忍者ブログ

諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

[208]  [207]  [206]  [205]  [204]  [203]  [202]  [201]  [200]  [199]  [198

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

別れたら好きな人 13

 シャーリーと話してから、ルルーシュの世界は変わった。
 心が軽くなった分、誰にでも優しい気持ちで接する事ができる。
 別れてからは、一度も目を合わせられなかったジノに笑顔を見せる事だってできる。


「おはよう、ジノ」
 朝から笑顔全開のルルーシュに声を掛けられて、ジノは固まってしまった。
 何があったんだろう?
 昨日までは視線すら合う事はなかったのに。
「ルルーシュ先輩?」
 驚きと共に、その眩しい笑顔に惹かれてしまう。
 こんなに鮮やかな笑顔を見せれる人だったか?
 別れてから1週間も経っていないのに、思い出す事ができない。
「今までは悪かったな」
 ハニカミながら言うルルーシュにドキリとしてしまった。
「ルルーシュ先輩?」
 どうして?
 何があったんですか?
 言いたいのに、言葉が出ない。
「これからは、見本になるような先輩になるよ」
 苦笑しながら踵を返すその横顔は、凛としていて晴々としている。
 今まで一度もジノに見せた事のない顔だ。
「あ!」
 思わず出掛かってしまった手。
 呼びかけたからといって、何も話す事がない。
 眉間に皺を寄せながら、ジノはルルーシュの後ろ姿を見詰めるしかできない。。 
「何があったんだ?」
 ジッと見詰めていると、ルルーシュは気軽に他の生徒にも声を掛けていた。
 付き合っていた頃は、自分から他の生徒に声を掛けるような人ではなかった。
 もっとどこか孤独感を漂わせていた人。
 そんな人が、気軽に声を掛けている。
 そして、声を掛けられた生徒達は一様にボーっと見惚れていた。
「面白くないな」
 笑顔を振りまいてなんか欲しくない。
 あの人の笑顔は・・・・・・
 ヤバイ。
 自分は何を考えていた。
 別れたのに。
『あの人の笑顔は自分のもの』だなんて。
 ジノが険しい顔をしていると、
「おはよう、ジノ君」
「おはよー」
「ジノ君」
 クラスメイトや同学年の女子達が次々と声を掛けてきた。
「・・・・・・・・」
 いつもなら気軽に声を返せるのに、なぜだか今日に限って声がでない。
「ジノ君?」
「どうしたの?」
「体調でも悪い?」
 次々に掛けられる声に、苛立ちが募る。
「帰る」
 それだけ言うと、ジノは来たばかりの学園から去ってしまった。
「ジノ君!」
「え?ちょっと」
「待ってよ」
 背後から聞こえて来る声に、ジノに苛立ちしか覚えない。
 聞きたいのは、そんな声ではない。
 無性にルルーシュの声が聞きたくなった。


 自分に、そんな資格がない事は分かっているのに。





☆短いけど、キリが良いのでココで区切ります。
それにしても、エピソードを削ったせいで、盛り上がりに欠ける。だからといって、今更付け加えるのは嫌だ。
削ったのは、ジノサイドの話です。フェミニストなジノと、それに嫉妬するルル。
オフで出すことがあれば、ちゃんと付け加えます。

 

PR

取り戻した宝石 おまけ HOME 取り戻した宝石

カウンター

プロフィール

HN:
伊月 優
性別:
女性

活力になります

管理用

アクセス解析


ジオターゲティング

検索避け

忍者ブログ [PR]
Template by repe