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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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未来へ

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 シンプルな部屋に置かれているテレビからは、ゼロとナナリーが並んでいる姿が映っている。
 無表情な表情でそれを眺めているルルーシュを痛ましいと思うものの、生きていてくれるだけで嬉しいのだから仕方がない。
「なぜ助けたりした?」
 視線はテレビから離れないのだが、その声は背後に佇むロイドに向けられたものだろう。
「生きていて欲しいと思ったからです」
 他には何も望まない。
 ただ生きていて欲しかった。
「悪逆皇帝は死ななくてはいけない」
 それが筋書きだったのに。
 それがゼロレクイエムだったのに。
 なのに、生きている。
 死んでいない。
「悪逆皇帝は死にましたよ」
 世間では死んだ事になっている。
 いや、世間だけではないのだが。
「だが、俺は生きている」
 ベットの上から動けないが、生きている。
 これは、世界に対する裏切りだろう。
「ルルーシュ様が生きている事を知っているものは限られています」
「そうだろうな」
 悪逆皇帝が生きていると知っていたならば、国民達がゼロを称えるはずがない。
 だが、どこまで知られているのだか。
 ルルーシュは無性に笑いたくなった。
 目が覚めたときの一番最初に見たのがロイドの顔だった時は、何も考えずに嬉しかった。
 その後、生きている事に愕然としてしまった。
 なぜ、生きているのかと。
 ロイドに問いただしても、『生きていて欲しかったから』その言葉しか聞けない。
 それから何度聞いても、返って来る答えは同じ。
「ルルーシュ様が、どこまで考えているか分かりませんが、でも本当に限られた人間しか知らないんです」
「?」
 勿体ぶったロイドの言葉に疑問が浮かぶ。
 目を覚ましてから一ヶ月あまり、確かにこの部屋を訪れる者は限られていた。
 毎日会いに来てくれるロイド。次に何かと身の回りの事をやってくれる咲世子。会う度に泣いて喜ぶジェレミア。体調を見てくれるラクシャータ。
 この一ヶ月で会ったのは、この4人くらいだ。
「今ルルーシュ様の頭に浮かんだのは、僕を含めて4人ですよね」
「そうだが」
それ以外に会っていないのだから。
「ルルーシュ様が生きていると知っているのは、僕を含めて4人だけです」
 ルルーシュを見詰めるロイドの瞳は優しい。
 とても嘘を付いている様には見えない。
 ならば、
「4人だけ?」
「そうですよ」
 本当は僕1人で良かった。
 でも、僕だけではルルーシュ様を助けられないから。
 だから仕方なしに協力を仰いだのだ。
 この事は、一種の賭けだった。
 負ける可能性のほうが遥かに高い賭け。
 だが、悪運だけは強いらしい。
 見事に勝ち取った結果、目の前には誰よりも愛しいルルーシュ様がいる。
「セシルやスザクは?」
 ロイドの副官たるセシルや、運命を押し付けてしまったスザクも知っていると思っていた。
「知りませんよ」
 教えてないし、教えるつもりもない。
 ルルーシュ様が生きている事を知っている者は、少なければ少ないほど良い。
 これは独占欲だ。
 ラクシャータに笑われ、ジェレミアに嘆かれ(でも、最後には納得してもらった)、咲世子は無言だった。
 皆に認められた独占欲。
 仕方がない、なにせ世界中の何よりもルルーシュ様が大切なのだ。
「ロイド?」
 自嘲気味に呟いたロイドの言葉に、ルルーシュが首を傾げていると、
「僕は迷惑ですか?」
 ここで迷惑と言われても、手放すつもりはないが。
「///////迷惑じゃない/////////」
 滅多にない、ロイドの真剣な顔。
 密かに心を寄せていた相手の真剣な顔に、顔が赤くなるのが分かった。
 死に行く自分には何も言う権利はないと諦めていたのに。
 生きて、そして目の前にロイドがいた。
 本当は凄く嬉しかったのに、天邪鬼な自分は、心にもない事しか言えない。
「良かった」
 嫌われていないのは態度で分かったが、言葉で言われると、やっぱり嬉しいものだ。
「お前は、迷惑じゃないのか?」
 悪逆皇帝の顔は、子供だって知っている。
 ほとぼりが冷めるまで、いや、もしかすると一生匿う事になるかも知れないのに。
「迷惑なんてとんでもない。反対に嬉しいくらいです」
「嬉しい?」
 なぜ?
「だって、誰も知らないからこそルルーシュ様を独占できる」
 この手の中に閉じ込めておけるのだから。
 誰よりも愛しい人を。
「//////////////」
 ロイドの独占。
 それこそ、ルルーシュの方が嬉しい。
「だから、何時までも傍に居て下さいね」
「//////考えておく//////」
 そう言いつつも、ロイドとの生活は悪くないかもしれない。
 今まで自分の為だけに生きていた事はない。
 ゼロレクイエムで一度死んだ身だ。
 今度は、自分の為だけに生きてみようか。
「前向きに考えて下さると嬉しいです」
 二人の今後のためにね。
「ああ」
 もう一度だけ生きてみよう。
 ロイドが傍にいてくれる限り。




☆すみません。なんか微妙所ではなくリクから外れた感じがします。
なにせ、初25話後の話なので。
 
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