諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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箱庭の小鳥達 1
箱庭の小鳥達 1
アリエスの離宮。そこは、ブリタニアという大国の中の箱庭だった。
アリエスの離宮。そこは、ブリタニアという大国の中の箱庭だった。
そこに住まうのは、類まれな美貌を持つ双子の兄弟達。
兄のゼロと弟のルルーシュ。
二人は皇帝陛下のお気に入りとして、アリエスの離宮に暮らしている。
この離宮において、タブーは唯一つエリア11の事だ。
兄弟達はブリタニアから一度も出たことがないと思い込んでいる。
だからこそ、他のエリアの事は知識でしか知らない。
そういう事になっている。
そのタブーを守りさえすれば、この離宮へ入ることは許される。
少なくても、形式的にだけだが。
実際には、この兄弟の事を誰よりも溺愛している皇帝陛下自らが許したものしか中に入ることはできないのだ。
結果的には、使用人以外でアリエスの離宮に入れるのは、皇帝の覚えもめでたい宰相のシュナイゼルのみなのだ。
「ルルーシュ」
庭に出ていたルルーシュを呼びに来たゼロは、その光景に暫し見惚れてしまった。
隅々まで行き届いた庭には色取り取りの花々。
その花々に引けを取らないルルーシュの美貌。
足が不自由な為に車椅子の生活なのだが、ルルーシュに引け目はない。
綺麗な花に向かって微笑んでいる姿は、まさに一枚の絵画のように完成されている。
「ゼロ」
花を愛でていたルルーシュが、ゼロの声に反応した。
自分を誰よりも大切に思ってくれている兄。
「風が強くなってきた。部屋に戻ろう」
何時までも花とルルーシュを堪能していたかったのだが、このままではルルーシュが風邪を引いてしまう。
「でも、」
まだ花を見ていたいのだろう、ゼロと花達を見比べている。
「また明日も来れば良い。時間だけはタップリとあるのだから」
自分達兄弟は公務に携わってはいない。
その為に時間だけは多くあるのだ。
「はい」
ゼロの言葉に納得したのだろう、ルルーシュは素直に部屋に戻る事にした。
明日も庭を見に来ようと心に決めて。
部屋に戻ると、ゼロが膝掛けをルルーシュに手渡した。
「寒くないか?」
心配そうな顔。
「大丈夫です」
心配性のゼロに苦笑しながらも、素直に膝掛けは受け取った。
アリエスの惨劇の際に母を失い。自分の足も二度と動かなくなった。
だが、どんな時もゼロが傍で支えてくれた事でルルーシュは引け目なく生きていく事ができたのだ。
「だが、外は寒かっただろう?」
室内にいても風の音が聞こえてきたのだ。
心配で仕方がない。
「寒いと感じる前にゼロが迎えに来たから」
だから大丈夫だと微笑む姿は、儚げでありながらも力強い。
「そうか」
ならば良い。
自分にとって守るべき者はルルーシュだけなのだ。
ルルーシュに何かあれば、生きていく事ができない。
「ゼロは心配性だから」
「ルルーシュにだけだ」
「そんなに心配しなくても大丈夫なのに」
反対に申し訳ない。
自分の世話のためにゼロを束縛しているように思えてしまう。
「仕方ない。ルルーシュが大切だから」
誰よりも何よりも大切なルルーシュ。
一度は守り抜けなかった。
だから、今度こそは守り抜くのだ。
そこまで考えたとき、微かな違和感。
守れなかったのは、アリエスの惨劇の事のはずだ。
だが、もっと最近も守れなかったような気がした。
おかしい。
自分達兄弟は、このアリエスの離宮からは出た事がない。
それなのに、一体何から守れなかったというのだろう。
ズキリと頭が痛む。
「ゼロ?」
異変を感じたルルーシュが心配そうに覗き込んでくるが、曖昧にしか微笑む事ができない。
思考が上手く纏まらないのだ。
「すまない」
心配させて悪いと思うのだが、段々と視界すらクラクラしてきた。
「ゼロ!」
心配そうなルルーシュの声。
そして強く握り締められた手に、痛みが引いていく。
視界もクッキリと戻ってくるのがわかる。
「ああ、ルルーシュは凄いな」
「え?」
存在だけでゼロを癒してくれるのだから。
「何でもない。それよりもお茶にしないか?」
思考が混乱したせいか、急激に喉が渇いた。
「それは良いけど、大丈夫なのか?」
先ほどのゼロは、酷く顔色が悪かった。
今は元に戻っているようだが。
「大丈夫だ。ただ、何か飲みたい」
飲みたいというか、落ち着きたいのかもしれない。
「分かった、咲世子さんにでも用意させよう」
「そうだな」
☆ルルを大切にするゼロの第一弾。
次回サブタイトル「パパと呼んで」です。リクから少しだけ離れます「ほんわかなシリアス」から「ほんわかなギャク」なります。ゴメンなさい。でも、その次からは「ほんわかなシリアス」継続させます!!
だって、パパを出そうとしたら、絶対にギャグになる気がする!
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