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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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フライング

 あと少しで日付が変わろうとしている時、小さな物音が響いた。
 窓に小石が当たる音だ。
 こんな事をする人間は限られている。
「スザク」
 名前を呼びながら窓を開ければ、そこにはスザクが佇んでいる。
「良かった、まだ起きていたんだ」
 嬉しそうに笑う姿に怒る気も失せたルルーシュは、部屋に上がってくるように言った。
「ゴメンね。こんな時間に」
「本当にな」
 とっくに人様の家に来る時間帯ではない。
 気付けば、後数分で日付が変わる。
「でも、どうしても今日中に言いたかったんだ」
「何を?」
 今日でなければいけない事?
 何かあったか?
「誕生日おめでとう」
 これが言いたかったと笑うスザクだが。
「誕生時は、まだだが・・・・」
 まったく、コイツは。
 一日間違えている。
「え?でも、今日って5日じゃ・・・・あれ?そう言えば、4日だったような。あ!」
 ココにきてスザクは、一日勘違いしていた事に気が付いた。
「そう言うことだ」
 そそっかしい。
「ゴメン。てっきり今日なんだと思って。その、こんな時間に」
 どうしてもルルーシュの誕生日を祝ってあげたかった。
 だから、間に合うように慌てて来たのだが、まさか日にちを勘違いしていたなんて。
「まあ、良いさ」
 自分の為にココまで来てくれた事は、素直に嬉しいし。
 例え、人を訪ねる時間帯ではないとしても。
「でも、慌てて来たからプレゼントも用意してないんだ」
 初めから明日がルルーシュの誕生日だと知っていれば、誕生日プレゼントを買って、ちゃんとした時間に行けたのに。
 自分のポカが怨めしい。
「だが、お前の勘違いのお陰で、最初に祝う人間にはなれるぞ」
「え?」
 どういう事?
 スザクが首を傾げていると。
「日付が変わった」
「あ!」
 確かに日付が変わった。
 つまり、本当のルルーシュの誕生日になったのだ。
「祝ってくれないのか?」
 悠然と微笑みながらルルーシュはスザクを見詰める。
「うん。誕生日おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう」
 今度こそ、フライングする事無く言えた。
「ありがとう」
 一番最初に祝ってくれたのが、大好きな人なのがルルーシュには嬉しかった。
 それが、スザクの勘違いから来たものであっても。
 嬉しそうに笑うスザクとルルーシュ。


 この時、お互いが片想いしている事を、まだ知らない。

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