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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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カウントダウン

☆V.V.→ルル←C.C. (ルルの幼少時から熾烈な争いをしていた2人)




カウントダウン



 初めて、その女性に会ったのは、物心が付く前だった。
 緑色の髪が特徴的な女性。
 だが、口は悪い。
「おい。お前がルルーシュか?」
 初対面の人間に『おい』と呼ばれたのは初めてだった。
 仮にも皇族の1人であるルルーシュだ。
 ここまで傍若無人に振舞う人間はいない。
「・・・・・・・・・」
「なんだ喋れないのか?まあいい、顔はマリアンヌに似て合格だな」
 うんうんと、勝手に頷いている。
「・・・・・・・・・」
「性格の方は・・・・よし、何か喋れ!」
 命令形。
「・・・・・・・・・」
 ルルーシュがムッとしていると、
「だめだよC.C.。ルルーシュが怖がっている。
 次に現れたのは、自分と同じくらいの年の子供。
「???????」
 この緑の女と良い、この少年と良い、どこから入ってきたのだろう?
 アリエスの離宮は、他の離宮に比べて離れてはいるが、簡単に入り込めるような警備ではないはずだ。
「マリアンヌの子供が、これ位で怖がるものか!」
 フンと、どこか高飛車な言い方だ。
「確かにルルーシュはマリアンヌの子供だけど、シャルルの子でもあるんだよ」
「そうだったな。だが、全く似ていないから大丈夫だ!」
 誰に似ていないかと言えば、多分皇帝たる自分の父親にだろう。
 数多く兄妹達はいるものの、誰一人として父親似の子供はいない。
「父上と母上の知り合いですか?」
 先ほどから出てきた名前は、父と母のもの。
 母はまだしも、皇帝たる父を呼び捨てにするのは不敬罪にあたるのではないか?
「ああ、知っているぞ。共犯者だからな」
「僕は兄弟なんだよ。だからルルーシュの伯父さんだよ」
 言われた事が理解できない。
 共犯者?
 伯父?
 簡単に納得できる内容ではない。
 ルルーシュが納得できないとばかりに、コテンと首を傾げて唸っていると。
「可愛いな」
「うん。可愛いね」
 2人がジッとルルーシュを見詰めている。
 それから数分後。
「よし。お前は私のモノだ」
「ダメだよ。僕だって気に入ったのだから」
「ほわぁぁ」
 見知らぬ人間達に、両側から抱きしめられてしまった。
「驚いた声までカワイイとは、侮りがたし。だが、私がジックリと守ってやるから安心しろ」
 ニヤリと笑う女。
「本当に可愛いね。大丈夫だよ、僕がちゃんと守ってあげるからね」
 ニコニコと笑う少年。
「・・・・・誰?」
 今更だけど、この2人は誰なのだろう?
「ああ、紹介がまだだったな。私はC.C.だ」
「僕はV.V.だよ」
「人間の名前じゃないと思うのだが?」
 変な名前というか、あだ名?
「気にするな」
「気にしちゃダメだよ」
「いえ、でも、その」
 気になる。
「あの2人の子供とは思えないほどにカワイイな」
「そうだね。凄く気に入っちゃった」
 その瞬間、C.C.とV.V.の間に火花が散った。
「先に目を付けたのは私だぞ」
「ダメだよ。僕の方が先なんだから」
 火花どころか暗雲までもが背後に見える。
「フン。ガキのくせに」
「僕が子供ならC.C.はお婆ちゃんだね」
 バチバチと散る火花。
「あ、あの」
 雰囲気が悪い。
「ああ、ルルーシュは気にするな」
「そうだよ。これからも、ずっと一緒にいようね」
 なぜか『ずっと』の所に力が込められていたような?
「バカ者。今止めたら子供同士になるではないか」
 C.C.が呆れたように言えば、
「良いんだよ」
 ムッとした顔でV.V.が反論している。
「良くないぞ。もう少し育ってから止めなければ、私と釣り合いが取れない」
「C.C.は関係ないから良いの」
「ほう。そう言うか。だが、考えてみろ。子供2人だと何かと不便だぞ」
「あ!」
「ほらみろ。ならば、もう少し育つのを待ったほうが良いぞ」
「仕方ないな。ルルーシュ、仕方ないからもう少しだけ待つことにするよ」
「え?何が?」
 勝手に2人で会話して、勝手に納得されても、用件が何だったのか分からない。
「お前と一緒に暮らすための準備のことさ」
「そうそう。でも、今じゃない。次に会った時にする事にしたんだ」
 嬉しそうに話すC.C.とV.V.。
 だが、やっぱりルルーシュには良く分からなかった。
「次に会った時には、私達の仲間になってもらうぞ」
 ニヤリ。
「うん。L.L.って素敵だよね」
 ニコニコ。
「分からないのだが?」
 言っている意味が分からない。
「今は知らなくて良いさ」
「そうだよ。いずれ嫌でも分かるからね」
 クスクスと笑う二人。
「・・・・・・・・・・」
「次に会ったときは拒否権はない」
「次が楽しみだな」
 勝手なことだけを言って、C.C.とV.V.は去って行った。
「何がしたかったの?」
 幼いルルーシュに疑問だけを残して。


 その疑問が解決したのは、それから7年も後の事。
 2人の言葉通りに、強制的にコードを受け取るはめになり、ルルーシュは新たなコード保持者となった。
「これからは一緒だぞ」
 ニヤリと笑うは、緑の魔女。
「黙れ魔女」
「もうルルーシュったら、少し見ない間に口が悪くなったよね」
 プーっと頬を膨らませて怒るのは、見た目だけは年下の叔父。
「・・・・・・・・」
「「これからは一緒だ」よ」
 こんなときだけ綺麗にハモル2人だった。
「・・・・・・ああ」
 認めないわけにはいかないのだろう。
 だったら、この2人と生きるのも悪くない。
 多分、退屈だけはしないだろうから。




☆ルルーシュの出番が少ない(泣)
ゴメンなさい。 

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