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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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別れたら好きな人 11

 だが、その時は呆気ないほど早く来た。
 ルルーシュが散々悩んだ翌日。
 最近では珍しいジノからの呼び出し。
 嫌な予感がしたが、無視する訳にはいかない。
 重い足取りで待ち合わせの場所に向かえば、そこには既にジノの姿があった。
「ジノ」
 遠くから見ている分には、何も変わらないように思えるのに、ジノの心はルルーシュの傍にない。
 それが切なくて辛かった。


 ジノの傍まで寄るとようやくルルーシュの存在に気が付いたようだ。
「ルルーシュ」
 初めてジノに名前を呼び捨てにされた時はビックリして、でも嬉しかった。
 これが最後だなんて思いたくない。
 だから、
「聞きたくない」
 咄嗟に叫んでしまった。
「ルルーシュ!」
「嫌だ、何も聞きたくないんだ」
 別れ話など聞きたくない。
 こんなにも好きなのに。
「聞いてくれ」
「嫌だ」
 嫌だ。
 絶対に嫌だ。
 聞きたくなんかない。
 聞かなければ、終わる事もない。
「ゴメン」
 嫌がっているルルーシュの姿に、ジノも辛かった。
 だが、ダメなのだ。
 だから謝るしかできない。
「謝るな!」
 謝って欲しい訳じゃない。
「でも、私が悪いから。全部、私のせいだから」
 ルルーシュを苦しませているのは私の我が侭だ。
「ジノ・・・・・・」
「ゴメン、ルルーシュ。ルルーシュの事は嫌いじゃない。でも、もう好きでもないんだ」
「・・・・・・・・」
 ああ、言われてしまう。
 最後の時が近付いている。
「初めは本当に好きだった」
「ジノ」
 ジノにとって俺は、過去形にしかならないんだな。
「本気で初めて好きになって、毎日が浮かれていて、大好きで、大切で、でも」
 ジノはそこで区切ると、ジッとルルーシュを見詰めた。
 奇跡のように綺麗な人。
 こんな綺麗な人を恋人にできて嬉しかった。
 でも、違う。
 何かが違う。
 隣にいて苦痛を感じるわけではない。
 空気に溶け込むように馴染む人。
「ゴメン。ルルーシュに愛情を感じられない」
 初めの頃のような愛情が沸いて来ないのだ。
 未だに好きだとは言える。
 だが、愛情がない。
 こんな気持ちで付き合っていても、ルルーシュに申し訳ない。
 だから、別れを告げるのだ。
 こんなバカな男など、さっさと忘れて幸せになって欲しい。
 誰よりも幸せになって欲しいからこそ、別れた方が良いのだ。
「そうか」
 分かっていたが、直接言われると辛いな。
「こんな好い加減な男の事など、忘れて良いから。だから、ルルーシュは幸せになって」
 私以外の人と。
 だって、私じゃルルーシュを幸せにできない。
「幸せか」
 ジノと別れて幸せになれるというのだろうか? 
 無理だ。
 こんなにも好きなのに。
「そう、ルルーシュ先輩には幸せになって欲しい」
「ジノ」
 呼び方が付き合う前に戻っている。
 ああ、ジノの中では区切りが付いたのだろう。
「ゴメンね、ルルーシュ先輩」
 叱られた子供のようにシュンとしている姿は、思わず手を差し伸べたくなるのに、ジノに伸ばす手が見つからない。
「分かった。別れよう」
 最後くらいは自分から言っても良いだろう。
 ずっとジノに振り回されてきたのだから。
「ゴメンなさい」
 ジノはルルーシュの目を真っ直ぐに見れないのか、下を向いてしまうと足早に去って行った。
「好きだったよジノ」
 去って行くジノに向かって叫んだ。
 その言葉がジノに伝わったかは分からない。
 だが、それが本心ではない事をルルーシュだけは知っている。


 本当は、
「今でも好きだよ」
 ジノの姿が完全になくなると、ポツリと呟いた。 
 誰にも聞かれる事のない呟きは、悲しみに満ちていた。





☆ルルちゃん、本当にゴメンね。辛い想いをさせて。
それにしても、何人の人が、この話がコメディーだと(え?)気付いているだろう。
こんなシリアス展開が続きますが、伊月の中ではコメディーに分類されている話です。
どこが?と、思う方がおられると思いますが、最後がコメディーなんです。

ちゃんと最後はジノルル?で終わる予定です。(なぜ?かは、最後のお楽しみv)

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