわぁないかぁ。そんなぁ堅苦しいぃ挨拶などぉいらぁ~ん。パパと呼んでおくれぇ~」
崩しまくった顔に、皇帝としての威厳は微塵も感じられない。
毎回の事ながら、こんな父親が恐れられている皇帝だとは信じられない。
だいたい、17にもなる息子にお土産だと言って、強大なテディーベアーを持ってくるような人なのだ。
ルルーシュは嬉しそうに受け取っていたが、ゼロは引いてしまっていた。
今も、シャルルの後ろで控えているワンの顔が僅かに引き攣っている、頑張って堪えているのが手に取るように分かる。
「ですが父上は皇帝陛下なのですから」
「そうですよ、私達には立場というものが・・・・」
そこまで言いかけた時、音速な速さでシャルルは二人の息子達を抱き締めた。
「嫌だぁ~。パパのことをぉ、嫌いにぃ~なったらダメだよぉ~」
ウルウルと泣き出しそうな顔は、ハッキリ言ってキモイ。
それでも、自分達の父親なのだからと心の中で唱えながら、ゼロとルルーシュは精一杯の笑顔を見せた。
「大丈夫です」
「ち、あ!えっと、パ・・パパの事を嫌ったりなんかしませんから」
引き攣りながらもルルーシュが言い切ると、パアーっとシャルルの顔が輝いた。
「るっるーしゅ。パパは感動したよ~」
さあ、今日のお土産だよと渡されたのは、
「ウエディングドレス?」
また律儀に受け取ってしまったルルーシュだが、流石に今回の品は困ってしまう」
これをどうしろと?
困った顔でゼロを見上げれだ、ルルーシュ以上に呆れた顔をしていた。
そうだろう、どこの世界に息子への土産といってウエディングドレスを持ってくる親がいるだろうか。
絶対にいない。
これは断言できる。
「父上、流石にコレは息子への土産には向かないと思います」
「そぉかぁ?マリアンヌはぁ、似合っておったぞぉ~」
その言葉に、このウエディングドレスが母の物だという事が分かった。
そして、多分。いや、きっと、このウエディングドレスは、自分達兄弟に合う採寸に作り直されているのだろう。
だからといって、どうしろというのだろう?
「着ませんからね」
「流石に無理です」
二人からの言葉に、ガックリと頭を垂れてしまう。
「そんな顔をしても、コレばかりは譲れません」
「僕もです」
「分かった」
本来なら着て欲しいが、無理強いして嫌われたら元も子もない。
今回は諦めるしかないようだ。
だが次回こそは!
懲りないシャルルであった。
そんな父親に呆れる兄弟達だが、自分達を可愛がってくれているのが分かるので譲歩できる所は譲歩してしまうのだ。
☆ほんわかなギャグです。リクの甘やかすシャルルパパはクリアでしょうか?
次回サブタイトルは「お兄ちゃんにも甘えて」です。
☆ほんわかなギャグです。リクの甘やかすシャルルパパはクリアでしょうか?
次回サブタイトルは「お兄ちゃんにも甘えて」です。
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伊月 優
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