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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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約束の時【前編】

☆この話の中では、アリエスの惨劇は起きません。ルルーシュは5歳前後?




約束の時【前編】




 アリエスの離宮には、色取り取りの花が植えられている。
 皇妃であるマリアンヌの趣味だろうが、咲き誇る花々は人の心を癒してくれる。
 そして、子供達にとっては、またとない遊び場だ。
 ルルーシュも気に入っており、いつも花の中に埋もれるように座っていることが多い。
 そして、この日もそうだった。
 日課のようにボーっとしていると。
「可愛いね」
 その声にルルーシュが顔をあげると、そこには見た事のない少年。
 キラキラと輝く金髪が眩しい。
「お兄ちゃん、だ~れ?」
 幼さゆえに、まだ呂律が上手く言えない。
「うん。やっぱり可愛いな」
 少年はニコニコと笑っている。
「???僕は男の子だもん。可愛いじゃないもん」
 ルルーシュにとって可愛らしいのは、妹のナナリーで自分ではない。
 だが、母マリアンヌに似た容姿は、誰がどう見ても「可愛らしい」だった。
 だが本人は気に入らないらしく、いつも頬を膨らましている。そんな姿も強烈に可愛らしいのだが、本人は気が付いていない。
「そうかな?ルルは可愛らしいよ」
 うん。可愛い。
 初めて見る甥っ子は、予想以上に可愛らしく、初めて欲しいと思える存在に出会えたような気がする。
 シャルルかマリアンヌに言えば貰えるかな?
 本気で思うのだが、目の前の子供は、本当に子供だ。
 今言った所で、理解してくれないだろう。
 それは嫌だ。
「違うもん」
 プーっと頬を膨らませて怒っている(らしい)表情に、ドキリとした。
「決めた、やっぱり貰う」
「ほえ?」
 ニッコリと笑い、
「僕の名前はV.V.だよ」
「ブイツー?変な名前」
 初めて聞く名前だ。
「そうかもね。個を棄てたから」
「?????」
 意味が分からない。
「やっぱりルルは可愛いな」
「違うもん」
「違わないよ」
 誰が見ても可愛い子供。
 でも、可愛いだけではなく、どこか絶対的に惹かれるものがある。
 だから欲しい。
「お兄ちゃん、変」
 目の前の少年は変だ。
 変なのに、キラキラと輝く金髪は光を弾き、その瞳からルルーシュの視線が外れない。
 それに、見詰めているとドキドキしてきた。
「変でも良いよ」
「え?」
「だから、ルルが欲しい」
「ほえ?」
 僕が欲しい?
 意味が分からず、ルルーシュが首を傾げると、
「これは約束の印だよ」
 そう言って、V.V.は少しだけ屈み込むと、ルルーシュの唇に自分の唇を重ねた。
「ほわぁぁぁ」
 初めてのキスにルルーシュが目をパチクリしていると、
「もう少し大きくなったら、僕のお嫁さんになってね」
「え?ぼ、僕が?」
 お嫁さん?
 目の前の人の?
 そう考えた時、ボッと顔が赤くなってしまった。
「そうだよ。もう少し大きくなったら、迎えに来るよ」
 だから、約束。
 そう言って、もう一度軽く触れるだけのキス。
「//////////」
「早く大きくなってね」
 恥ずかしすぎて、ルルーシュは頷く事しかできない。
 そんなルルーシュを優しい瞳で見詰めながら、V.V.は去っていった。
 
 
 唇に残った感触だけが、鮮明な記憶として残った。 





☆子ルルがマイブームなので、まずは子供編から。
後編は大人?でも、16歳くらいになると思います。
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