忍者ブログ

諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

[206]  [205]  [204]  [203]  [202]  [201]  [200]  [199]  [198]  [196]  [195

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

別れたら好きな人 12

 ジノとルルーシュが別れた事は、直ぐに学園中に広がった。
 二人とも、嫌でも目立つ存在なのだから仕方がない。
 もっとも、まだ別れていなかったのかという驚きの方が大きかったらしいが。
 なにせ、ここ最近の二人の二人の態度は、既に別れた後の様だったから。


 静かな生徒会室。
 部屋の中にはシャーリーとルルーシュの二人きり。
 他のメンバーは、それぞれ用事があるらしく今日は来ない。
「ルル、あの」
 シャーリーはルルーシュの事が好きだ。
 ジノとルルーシュが付き合い出した時は、本気で泣いたりもした。
 だからといって、別れて欲しいとは一度も思わなかった。
「何?」
 普段と変わらないルルーシュの態度に、シャーリーは泣きたくなってしまった。
 ああ、この人は、まだジノ君の事が好きなんだ。
 普段と変わらないからこそ、シャーリーには分かってしまった。
「あのね、私ね、ルルの事が好きだったんだ」
 今なら言える。
 いや、今しか言えないだろう。
「え?」
 思わぬ告白に、ルルーシュが目を白黒させていると、クスリとシャーリーが笑った。
「か、からかったのか!」
 人が落ち込んでいる時に!
「違うよ。ルルの事は本気で好き」
 ニッコリと微笑みながら言えるのは、多分今しかない。
 今を逃したら笑顔で言う事などできないだろう。
「え?あ!その・・・・・」
 まさかシャーリーから告白されるとは思ってもみなかった。
 彼女の事は好きだ。
 大切な生徒会のメンバーなのだから。
 だが、恋愛感情となれば別だ。
「うふふふ。誤解しないでね。だから、好きだったの」
 違う、本当は今でも好きだ。
 でも、分かってしまったのだ。
 誰が一番ルルーシュを幸せにできるかを。
「好きだった?」
 それは?
「私ね、ルルの事が本当に好きで、だからジノ君と付き合い出した頃なんかは、家でコッソリと泣いたりもしたんだよ」
「・・・・・・・・」
 気が付かなかった。
 自分の事で手一杯で、シャーリーの気持ちを気付く事ができなかった。
「でもね、直ぐに気が付いたんだ」
「何を?」
「ルルったら、凄く嬉しそうな顔をするようになったって」
「え?」
「ジノ君と付き合う前のルルは、どこか危うい感じがしたの」
「?????」
「でも、ジノ君と付き合い出してからは、凄き生き生きしてた」
「そうかもな」
 ジノは、色々な所にルルーシュを連れまわした。
 初めて目にする世界は、新鮮で光り輝いていた。
 そして、新しい世界に触れる度に、段々と自分に自身を持てるようになったのだ。
「私じゃ絶対に無理だったよ」
「え?」
「ルルを人間らしくしてくれたのはジノ君だよ」
「知っている」
「だから、私じゃダメだって気が付いちゃった」
 勝てっこないよ。
「シャーリー」
 シャーリーの言葉は淡々としているが、どこか自愛に満ちている。
「ジノ君の事、今でも好きでしょ?」
「ああ」
 そんなシャーリーにだからか、すんなりと認める事ができた。
「やっぱり。簡単には諦めきれないよね」
 私がそうだったように。
「そうだな」
 女々しいかもしれないが、やはり諦めきれない。
「だったら、2倍恋すれば良いんだよ」
「はあ?」
 何だ、それは?
「片思いでも2倍すれば、気持ちだけでも両思いなんだよ」
 知らなかった?
 悪戯っ子の笑みを浮かべているシャーリーを見ていると、何だか気持ちが軽くなっていく。
「知らなかった」
 首を竦めて言うルルーシュの姿に、少しは元気が出たんだと内心でシャーリーは喜んでいた。
「だから、ルルも2倍片思いすれば良いの」
 それで両思いなのだから。
「そうだな」
 片思いの陪乗で両思いだと言うのならば、何倍でも思おう。
「辛いのなら、無理に気持ちを押し隠さないで」
「シャーリー」
「ジノ君に恋しているルルは、凄く素敵なんだから」
「そうか?」
「そうよ!私が言うんだから、間違えない!」
「ありがとう、シャーリー」
 無理に諦めようとするから、こんなにも辛いのだろう。
 今は自然に消化されるのを待っても良いのかもしれない。
 それまでは、ジノの事を好きでいよう。
 気持ちが楽になった。
「どういたしまして」
 だって、だってルルには幸せになってもらいたいから。


 ルルーシュに笑顔を向けながら、シャーリはそっと心の中で最後の涙を見せた。






☆シャーリーの事は好きです。恋に一生懸命な感じが特に好き。でも、伊月の中では永遠の片思いで終わりそうな子。シャリルルは多分、書かないと思う。
そして、この話は16話位で終わらせたいな。(願望)

次回からコメディー要素の伏線を入れていきたいと思います。

 

PR

取り戻した宝石 HOME 別れたら好きな人 11

カウンター

プロフィール

HN:
伊月 優
性別:
女性

活力になります

管理用

アクセス解析


ジオターゲティング

検索避け

忍者ブログ [PR]
Template by repe