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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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ナイトオブゼロ誕生

「ナナリー」
「なんですか?お兄様」
 ニッコリとナナリーが微笑む先には、憂いを帯びた兄の美顔。
 何時見ても、どんな表情をしていても、兄の美貌は揺るがない。
「退屈だ」
 頭脳明晰なルルーシュは、なんでもそつなくこなす。
 その為に、どんな事でも直ぐに飽きてしまうのだ。
 退屈すぎて、機嫌すら悪くなってしまう。
「ナイトメアは?」
 ここ最近の兄のお気に入りはナイトメアだった。
「直ぐに壊れる」
 憮然とした表情に、ナナリーは納得してしまった。
「体力のないお兄様には向かないですものね」
 自分と違って、体力のない兄。
 運動神経の方は人並みにあるのだが、いかせん体力がないのは致命的だろう。
「俺は頭脳派なんだ。ナイトメアの操縦ができなくても支障はない」
 兄達だとて操縦はしないのだから。
「あら、大丈夫ですわ。お兄様が苦手な分、私が得意ですもの」
 ルルーシュと正反対に、ナナリーの運動神経は申し分ない。
 ナイトメアの操縦に至っては、天才的なほどだ。
「そうだな。何かあれば、ナナリーに頼もう」
 閃光のマリアンヌの血を濃く受け継いだ妹の言葉は頼もしい。
「嬉しいですわ。ナナリーは絶対に、お兄様の騎士になるんです」
 こんな綺麗な兄を、他の男連中に守らせたりなどしない。
「頼もしいな」
「はい」
 ナナリーの言葉に、少しだけルルーシュの機嫌が良くなった。
「よし。決めた」
 機嫌が良くなれば、その優秀すぎる脳は極限まで発揮される。
「お兄様?」
 ルルーシュの目が輝いている。
 この目をしている時の兄は、本人には良くても他人には傍迷惑な事を考えている事が多い。
 もっとも、ナナリーがその被害を受けた事は一度もない。
「ラウンズになる」
「え?でも、お兄様の体力じゃ・・・・」
 無理のような気がする。
 というか、ぶちゃけ無理だ。
「ラウンズはラウンズでも、特別なラウンズさ」
「特別?」
 ナナリーが首を傾げていると、ルルーシュの目が一層キラキラと輝きを増した。
「ナイト オブ ゼロ」
「はあ?」
「カッコイイと思わないか?」
 どうだと目を輝かせているルルーシュは、カッコイイというよりも綺麗だ。
 そんなルルーシュにナナリーが見惚れていると、
「ダメか?」
 返事がない事にシュンと落胆してしまったルルーシュに、ナナリーは慌てて首を振る。
「そんな事ありませんわ。お兄様でしたら、何だってカッコイイです」
 本心としては綺麗と言いたかったが、ここは空気を読んでカッコイイだろう。
 案の定、ルルーシュは嬉しそうに頷いている。
「そうだよな。うん。決めた」
「でも、ラウンズなんて簡単になれますの?」
 なるといって、簡単になれるものだろうか?
「父上にお願いする」
 なに、あの父ならば簡単に許してくれるだろう。
「そうですね。お父様なら、お兄様のお願いを聞いてくれますわね」
 未だに母であるマリアンヌを猛愛しており、自分達兄妹を目の中に入れても痛くないほど可愛がってくれているのだから。
「ああ」
「でも、お兄様は戦場へ出られるの?」
 この兄がナイトメアを駆って戦場へ出る。
 これは危険だ。
「まさか。人には向き不向きがある。俺は後方で指揮を取るだけにするさ」
 前線に出ても、多分、いや確実に、味方の被害が増えるだろうからな。
「それでしたら安心ですわ。お兄様の頭脳は、人を従えるためにあるもの」
「そう思うかい。ナナリー」
「勿論ですわ」
 この兄に従わない者は、愚民以下です。
「ナナリーが言ってくれて安心するよ。さて、父上にお願いしに行こうか」
 爽やかな笑顔で謁見の間に向かうルルーシュ。
「行ってらっしゃい、お兄様」
 そんなルルーシュを笑顔で送り出すナナリー。
 

 その数十分後、大きな溜息と共にナイト オブ ゼロが誕生した。


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