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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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片翼の天使 7

 一通り自己紹介も済み。
 生徒会の解散となっても、スザクはルルーシュにくっ付いたまま(というか、へばり付いている)動こうとはしない。
「スザク君!」
 ミレイが呆れて剥がそうとするのだが、意地になっているスザクはピクリともしない。
「絶対ヤダ!」
『『『『どこの駄々っ子だ』よ』』』
 聞いていた生徒会の面々は、同じ事を考えていた。
 ミレイに向かって、普段は温厚(表面上だけだが)とされているスザクが威嚇すらしている。
「スザク」
 そんなスザクに向かって、聞こえてきた綺麗な声。
「なに?ルルーシュ」
 ルルーシュの方へ向き合った途端、万遍の笑顔に変わっている。
『『『『『・・・・・・・』』』』』
 その変わり身の早さに、呆れるしかない面々。
「帰りたいから、離して欲しいのだが」
 ルルーシュが困ったような顔で言えば、スザクは渋々と腕の力を抜いた。
「ルルーシュが言うなら、仕方がないね」
「ありがとう」
 ふんわりとしたルルーシュの笑顔。
 何度見ても見飽きない綺麗な顔。
 その顔を見ているだけで、スザクは自分が幸せになれる気がした。
 こんな僕でも幸せになって良いのかな?
 疑問には思うものの、隣にルルーシュが居てくれるなら、どんな困難でも乗り越えられる気がする。
「あ!でも、でも校門までは一緒に帰って良い?」
 多分、校門の所には、あの時の黒塗りの高級車が待っているのだろう。
 だから、校門までで我慢するしかない。
 でも、いつか、もっと仲良くなれたら家に呼んで欲しいな。
「ああ、校門までなら大丈夫だ」
 家までと言われれば困るが、校門までなら問題はない。
「じゃあ、帰ろうよ」
 見えない尻尾がパタパタと振れている。
「そうだな。会長、リヴァル、シャーリー、カレン、ニーナ。また明日」
 それだけ言うと、ルルーシュはスザクにズルズルと引かれて行った。
「僕以外に笑顔を見せないでよ」
 廊下から聞こえてきたスザクの声に、本日何度目か分からない溜息がでた。


 そしてルルーシュは、スザクの予想通り、黒塗りの高級車に乗り込んでしまった。
 別れは素っ気無かったが、また明日も会えると思えば耐えられる。
 この一週間、ずっと耐えたのだから。


 部屋に戻ってきたルルーシュは、定時連絡の為にモニターを立ち上げた。
 モニターの向こう側には、自分の保護者的な人物。
「アッシュフォード学園への通う手続きが終わりました」
『ほう。それで何時から通うんだい?」
 決して表情を崩す事のない人。
 いつも浮かべている優しそうな微笑は、表情を隠すためだと知っている。
「今日からです」
『それで、ターゲットに接触できたかい?』
「はい」
『それは、良かった』
 本当に良かったと思っているのだろうか?
 それでもルルーシュは、この人に付いて行くと決めたのだ。
 ルルーシュには、この人しかいないのだから。
「そうですね」
 ターゲット。
 その言葉に、ルルーシュの胸が痛んだ。
 初めから分かっていたのに、どうしてこうまで胸が痛むのだろう。
『期待しているよ』
「はい。ご期待に沿えるよう頑張ります」
 そこでモニターの電源が落ちた。
 相手の通信が途切れたからだ。
 そう思うと、ようやく詰めていた息が吐き出せる。
 あの人相手に、ここまで緊張したのは初めてだ。
 

 自分は感情を取り戻してはいけない。
 あの人が悲しむから。
 

 自己暗示のように、ルルーシュは自分に言い聞かせた。  





☆本当に黒幕さんをどうしよう。どちらにしようか決め兼ねているので、曖昧にしてみました。
決まったら、名前を出そう。

 

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