諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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罪と罰
罪と罰
フト違和感を覚えた。
何がと言われれば、何かは分からない。
それでもカレンは、自分の直感には自信があった。
周りを見回して、その正体を探った結果、思わぬところに違和感の正体が転がっていた。
「ゼロ!」
先ほどから感じていたのは、セロの動き。
いつもと違って、動きがゆっくりだ。
元々俊敏とは言い難いが、ココまで切れがない動きをするような男ではなかったはず。
おかしい。
「どうしたカレン。今は忙しいのだが」
他の幹部達の目があるからなのだろう。言い方はゼロだ。
正体を知る前ならば高飛車な言い方にすらトキメイテいたかも知れないが、今は正体が分かっている分、冷静になれる。
「ちょっと来て」
ゼロの言葉に怯む事無く、カレンはゼロを自室へと引っ張って行く。
「おい。まだ仕事が」
「問答無用よ」
だが、やらなくてはならない仕事が山のように残っているルルーシュは、カレンに引きずられてはならないと足に力をいれた。
だが、
「ほあぁぁ」
足に力が入らない。
結果、本気でズルズルと引きずられて行った。
そんな二人の姿を、幹部達は呆然と眺めるだけだった。
誰も、一言も声を出せない。
それ程、カレンは鬼気迫る表情をしていたのだ。
自室へと着くと、カレンは問答無用でルルーシュをベットへと投げ捨てた。
「オイ!」
いくらルルーシュでも、この扱いには腹が立つ。
「何時からよ!」
文句の一つでも言おうとしたのだが、正面には仁王立ちのカレンの姿。
その迫力のある姿に冷や汗が出つつも。
「何の事だ」
本当に何を言っているのか分からない。
「だから、何時から体調が悪いのよ!」
キッと睨み付けられながらの言葉に、気が付いていたのかとルルーシュの眉間に皺が寄った。
「別に問題はない」
気が付かれたからといって、別に問題はない。
他のメンバー達もだが、自分がゼロの仕事をこなして行けば、文句もないだろうと思っていた。
「どこがよ!フラフラじゃないの」
「問題ない」
それでも大丈夫だと言い放つ男に、カレンが切れた。
「ハッ笑わせないで。どこがよ!」
ガバリとルルーシュからゼロの仮面を取り外した。
そこには熱で顔を赤らめている男。
「カレン!」
まさか仮面を取るなどという暴挙に出るとは思っていなかっただけに、対処に遅れてしまった。
「その顔で大丈夫なんて言われても、信用しないわよ」
辛い時に辛いと言えないのは、自分達が不甲斐ないせいだろう。
悔しいと思いつつも、カレンは今できる事をするだけだ。
「だが、仕事が!」
それでも、仕事に戻ろうとするルルーシュ。
悔しかった、頼って貰えない事が。
寂しかった、信じて貰えない事が。
だから、
「今は眠りなさいよ」
強引にベットに寝かせつけると、ルルーシュの目を両手で覆い隠した。
「カレン!」
「今は、今だけは寝て」
カレンの悲痛な叫びに、とうとうルルーシュの抵抗がやんだ。
「一時間だ。一時間で起こせよ」
「ええ、分かったわ」
カレンの言葉と共に、ルルーシュの力が抜けて行くのがわかった。
相当無理をしていたらしい。
そっと目を覆いかぶさっていた手を退かせば、そこにはあどけない少年が眠っている。
自分だってそうだが、彼だってまだ保護ざれるべき年齢の子供なのだ。
そんな彼を、修羅の道に引き戻したのはカレンだ。
一度はゼロを放棄しようとした人。
それを私が引き戻してしまった。
その時はゼロが必要だと思ったから。
でも今は・・・・・・
後悔しているのかもしれない。
あの時、この人をルルーシュに戻してあげなかった事を。
それでも、傍に居たかったのだ。
彼の傍に居ても良いだけの理由が欲しかった。
「ルルーシュ。ゴメンなさい」
戻してあげれば良かったのかもしれない。
それでも、戻せなかったのは自分のエゴ。
「だから」
だから、
「貴方だけは、私が守る」
絶対に守ってみせる。
貴方を引き戻してしまった。
それは、私の罪。
「愛しているわ、ルルーシュ」
決して本人には言わないけど。
いえ、言えないのかもしれない。
修羅の道に引き戻してしまった私が、言ってはいけない言葉。
これは、私への罰。
☆60万hitリクの第一弾です。
色々なリクエストを頂きましたが、この話が初めに出ました。
本気でカレンは戻ってくると信じてラスト付近を見ていた頃が懐かしい。
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