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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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輝かしき日々

☆子アニャ子ルル(幼少時代アニャルルで記憶を失う前の一週間)




輝かしき日々




 そこは正に、夢の白のようだった。
 白を基調とした造りは、清楚で子供心にキラキラと輝いて見えた。
「凄~い」
 普段は引っ込み思案な性格の為に、ジロジロと見回すと言うことをしないのだが、この時ばかりは違った。
「あらあら、気に入っていただけたかしら?」
 うふふふと笑うのは、綺麗な皇妃様。
 マリアンヌ様と仰るらしい。
 皇妃様の意味は分からないけど、お父様が言うには、皇帝陛下の奥さんらしい。
 でも、自分を見詰めるマリアンヌ様は、黒い髪が印象的な優しそうな人だ。
「はい。あの、とても綺麗です」
 他にも言いたい事はあったが、感動しすぎて言葉にならなかった。
「今日から暫くは、行儀見習いと言う事だけど、本当の家だと思って暮らしてね」
「は、はい」
 そうだ、今日から私は。
「そうね。部屋に案内させる前に、子供達を紹介しましょう」
「え?」
 子供?
 この綺麗な人に子供が居るんだ。
「ルルーシュ、ナナリー。いらっしゃい」
 中庭の方へ向かって叫ぶ声は、優しそうな外見に似合わず、大きなものだった。
「はい。母上」
「は~い。お母様」
 マリアンヌ様の声が聞こえたのだろう、子供の声が聞こえてきた。
「ココよ、ルルーシュ」
 先に現れたのは、マリアンヌ様と同じ黒い髪が印象的な綺麗な男の子。
 ////////////////
 一目見た瞬間から、心臓がドキドキしてきた。 
 うわぁぁ、綺麗な人。
 自分よりも少し年上の男の子。
 だけど、とても綺麗。
 アーニャがボーっとルルーシュを見詰めていると、鋭い視線を感じた。
 ハッとして視線の先を見れば、自分と同じくらいの年の女の子がニコニコとアーニャの事を見ている。
 勘違い?
 そう思ったのも束の間で、女の子はニコニコとして居ながらも、目が笑っていない。
「さあ、2人ともご挨拶して」
 マリアンヌ様に促されると2人の子供は、
「マリアンヌが長子、ルルーシュです」
「ナナリーよ」
 ルルーシュはニッコリと笑ってくれたが、ナナリーの方は敵意剥き出しだった。
「あ、あの。アーニャです」
 ナナリーの敵意は気になったものの、それ以上にルルーシュに自分の存在を知って欲しかった。
「うん。アールストレイム家の子供だよね?」
 首を傾げて聞いてくるルルーシュの姿に、アーニャが心の中で悶絶していると、
「お兄様。ナナリー、おやつが食べたいです」
 ナナリーの言葉に、ルルーシュの意識が自分から離れてしまった。
 アーニャがガッカリと肩を落としていると、ナナリーと視線があう。
「え?」
 見間違いではなければ、そこには勝ち誇ったナナリーに姿。
 その瞬間に、今の言葉がわざとだと本能が告げた。
 ルルーシュの視線をアーニャから引き離したっかたのだ。
「仕方ないな」
 ルルーシュが呆れた顔で言うと。
「だって、お腹が空いたんですもの」
 上目遣いにルルーシュを見る姿は傍から見れば可愛らしいが、ルルーシュの視線が外れた瞬間にニヤリとアーニャの方を見て笑ったのだ。
「な、な!」
 確信犯だ!
 それが、アーニャとナナリーの確執の始りとなった。


「ルルーシュ様」
 アーニャがルルーシュに声を掛けると。
「お兄様」
 すかさずナナリーが現れるのだ。
 そして、妹を溺愛しているルルーシュは、直ぐにナナリーの方へ意識が向いてします。
 そんな事を繰り返して、既に一週間が経った。
 一週間もすれば内気だったはずのアーニャも、ナナリーという最強の敵のせいか神経が図太くなってきた。
 ナナリーの行動を監視&推測してルルーシュ様にに声を掛けれる回数も増えてきた。
 そして、今日はどうしてもルルーシュに伝えたいことがあった。
 ナナリーよりもルルーシュ様の傍に居られる方法。
 それを伝えたくてルルーシュ様を探していると、目的の人は中庭に居た。
 バラに囲まれて佇む姿は、まるで一枚の絵のようだ。
「ルルーシュ様」
 アーニャが声を掛けると、こちらを見詰める。
 パシャ。
 思わず、買って貰ったばかりの携帯でルルーシュ様の写真を撮ってしまった。
「アーニャ?」
 驚いたのだろう、唯でさえ大きな目が、一層見開いている。
「ゴメンなさい。でも、今日の記念に欲しかったの」
 これから聞く返答によっては、大切な大切な思い出になるだろう。
「そうか」
 ナナリーの次に可愛がっているアーニャの言葉に、ルルーシュも強く言うつもりは無かった。
「あの」
「どうした?」
 最近、向けられるようになった優しい笑顔。
「ルルーシュ様に聞いて欲しい事があって」
「何?」
「私、私は、ルルーシュ様の騎士になりたい」
 騎士になれば、ナナリーよりもルルーシュ様に近付ける。
「僕の?」
 アーニャが?
「はい。ルルーシュ様の騎士に。ダメですか?」
 これ以外の方法など思いつかない。
 これがダメなら、ルルーシュ様の傍に居る方法がない。
「良いよ。ただ、僕の騎士になるのなら、頑張らなきゃダメだよ」
「はい。いっぱい、いっぱい、い~ぱい頑張ります」
 ルルーシュ様の為に。
「期待しているよ、アーニャ」
「はい」
 幸せの絶頂だった。


 だが、その幸せは数時間後に砕け散った。
 目の前で撃たれたマリアンヌ様。
 死の瞬間に、マリアンヌ様と視線が合ったような気がした。
 そう意識する前に、頭の中を駆け巡る痛み。
 初めはジンジンする程度の痛みだったが、最後には意識を失ってしまった。
 そして、次に目覚めたときには、自分を無表情に見詰める皇帝。
 その瞳には赤い鳥。
「シャルル・ジ・ブリタニアが刻む・・・」
 嫌!
 本能が叫ぶ。
『ルルーシュ様の事だけは、忘れたくない』と。
 だが、無情にも消えていく記憶。
 ああ、嫌なのに。
 逆らうことのできない力。
『ルルーシュ様』
 それが最後の叫びとなった。




☆ゴメンなさい。リクエストは一週間でしたが、書いたのは初日とラストだけ。
だって、長くなりそうだったから。

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