別れたら好きな人 おまけ

　もう一度ルルーシュを落とすと宣言して以来、ジノの猛アタックは続く。
「好きです、ルルーシュ先輩」
　思いの丈を込めてジノはルルーシュを口説く。
　ジノの言葉は素直に嬉しいと感じる。
「俺も好きだよ」
　やっぱり好きだな。
「なら！」
　期待に目を輝かせたジノは可愛い。
「だけど、まだ付き合いたいとは思わない」
　ジノの事は今でも好きだ。
　だが、もう付き合う対象としては、まだ見れない。
　まだ何となくダメのような気がする。
「そんなぁー」
　情けない声。
　こんな弱気なジノも良いと思う。
　新しい一面を見るたびに、好きなんだと実感できる。
　でも、付き合いたいとは思わない。
　傍に居たいという思いも、好きだという気持ちも変わらない。
「ゴメン、ジノ」
　悪いとは思うが、思うだけかもしれない。
　だって、今が楽しいと思うから。
　振り回されていた頃や、別れたばかりの頃は、周りを見る余裕がなかった。
　でも今は違う。
　落ち着いて見てみれば、世界はこんなに輝いている。
「仕方がないです。でも、絶対に諦めませんからね」
　こうなったのも自業自得なのだ。
　こんなにつれなくされても、ルルーシュを好きな気持ちは変わらない。
　だから、アタックするのみ。
「ああ、期待しているよ」
　もしかしたら、また付き合う事になるかもしれない。
　でもそれは、まだ当分先の事だろう。
　今が一番充実しているから。
「はい。期待して居て下さい」
　目を輝かせ真剣なジノ。
　そんなジノを可愛いと思う辺りで、ルルーシュも末期なのだろう。
「そうだな」
　目を細めてジノを見る瞳は優しい。
「大好きです、ルルーシュ先輩」
　そんなルルーシュの瞳を嬉しいと感じながら、ジノは全開の笑顔で答えるのだった。


　そんな二人を、やれやれと思いながらも、生徒会のメンバーやクラスメイトたちは温かく見守っている。
　今日も世界は平和だ。



　完



☆初めに思いついたラストです。
これが書きたかったから始めた連載でした。
予想以上の長さになって驚いております。