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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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鈴蘭のような君 1

☆ナナルルです。多分・・・・というか、一応。
黒ナナちゃんを目指しましたが、伊月的には不発に終わった。




 ねえ、お兄様。
 私は目が見えません。
 足が動きません。
 それでも、お兄様が私を愛してくれているのは知っています。
 私も愛しています。
 声に出すことはないけど、たまに叫びたくなってしまう。
 だて、こんなにも愛しているんですもの。
 ナナリーが、ボーっと自分の兄がどんなに素晴らしい人か考えていると、
「ナナリー」
 問題の兄が来た。
 ナナリーの傍に寄る時は、気配を消す事無く、わざと音を立てて歩いてくれる。
 それは、ナナリーに対する優しさだろう。
「お兄様」
 そんな兄の心遣いもナナリーには嬉しかった。
「生徒会の皆で、お茶をしようと思うんだ。勿論、ナナリーの分もあるよ」
 迎えに来たと言う兄の姿に、ナナリーはニッコリと微笑んだ。
「はい。連れて行って下さい」
 生徒会室ならば自力で行くことも可能だ。
 だが、兄に連れて行ってもらった方が、何かと良い事をナナリーは知っている。
「勿論だよ」
 現に今は、ルルーシュが喜んでいるのを感じることができる。
 こんな時は目が見えない事が悔しかった。
 幼い頃ですら綺麗だった兄。
 その兄が成長した今なら、どれほどの美人になっている事だろう。
 想像でしかないが、凄い事になっているのだろう。
 それが物語っているのが、ルルーシュ未公認FANクラブの存在だ。
 ミレイが教えてくれたルルーシュのFANクラブは、女性だけではく男性も多く所属しているらしい。
 『チッ』考えただけで、思わず舌打ちがでてしまう。
 幸い、兄には自分の本性がバレていない。
 というか、兄には特殊なフィルターが(ミレイ談)掛かっているらしい。
 なので、どんなに兄の前で本性を表しても、兄には『純粋可憐な乙女』に見える(これもミレイ談)らしい。
 本当かしら?
 だったら、もうそろそろお邪魔虫を撃退に入ろうかしら?
「お兄様」
「なんだい?ナナリー」
 ゆっくりと自分の車椅子を押す兄にナナリーは、そっと問い掛けた。
「私の事を嫌いにならないで下さいね」
 勿論、本性を表した時の事なのだが、
「バカだね。俺がナナリーの事を嫌う訳ないだろ」
 優しい声。
 多分、蕩けるような笑顔なのだろう。
 本当に悔しい。
 こうなったら、自力で見えるようになろうかしら。
 『やってやれぬ事はなし』亡き母の格言だ。
 なぜか自分にだけ言い聞かせていた言葉。
 兄には言わないのかと聞いたのだが、『だってルルーシュなら、その前にできてそうだから』と笑って言った。
 確かに。
 天才肌の兄に、できない事があるとは思えない。
「嬉しいです」
 ニッコリと微笑みながら言えば、
「ナナリー!」
 感極まった兄の声が聞こえてきた。
 ああ、お兄様の声は、どんなときでも美しいわ。
 ルルーシュの声に酔いしれるナナリーだった。


 生徒会室に着くと、そこには既にメンバーが揃っている。
「お帰りなさい」
 弾んだ声でナナリーとルルーシュを迎えてくれたのは、会長のミレイだ。
「ナナリーを連れて来ました。早速、お茶会にしましょう」
 ルルーシュは素早くナナリーを定位置に移動させると、お茶の準備を始めていく。
「お兄様が淹れて下さるんですか?」
「ああ、ナナリーの為に、美味しいお茶を淹れてあげるからね」
「はい」
 ほのぼのとした雰囲気の中、ルルーシュによりお茶の準備が進められていく。
「お待ちどう様」
 程なくして、机の上には多種多様なお菓子とお茶のセット。
「あれ?ルルったら、こんなに作ったの?」
 いつも以上に種類が多いことに、目を輝かせながらシャーリーが言えば、
「いや、半分は会長の作品だよ」
「どれが!」
 その言葉に食い付いてきたのは、ミレイに片思い中のリヴァルだ。
「右側の半分だ」
 呆れながらも、ルルーシュは律儀に答えている。
「そう言う事。まさかルルちゃんまで作ってくるとは思わなかったからね」
 偶然により、倍になってしまったお菓子の数々。
 生徒会だけでは勿体無いと思い、ナナリーも呼んだのだ。
「食べても良いんですよね」
 リヴァルの背後に見えない尻尾が大き振られている。
「ああ、食べよう」
 ルルーシュが言い終わらない内から食べ始めている。
「まあ、リヴァルさんたら」
 ナナリーもクスクスと笑っている。
「コラ、ナナちゃんにまで笑われているわよ」
「でも~」
 情けない言葉を出しながらも、食べるのを止めようとする気配はない。
「はいはい、まったく。早く食べないと全部リヴァルに食べられそうだわ」
「そうですね。お兄様の作った分まで食べられたら大変です」
 そう言いつつナナリーがルルーシュの作ったお菓子に手を伸ばそうとした時、
「ああ、大丈夫。会長の作った方しか食べないから」
 別に他意はない。
 だが、
「それは、お兄様の作ったものが食べられないとでも仰りたいのですか?」
 うふふふ。
 ナナリーの逆鱗に触れてしまった。
「え?あ!いや、その」
 うふふふと笑っているナナリーは、なぜだか迫力がある。
 冷や汗をダラダラと流しながら、リヴァルが口篭っていると、
「ナナリー、リヴァルだって好みがあるんだから」
 最強の助け舟。
「そうだよ、好み!好みの問題なんだ。だから、あの、えっと、ゴメン」
 何に対するゴメンなのか、リヴァルも分かっていない。
 ただ謝らなければならないという本能が動いたのだ。
「仕方がないですわね。でも、リヴァルさん」
「は、はい!」
「お兄様が作ってくださった物は、何でも美味しいです」
 ね。
 微笑んでいるのだが、背後に黒いモノが見え隠れしている。
「分かってます!」
 ヒィィィ。
 内心で怯えながらも、リヴァルは懲りずにミレイの作ったお菓子を食べていく。
「本当に懲りない人」
 ボソリと呟かれたナナリーの言葉は、誰の耳にも届かなかった。


 そして数日間、悪夢に魘されるリヴァルの姿があった。






 おまけ

「お兄様」
「なんだい?」
「丑の刻参りって効くんですね」
「え?」
 不穏な言葉なのだが、ナナリーは嬉しそうに笑っている。
「教えてもらったので、試してみました」
「そうか。だが、夜中に起きているなんて美容に悪いからね。もう止めた方が良い」
 ナナリーが人を呪うなどと思っていないルルーシュは、日本の伝統文化?に興味を持った程度としか考えていなかった。
「はい。お兄様」
 こうしてリヴァルは悪夢から開放されるのであった。




☆タイトルに「1」とありますが、この話は、ココで終わりです。
ただ、書きたかった事が書けなかったので、また書こうかと。その為の「1」です。
そして、ナナリーが黒くない。もっと黒いナナリーが書きたかったのに(オイ)
多分、一話完結のシリーズになります。次はもと、黒いナナちゃんにしたい!
最終的にはナナリーの自力開眼まで書きたい!!
 

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