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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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手紙 1

☆まだ出てきていませんが、ルルーシュは皇女です。
つまり、にょたルルです。
苦手な人は読まないで下さいね。




 それは、一通の手紙。
 最愛の兄がカレンへ宛てた手紙。
 その中で兄は、ブリタニアの皇女様と恋仲になったと書かれていた。
「はぁ?」
 冗談?
 兄はたまにお茶目な事をするが、この手の冗談を言う人間ではなかったはずだ。
 だったら、何の間違えよ。
 ブリタニアの国是は強者こそ全てだ。
 エリア11へと格下げされた日本人との恋愛を、皇族がするとは思えない。
 たとえ兄が、名誉ブリタニア人としてブリタニアで軍人をしていても、皇女様と出会える可能性が有るとは思えなかった。
「騙されているのかしら?」
 騙されやすい体質ではなかった(どちらかと言えば、騙され体質なのは兄の幼馴染の扇だ)はず。
 だったら、何だろ?


「う~ん。分からない」
 ダメだ、難しい事は分からない。
 お手上げとばかりに、考える事を放棄していると、頭の上から聞こえてきた声。
「何か変な顔をしているよ」
 甘い囁きなのだが、内容は辛らつだ。
「煩いわよ、スザク!」
 ここは、日本人か日本人の流れを汲む者がブリタニアの軍に所属するための施設だ。
 カレンの兄も、5年前にこの施設を出ている。
 ここで2年間頑張り無事に出る事ができれば、名誉ブリタニア人になれると共に、ブリタニアの軍人になる事ができるのだ。
 ブリタニア人にも、ブリタニアの軍にも興味の無かったカレンだが、たった一人の肉親たる兄がブリタニアの軍人になったのだ、カレンも後を追いかけているにすぎない。
 だからこそ、入るための最低年齢である16になると直ぐに、この施設の門を潜った。
「怖いな。一応可愛らしいって言われているんだから、もう少しお淑やかにしたら」
 自分の方こそ、男にしては可愛いらし顔をしているくせに!
 この施設の中で、唯一自分と同年代のスザク。
 他が最低でも4歳以上は年上の人間ばかりだった。
 そのせいかは分からないが、スザクとカレンは仲が良かった。
 初めこそ反発していたが、半年も経つ頃にはツーカーの仲だ。
「ハッ。軍人になる女に淑やかさを求めてどうするのよ」
「確かにね」
 当たり前なのだが、軍人になる人間は男の方が断然に多い。
 女性は貴重なのだ。
 しかも、こういった閉鎖された施設の中などでは、数少ない女性で気を紛らわせるしかない。
「バカバカしい」
 現に最年少であり、かつ見目麗しいカレンに掛かる声は後を絶たない。
「本当だよね。カレンて、見た目に反して腕っ節の方はトップクラスなのに」
 そういうスザクも、体術関係はトップクラスだ。ただ、学力面や知識面の方に若干問題がある。
「バカ共に負ける気はしないわ」
 そう、カレンに言い寄る人間は、漏れなく制裁を受ける事になるのだ。
「怖いな」
 首を竦ませて呆れるスザクだ。
「それより、何か用?」
 わざわざスザクが声を掛けることは珍しい。
「なんか、上の人たちに呼ばれているみたいだよ」
「え?私が?」
 呼び出しを受けるような事をしただろうか?
「うん。近くにいたから捕まったんだ。緊急な話らしいから、早く行ったら」
「はあ?緊急だったら先に言いなさいよ」
 まったく、役に立たない男なんだから。
 チッと舌打ちすると、カレンは上司が居るであろう場所に急いで向かった。
「だってさ、先に少しくらいリラックスさせてあげたかったんだよ」
 既に聞こえないと分かっていても、スザクはカレンが去って行った方に向かって呟いた。
 先に上司に聞かされていた内容。
 それは、カレンにとっては辛い事だから。


 カレンにとってナオトは、たった一人の肉親。
 少しでも近付きたくて、同じ軍人を目指した。
 それなのに!
「嘘よ!嘘に決まっている」
 突き付けられた事実を受け止める事ができない。
「残念だが、事実だ」
 無情に告げる上司の言葉。
「嘘。どうしてよ」
 なんで、
 なんで、兄さんが!
「作戦中の事らしく、詳細は聞かされていない」
 淡々と告げる上司を、今ほど憎いと思った事はない。
「・・・・・・・・・」
「もう一度言う、君の兄である上月ナオト氏は、昨夜戦死した」
 その言葉に、カレンの意識が途切れていった。
「紅月君」
 最後に聞こえたのは、慌てている上司の声。




☆この話は、最終的にカレルルになりますが、スザルルも絡むかも。
10話程度で終わらせたい。
 

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