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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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二対の瞳

☆アニャ&黒ナナ→ルル的な話
30万HITリクの「新しい世界」の続きというか、番外編的な話です。
スザク好きな方は読まないことをお勧めします。絶対に読まないで下さい。
間違って読んでしまっても、苦情やクレームはご遠慮願います。





「ねえ、アーニャさん」
 ナナリーが自分を『さん』付けで呼ぶときは、ろくでもない事を考えているときだ。
「なに?」
 傍迷惑な事を考えているのは分かるが、自分とルル様に被害がいかない事も分かっている。
 アーニャにまで被害が広がるときは、このように事前に何も言わないからだ。
「まだ納得いかないの」
 うーっと難しい顔で考え込んでいるナナリー。
「何が?」
「復讐が足りない気がして?」
 何かしら?
 何か見落としているような?
「黒の騎士団も、ブリタニア帝国軍も潰した」
「そうなのよね。これで満足するはずだったのに。何かしら?」
「他に何か?」
 だって、ルル様を追い詰めたのはブリタニアだし、裏切ったのは黒の騎士団だ。
 他に・・・・・・
 アレ?
 裏切った?
 この言葉に引っかかるものを感じた。
 裏切り・・・・
 騎士団・・・騎士?
 裏切りの騎士!
「「枢木スザク」」
 2人の声がハモった。
「まあ、私としたことがスザクさんの事を忘れていましたわ」
 あら大変。
「裏切り者。ルル様を売って出世した男」
 憎い敵。
「「仕返し」しないと」
 うふふふ。
 キラーン。
 ナナリーとアーニャに不敵な笑みが浮かんだ。


 ナナリーを殺してしまったと思い込んでいるスザクは、キッパリとラウンズを辞めていた。
 守ろうとした相手を、不可抗力とはいえ自分で殺してしまったのだ。
 引きとめようとする手が差し伸べられたが、全て遮ってラウンズを辞めてしまった。
 ボーっとする日常。
 それでも世界は回っていく。
 そして、ボーっとしながらも耳に入ってきたのは、黒の騎士団とブリタニア軍の崩壊。
 それに携わっていたのは二機のナイトメア。
 一つはルルーシュが乗っていた黒のナイトメア。
 そして、もう一つが不思議なことにアーニャのモルドレッド。
 どうしてと思わなくもないが、もう自分には関係ない世界だ。
 曖昧に流れて行く世界に、スザクの心にポッカリと穴が開いた。
「君に会いたいよ」
 ただの『枢木スザク』に戻ってから考えるのは、いつだってルルーシュの事ばかり。
 だが、ナナリーを殺してしまった自分は、ルルーシュに会う資格がない。
 会いたいのに会えない。
 深いジレンマ。
 そんなスザクを慰めてくれたのが、幼い頃に撮った一枚の写真。
 スザクとルルーシュのツーショットの写真だ。
 再会してからの写真は全て破り捨てたが、この写真だけは処分できなかった。
「ルルーシュ」
 会いたいよ。
 大きな溜息が漏れてしまう。
 そんなスザクの元に届いた一通の手紙。
 住所不定の自分の元に届いた手紙。
 中には、会いたいというナナリーの文字。
「生きていた?」
 ナナリーが生きていた。
 ナナリーが生きているというのであれば、ルルーシュとの絆も戻るかもしれない。
 微かな望みが見えてきた。
「会いに行くよルルーシュ」
 手紙はナナリーからなのだが、スザクの頭の中はルルーシュしかなかった。


 指定された場所には、ナナリーが立っていた。
 そして待ち望んでいたルルーシュと、なぜかアーニャの姿。
「生きていたんだね、ナナリー」
 スザクが嬉しそうに駆け寄ろうとしたが、ナナリーの鋭い視線が、スザクを阻んだ。
「来ないで下さい」
 キッパリと言い切るナナリーの瞳は鋭い。
「ナナリー?」
 そこには、何時だって優しく微笑んでいた頃の面影はない。
「スザクさんは敵です」
「どうして?」
 そんな!
「スザクはルル様の敵」
 ナナリーとアーニャがキッパリと言い切るが、
「やり直したいんだ。ルルーシュ!」
 スザクの悲痛なまでの叫びに、ルルーシュの表情が曇った。
 その瞬間『『ヤバイ』』ナナリーとアーニャの心が一つに。
「お兄様!」
「ルル様!」
 スザク如きに渡してなるものか!
 二人の絶妙なる連携プレーで、ルルーシュの意識はスザクから離れた。
「ほわぁ?」
 そして、次の瞬間に2人はルルーシュの腕を掴んだ。
 右腕を掴みながら見上げるナナリーに、左腕を掴みながら見上げるアーニャ。
 可愛い存在が、自分を見上げている。
「お兄様にとって、スザクさんは必要ですか?」
「それは!」
「ルル様。アーニャもいらない?」
「アーニャ!」
「ルルーシュ。僕は」
「スザク」
 クッどうすれば良い?
 俺は・・・・
「私やアーニャさんだけではダメですか?」
「ルル様」
 自分を見詰める弱々しいイ2対の瞳。
(勿論、2人とも演技です)
 だが、それに気が付かないルルーシュはコロリと騙されてしまう。
「何を言うんだ。ナナリーは大切な妹だ。そして、アーニャは大切な騎士。2人ともスザク以上に大切な存在だ」
 そうだ、自分を売った男などより、この2人の方が大事に決まっている。
 何で一瞬とはいえグラついてしまったのだろう。
 比べようがないのに。
「ルルーシュ!」
「スザク。お前とは二度と会わない」
「そんな!僕達・・・・」
「もう、戻れないのさ」
 あの頃には。
 楽しかった子供の頃には。
「ルルーシュ!」
「次に会った時には、敵としてしか見ない。だから、俺の前に立ちはだからないでくれ」
「僕を棄てないで!」
 ようやく手を取り合えると思ったのに!
「見苦しいですわ、スザクさん」
「ナナリー」
「スザクはルル様にとって、邪魔でしかない」
「アーニャ」
 スザクを見詰める厳しし二対の瞳。
「さようならだ、スザク」
 そして、去って行く友の姿。
「ルルーシュ」
 スザクの叫びも、ルルーシュに届くことはなかった。  





☆何度も書きますか、スザクの事は大好きです。
扱いが酷いのも、好きだからこそと思ってください。
 

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