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主従関係

☆咲世子ルル  騎士皇女「守るべきもの」の続きになります。




 咲世子がルルーシュの騎士になって何が変わったかといえば、殆ど変わっていない。
 ただ表面上は、アリエスの離宮付きのメイドから、ルルーシュ付きのメイドに変わっただけだった。
 それでも以前と違い、常にルルーシュの傍にいられる事を咲世子は喜んでいた。
「本当に良ろしいのですか?」
 本来ならば、騎士として皆にお披露目したかったルルーシュだ。
 それを拒んだのは、自分の騎士たる咲世子。
「はい。今の関係が良いんです」
 自分には騎士服など似合わない。
 このメイド服こそが自分の戦闘服なのだ。
 だから、正式な騎士の就任を辞退した。
 ただ、傍で守りたいという気持ちは本物だし、自分こそがルルーシュ様の騎士だという自覚もある。
「メイドのままですよ?」
 ルルーシュとしては、優秀なメイドとしての咲世子も誇れるが、自分の騎士としての咲世子も捨てがたいのだ。
 どちらが良いとは言えない。
 メイドとしての咲世子も、騎士としての咲世子も、どちらも咲世子なのだ。
「はい。私のメイド服は似合いませんか?」
 似合わないだろうか?
 もし、ルルーシュ様が似合わないと言えば、直ぐにでも服装を変えるが。
「似合います!」
 咲世子の為にとカスタマイズしたメイド服は、とても良く似合っていた。
 初めて見せて貰った時など、ボーっと見惚れてしまった。
 ありきたりなメイド服ではく、咲世子の為のメイド服なのだ。
「でしたら、問題は無いと思います」
 それに、ルルーシュ付きのメイドの方が、何かと守りやすいのも事実だ。
 メイドという事で、相手の警戒心が薄れてくれるのだ。
 ルルーシュ様を守るためならば、これくらいの手段を講じても良いだろう。
「そうですか」
 咲世子の言葉に、これ以上言っても無駄だと悟ってしまった。
 本当は見せびらかしたかったのだ。
 こんなにも素敵な騎士を持つことができたと。
「それに、」
 ルルーシュが残念そうにしていると、咲世子が悪戯っぽい表情を浮かべた。
「それに?」
 そんな咲世子の表情など珍しいと眺めていると、
「こんな主従関係も楽しいと思いませんか?」
 うふふふと笑う咲世子に、パーっとルルーシュの顔が輝いた。
「はい。思います」
 私しか知らない騎士。
 それは、確かに秘密っぽくて良いかもしれない。
「メイドなのに実は騎士など、私以外にはいないと思います」
「そうですね」
 確実にいないと思う。
「確かに普段はメイドとして過しますが、ルルーシュ様に何か有れば騎士として動きます」
「咲世子さん」
「私が、私だけがルルーシュ様の騎士です。そうですよね?」
「はい。咲世子さんだけが、私の騎士です」
 他にはいらない。
 必要ない。
 咲世子さんだけがいてくれるなら。
「なら、秘密の主従関係です」
 悪戯っ子のような微笑。
「まぁ、秘密の主従関係なんて楽しそうですね」
 咲世子の言葉に、ルルーシュもニコニコと答える。
「なら、普段はメイドのままでも構いませんよね?」
「はい」
「でも、いざとなったら全身全霊でルルーシュ様をお守りいたします」
「咲世子さん」
「ルルーシュ様を守る事が私の生きがいで総てです」
 ルルーシュ様の為ならば、日本人である事だって捨てられる。
 全くといって良い程、後悔は浮かばないだろう。
 日本人だという事を捨てる事でルルーシュ様の傍にいられるならば。
「本当に良いのですか?」
 自分は嬉しいのだが、本当に良かったのだろうか?
「後悔はありません。いえ、寧ろ誇らしいです。私だけがルルーシュ様の騎士なんだと思えて」
「咲世子さん」
「お慕いしております」
 ニッコリと微笑む咲世子に、
「ありがとうございます」
 ルルーシュは心から嬉しそうに微笑んだ。





☆「守るべきもの」を考えたときに一緒に浮かんだ話だったりします。
咲世子さんにはメイド服が似合うという話が書きたかったんです!

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