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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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別れたら好きな人 15

 自分はルルーシュの事が好きなのだろうか?
 愛情はないはずだ。
 でも、『愛情』がどんなモノか分からないジノには、言い切れない。
 悶々と考えている内に、月日だけは過ぎて行く。
 ロロとの会話から3日。
 まだ3日とも言えるし、もう3日とも言える。
 考えているだけで、答えはでない。


 気分転換を兼ねて町を歩いていると、前方には見覚えのある二人。
 クラスメイトのロロと、ルルーシュ先輩だ。
 二人ともジノには気付いていないようで、嬉しそうに話している。
 初めて見る蕩けるようなルルーシュの笑顔。
 ジノには見せた事のない顔だ。
 なぜか咄嗟にジノは二人から隠れるように物影に身を寄せた。
 距離があるせいか、二人の会話の内容までは聞き取れない。
 だが、二人が親しいのは見ているだけで分かる。
「どうして?」
 ロロからルルーシュの話を聞いた事はない。
 そして、ルルーシュからもない。
 接点のない二人。
 そんな二人が浮かべているのは、極上の笑み。
 本当に親しい者にだけ浮かべるものだ。
「嫌だ」
 そんな顔を、私以外の人に見せないで。
 激しい嫉妬がジノを襲う。


 翌日、ジノは登校すると真っ直ぐにロロの元へ向かった。
「ジノ?」
 ロロの前に佇むジノの表情は険しい。
 今まで見た事がない程だ。
「話がある」
 ジッとロロを見詰める瞳。
 その中には、色々な感情が蠢いている。
 中でも一番強いのは嫉妬だろう。
「僕には、ないんだけど」
 歓迎されない事態だと勘が告げている。
 あえて今のジノには近付きたくない。
「私にはある」
 引く意思のないジノの言葉に、ロロは大きな溜息を付くと、好んでつるむ友人に目で合図を送った。
 察しの良い友人が頷くのを確認すると、
「仕方がないな。でも、ここじゃ皆の迷惑になりそうだから屋上へでも行こう」
 ジノを屋上へ誘った。
 後は、あの友人が何とかするはずだ。
「分かった」
 ジノはロロの言葉に頷くと、2人は屋上へと向かい出した。
 その背後で、後を託した友人が反対方向へ駆けて行くのが見えた。
 多分、この事態を纏めれる人物でも呼びに言ったのだろう。
 そして、多分来るのは・・・・・
 ロロが考えている内に、2人は屋上へと辿りついた。
 本来は鍵が掛かっていて中には入れないのだが、ロロはコッソリと兄に作ってもらった合鍵を持っている。
 何か有ったときに使いたいと我が侭を言って作ってもらったのだ。
 念の為にと作ってもらったが、今日まで使用した事がない。
 まさかこんな事で初めて使う事になるとは。


「それで、話ってなに?」
 早く終わらせたいロロは、単刀直入に言い出した。
 早くしないと、アノ人が来てしまう。
 これ以上、ジノの事で掻き回したくなかった。
「この間」
「この間?」
 って、いつの事だよ。
 大まか過ぎて絞り込めない。
「一緒に居た」
 言葉に出すと、嫌でもあのときの事が蘇る。
 ジノには見せた事もないような笑顔。
 そんな顔を、他の人に見せないで欲しかった。
「だから、誰と?」
 多分、そうなんだろうけど、万が一間違えと言う可能性もある。
 だからこそ、ロロは慎重に聞き返した。
「ルルーシュ・・・先輩と」
 そう、一緒に居たんだ。
 ギュッと胸が締め付けられるように痛む。
 この痛みは何?
 どうして、こんなに気になるの?
 不可解な自分の想い。
 それでもジノは、どうしても確かめたかったのだ。
 ロロとルルーシュの関係を。




☆初めて1話から読み返しました(コラ)
出したい人が多かった事に驚きつつ、出さなくて良かったと本気で思っております(だって、だしてたら終わらない)
 

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