諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
[157] [156] [155] [153] [154] [152] [151] [150] [40] [149] [148]
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
砂の薔薇
☆ロイルル (ユフィ生存特区の虐殺は偽者の仕業(ギアス関係なし))
スザクに厳しめなので、スザク好きさんは読まないことをお勧めします。
砂の薔薇
『特区を認める訳にはいかない!』
『こうなったら、偽者を使ってでも』
『だが、そうなると本物に生きって頂くわけには』
『なら!』
『深く考えるな、本物には表舞台から引いてもらおう』
『なるほど、後は傀儡たる偽者で事足りるか』
『そうだ、元々お人形のような姫君だ』
『姉姫の方さえ騙せれば良いだけだな』
『そうだ』
『それに、死体は何も語らない』
『確かに』
『後は、我々の天下だ』
軍の内部でなされていた不穏な会話。
「あ~らら。聞いちゃった~」
物陰に隠れるように会話を聞いていたのは、一人の青年。
初めは厄介ごとは御免とばかりに、直ぐにでも立ち去ろうと思っていた。
だが、内容が内容だけに立ち去るわけにもいかず、最後まで聞き入っていたのだ。
「我が君に知らせなくちゃ」
桃色のお姫様は、我が君のお気に入りだ。
簡単に殺されてしまえば、我が君が悲しむ。
ユーフェミアの事など眼中にないロイドだが、この事で自分が唯一と認めた主の心が傷付くのが嫌なのだ。
「やっぱりルルーシュ様に知らせないとなぁ~」
立場上は敵という位置にいるロイドだが、ルルーシュ以外を主と定める予定はない。
「さて、ルルーシュ様はどんな作戦を立てられるか」
不謹慎だが、ワクワクしてしまう。
話を聞いたルルーシュの行動は早かった。
首謀者の1人に、フーフェミアを殺したと思い込ませた。
黒の騎士団の内部にユーフェミアを匿うと準備は整った。
それでも、無駄な犠牲を出したくなかったルルーシュは色々と奔走したが、僅差で間に合わず多くの日本人が銃撃の餌食となった。
「そこまでだ」
目の前に広がる惨劇。
これ以上の被害者を出すわけにはいかない。
だから、ルルーシュは持っていた銃で偽者を追い詰めた。
どんなに似ていようが所詮は偽者だ、浮かべている笑みは禍々しい。
「あら、皇族である私を撃てるのですか?」
うふふふと笑う姿はユーフェミアに似せているだけに、ルルーシュの怒りを煽った。
「バカにするな!」
本物ならともかく、偽者の分際で!
「バカになどしていませんわ。私を撃てば罪が重くなるだけですわ」
ニヤリと笑う姿に、ルルーシュの中で何かが切れた。
「死ね!」
放った銃弾は、見事にユーフェミアの姿をしたモノに直撃した。
「ユフィ!」
だが、その瞬間に飛び込んできたのは、ルルーシュが唯一と認めた友。
「スザク?」
険しい表情でゼロを睨みつけながら、スザクは偽者の少女へと駆け寄った。
だが、少女は既に事切れている。
「ゼロ!お前がユフィーを殺したのか!」
憎悪に満ちた瞳。
視線で人が殺せるのなら、スザクに殺されていただろう。
「お前は、何か勘違いしていないか?」
確かにスザクの腕の中で死んでいる少女は、自分が殺した。
だが、その少女はユーフェミアではないのだ。
「勘違いだと!よくも抜け抜けと!」
憎悪に引きづられるように、スザクはゼロの方に銃口を向けた。
「話を聞け!」
このままでは埒が明かない。
ルルーシュが説明しようとするのだが、スザクの耳には届かない。
「死ね!」
憎悪に染まったままスザクが銃口を引こうとした。
「はいは~い。そこまでだよ~ん」
気配もなくスザクへと近付いて居たのは自分の上司。
「え?ロイドさん?」
スザクの意識が一瞬ゼロから離れた隙に、ロイドはヒョイっとばかりにスザクから拳銃を取り上げてしまう。
「あ!」
手に持っていたはずの拳銃がない。
「ダメだよ~ん。こんな物騒なモノを持って。万が一にも我が君に当たったらどうするのさ~」
「え?」
「我が君?」
それは、誰の事?
「そうだよ、我が君。ゼロ様にね」
眼鏡の奥で妖しく光る瞳に見詰められスザクは身動きが取れなくなってしまった。
「な!でも!そんな・・・・」
何が言いたいのか自分でも分からない。
呆然としているスザクに追い討ちを掛けたのは、死んだと思っていた少女の声。
「全くスザクはおバカさんなんだから」
背後から聞こえてきたのは、腕の中で死んでいる少女の声。
恐る恐る振り返れば、そこには死んだはずの少女が仁王立ちしていた。
「ユフィ?」
だって、ゼロに殺されて。
スザクが混乱していると、
「だから、最後まで話を聞けと言ったんだ」
「ゼロ?」
ゼロの呆れた声に、段々と考えることを放棄したくなってきた。
「本当にスザクは、おバカさんなんだから。ゼロは私を助けてくれたのに。スザクは全く気が付かなかったのですね」
スザクなら自分の偽者も見破れると思っていたのに。
「だって、そんな・・・」
何が何だか分からない。
「私が撃ったのは、ユーフェミア様の偽者だ」
「偽者?」
「そうです。軍部の中に私を亡き者にして、偽者とすり替えようとしていた計画があったそうです。それを逸早く知ったゼロに、私は今まで保護されていました」
ゼロは命の恩人です。
目をキラキラさせているユーフェミアとは対照的に、スザクは自己嫌悪に陥っていた。
「なのに、クルルギ君たら気が付かないだも~んね。騎士失格だよ~」
「僕は・・・・」
「本当に、スザクは最低ですわ」
まさか気付かなかったなど、思いもよらなかった。
「忠告だ。人の話はちゃんと最後まで聞け」
ゼロの声が追い討ちとなる。
「そんな・・・・」
「君が僕と同じように騎士だなんて笑っちゃうね。あ!でも、人それぞれなのかな~」
ニヤリと笑う姿に、いつものヒョロヒョロした感じはしない。
「そうだ。ロイドさんが騎士って。それもゼロの?」
どうして?
「バカだねクルルギ君は。世界が君中心に回っていると思っているんだろう。でも、残念でした~。世界はゼロ様を中心に回っているんだよ~。ねぇ、我が主様」
「そうだな」
それは絶対的な主従の信頼。
自分とユーフェミアの間には有り得ない物。
「どうして、どうしてですか!」
何で、どうして。
「どうも、こうもないよ。ゼロ様が僕の主で、僕がゼロ様の騎士。それは、7年前から続いていたんだ」
「そういう事だ。スザク、お前には騎士ごっこは無理なのさ。行くぞ、我が騎士ロイド」
「イエス、ユア ハイネス」
颯爽と歩くゼロに付き慕うは、自分の上司。
だけど、それが当たり前のように違和感がなく自然だ。
「素敵ですわ。あれが理想の騎士の姿なんでしょうね。でも、スザクには無理のようですね」
小さい頃から憧れていた、理想の主従関係。
スザクとならなれるかもしれないと、小さな期待をしていたのに。
今回のことで、失望させられた。
「ユフィ。僕は・・・」
「ユーフェミアです。二度とスザクにユフィと呼ばれたくありませんわ」
その瞬間に、スザクの世界が音を立てて崩れ落ちた。
☆一言言わせて下さい。スザクの事は好きです。
どんなにスザクの扱いが悪かろうと、実は好きです。
でも、それ以上に他のCPが好きなだけ。
カウンター
プロフィール
検索避け