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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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取り戻した宝石

ロイルル「籠の中の鳥」の続きになります。




取り戻した宝石




 シュナイゼルの執務室は静まり返っていた。

 いつもなら居るはずのカノンの姿すら見えない。

「どうしたの?1人だ何て珍しいねぇ」

 人を呼び出したと思ったら、シリアスな顔で佇んでいるシュナイゼル。

 嫌な感じだ。

「少し真面目な話がしたくて、他の者は下がらせている」

 ロイドとシュナイゼルの仲は周知の事実だ。主の傍を離れても安心できる相手だと思われているのだろう。

 ロイドにしてみれば、少し心外だった。

「僕は~忙しいんだよねぇ~。話なら手短にしてね」

 茶化しながらも、目は笑っていない。

「分かっているさ」

 この友人は、8年前から二人っきりになるのを避けている。

 理由は分かっている。

 半分とはいえ血が繋がっている。どうしても、似ているところを探してしまうのだろう。

「だったら~・・・・」

「ロイド」

 手短にしてと言うつもりだったが、シュナイゼルによりピシャリと遮られた。

「何?」

「君の気持ちは変わらないか?」

「はぁ?何の事?」

 ちょっとくらい主語を入れて欲しいんですけど。

 何の事だかサッパリ分からない。

「ルルーシュが生きていた」

「・・・・・・嘘」

 嘘だ。

 だって、そんな・・・・

「嘘じゃないさ。現にナナリーは生きていた。ルルーシュが生きていたとしてもおかしくないだろう?」

 確かにそうかもしれない。

 だが、現れたのはナナリー皇女1人。

 ルルーシュ様の事は表に出なかった。

 その事でロイドはずいぶんと落胆したのを覚えている。

「本当に?」

 生きているのだろうか?

 驚き以上に嬉しい。

 生きてさえいてくれればと、何度も願ってきた。

「ああ、どうして枢木スザクがナイトオブラウンズになれたと思う?」

「え?」

 どうして?

 それは、ゼロを捕まえたからだ。

 それが?

「知っているかい。ゼロと思われる少年は、枢木君の友人だったそうだよ」

「それが?」

 なに?

「ブリタニア人の友人で、8年前からの知り合いだったそうだ」

「え?8年」

 それは嫌な符号。

 8年前の日本と言う国に居たブリタニア人。

「その時に、ナナリーとも知り合ったらしいよ」

「まさか!」

 そんな!

 だって、それでは、ゼロは・・・・・

 ルルーシュ様?

「君に嫌われる前に、先に言っておこうと思ってね」

 だから知らせたんだよ。

 本心の掴めない微笑で言ってのけるシュナイゼルに、

「大丈夫だよ、君の事を好きだった事は一度もないからね」

 ニヤリとロイドも返した。

 お互いに認め合っていた。

 だが、それ以上でも、それ以下でもない関係。

 まさに悪友。

 自分達の間柄は、それだけだった。

「それなら良かった」

「話は、これだけだよね?」

「ああ」

「じゃあ、帰るね。色々と忙しくなりそうだから」

 ルルーシュ様を迎えに行く準備もあるし。

「そうだな。次に会うときは、敵同士じゃない事を祈るよ」

「多分、無理だよ」

 だって、僕が仕えるべき相手が見つかったのだから。

 ブリタニアに忠誠を捧げる事は二度とない。

「そうだな」

 それが分かっていながらも、シュナイゼルはロイドを帰す。

 敵となる者を。

 それがシュナイゼルという人間だった。

「バイバイ」

 それは、ブリタニアに対するものでもあり、シュナイゼルに対するものでもある。

 二重の意味での決別。

 

 

 それからのロイドの動きは迅速だった。

 黒の騎士団がゼロを裏切った事を傍受したロイドは、唇が切れるまで噛み締めていた。

 口の中に広がる鉄の味よりも、ルルーシュ様の心の方が心配だった。

 自分の地位と権力をフルに使って、辿りついた先に居たのは、どこか吹っ切れた顔をしたルルーシュ様。

 と、おまけ達。

「見つけましたルルーシュ様」

 ニッコリと笑いながら言うロイドに、ルルーシュは一瞬驚いた顔をしたものの、次の瞬間には花が綻ぶような笑みを見せてくれた。

「ロイド」

 8年振りにルルーシュ様に呼ばれた。

 それだけでロイドは満足しそうになったが、それではダメなのだ。

「ねえ、ルルーシュ様。覚えていますか?」

 約束を?

「良いのか?」

 何のことだか分からない外野達を無視したまま、ロイドとルルーシュは見詰め合っていた。

「ええ、僕の気持ちも想いも変わりませんよ」

「ロイド」

「ルルーシュ様が生きている限り、貴方がただ1人の主です」

「我が騎士ロイド」

「イエス、ユア ハイネス」

 微笑みながら手を取り合う二人。

 そこは完全に二人だけの世界だ。

 


 だが、ここにはロイドとルルーシュ以外の人間も居る。

「え?ええぇぇ!」

「ほお」

 スザクの驚いた声とC..の呆れた声が聞こえてきた。

 そんな二人の叫び?も、再会した主従には届く事はなかった。







☆「籠の中の鳥」は、元々続きを書くと言っていたのに書いていなかった(汗)
すっかり(本気で)続きの事は忘れておりました。
宇佐美恵様、リクエストありがとうございます。

 

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