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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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別れたら好きな人 14

 日々募るイライラ。
 今までは気軽に声を掛けてきた女子達も最近では声を掛けてこなくなった。
 ルルーシュと付き合っていた頃ですら、ジノの周りから女子が消えた事がないのに、今は誰も近寄らない。
「怖い顔」
 ジッと外を眺めていると、いつの間にかロロとクラスメイトの男子が近寄って来ていた。
「元からだ」
 今は誰とも話したくないのに。
 この2人は、ジノの事などお構いなしに近付いてくる。
「モテル男は辛いね」
 茶化す声も耳に入らない。
 ただ外を見詰めるだけ。
「ねえ、ジノ。何で別れたの?」
 ロロの声は、どこか非難する響きがある。
「さあ?何でだろう?」
 愛情が無くなったとルルーシュには言った。
 だが、愛情とは何だ?
 貴族の家に生まれてきたが、親に愛情を掛けて貰った事はない。
 義務的に生きてきた。
 そんな自分が、愛情などと言う言葉を口にして良かったのだろうか?
 目の前に広がるグランド。
 その淵の方には、麗しい人が木陰で本を読んでいた。
 見つけてしまった瞬間から、ジノの目は釘付けとなっている。
 外ばかり見つめているジノの様子に、ロロは何でだろうとジノの視線を追ってみた。
 そこには兄の姿。
 その姿を見つけてしまった瞬間、ロロは無意識に呟いていた。
「最近、綺麗になったって噂があるんだよ」
 実際に、ジノと別れた直後は落ち込んでいたのに、ここ最近は生き生きとしている。
 そんな兄を綺麗になったと周りの人は言う。
 ロロにとっては、綺麗になったと言うよりも、本来の輝きを取り戻したに過ぎないのだが。
「誰が?」
 ボーっと兄を見詰め続けるジノに呆れてしまう。
 誰なんて言わなくても、ジノならば分かりそうなものだ。
「ルルーシュ先輩だよ」
 ロロの隣で、面白そうに展開を眺めていたクラスメイトが茶化しながら言う。
「え?」
 その言葉に、初めてジノはロロ達の方を見た。
 そこには呆れた顔の友人達。
「まあ、噂だけどね」
 ロロが付け加えたにも関わらず、
「え~本当の事だろ。ルルーシュ先輩は、前よりも綺麗になって、告白される数が倍になったって聞いたぜ」
「コラ!」
 茶化している友人を小突いているものの、本気でないのだろう。
 ロロの攻撃は、とても優しい。
 そんな二人の遣り取りに、それが事実なのだと思い知った。
「ルルーシュ・・・先輩」
 知らない間に、変わりつつあるルルーシュ。
 置いていかれたような気がする。
「ねえ、何で別れたの?」
 再びロロが同じ質問をしてきた。
「さあ?どうしてだろう。もう、分からない」
 本当に分からない。
 どうして別れなければならなったんだろう?
 別れる必要があったのだろうか?
 視線が外を向いてしまう。
 そこには立っているだけで綺麗な人。
 別れなければ、あの綺麗なルルーシュの隣に自分は居られたのかもしれない。
 

 そう考えると、凄く悔しかった。


「バカなジノ」
 背後から聞こえてきたロロの言葉に、心の中で頷いてしまう。
 確かにバカだったと。 
 



☆グルグルのジノです。それにしてもロロが出張る。当初の予定に居なかった子なのに。
初めはジノサイドの話は、殆ど書かない予定でした。が、書いた方が心情的に分かりやすいかなと思い書き出しました。そしてら終わらなくなってしまった(汗)
 

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