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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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子供の特権

☆子供→ゼロ(子供たちに勉強や遊びを教えるゼロ。子供たちにのみゼロバレ)




子供の特権




 百万人の日本人と共に蓬莱島へ遣って来た黒の騎士団だが、大きな問題に直面していた。
 それは、長年の支配生活の為に基礎知識や学力の低下である。
 特に子供達は、十分な教育をされていない。
「このままでは、不味いな」
 折角ブリタニアの支配下から出たのだ、十分な教育をさせてやりたい。
「さて、どうするか?」
 フムと考え込んだ結果、大まかな原案ができた。
 そこまで考えると、ルルーシュは幹部達を集めた。
 最近忙しく、一つの部屋に幹部達が集まったのは久しぶりだ。
「ゼロ、何のようだ?」
 それぞれ役割分担が決まっている。
 決して暇な身ではないのだ。
「子供達の事だ」
 ルルーシュとて、その事を知っている(というか、役割を押し付けた張本人でもあるのだが)ので、いきなり用件から入ることにした。
「学力低下の事か?」
 幹部達にとっても気になっていた事の一つだ。
「ああ、このままではいけない。よって、子供達に勉強を教えようかと思う」
 そのゼロの言葉に、一番最初に反応したのは扇だった。
「良いと思う」
 自身が教師だったこともあり、子供達の事は気になっていたのだ。
「そうか、それで子供達なのだが」
「人括りに子供といっても、少なくないと思うが」
「ああ、藤堂の言う通りだ。だから、年齢別に3グループに分けようと思う」
「3グループ?」
「まず6才未満の子供を省き、小学生低学年レベル、小学生高学年レベル、中学生レベルの3つだ」
「それ以上の年齢の子供は?」
 カレンの方をチラリと見ながら、扇が聞くと。
「高校生レベルになれば、1人で考える事もできる。ならば、それぞれの専門家の大人達の傍で学んだ方が良いだろう」
「確かに。高校生ともなれば、一人前に働けるな」
 カレンが良い例だった。
 ならば、後は誰がどの役目をするかだ。
「それで?」
 藤堂がゼロを促せば、
「そうだな。中学生レベルには扇に任せたい。元教師という事もあって適任だろう」
「その他は?」
「迷っている」
 正直迷っている。
 小学生低学年レベルは、遊びを中心に勉強を教えていけば良いので子供好きなら誰でも良いだろう。
 だが、ある程度は知識を持っていて、子供の好奇心に答えられるような人物で無いといけない。
「あ!だったら私が小学生低学年レベルを見ても良い?」
 低学年レベルなら私でも教えられると思うし。
 紅蓮の調整が終わってやる事が少ないカレンが立候補した。
「良いだろう」
 カレンならば適任かも知れない。 
 子供達に体を動かす事の楽しさを教えてくれるだろう。
「問題は、小学生高学年レベルだな」
 さて、どうするか?
 ルルーシュが誰が適任かと考えていると、
「ゼロが教えれば」
 カレンがポツリと呟いた。
「はぁ?」
 どうして俺が?
「だって、教えるの得意じゃない」
 学校ではリヴァルやスザクに教えていた。
 それに、以前に私が教えてもらったときは丁寧で教師達よりも分かり易かった。
「それは!」
 必要に駆られてであって、子供に教えるのとは訳が違う。
「それに、暇でしょ」
 キッパリと言い切られても困るが、確かにルルーシュは暇だった。
 以前の二重生活とは違い、今はゼロとしか動いていない。
 やる事が少ないのだ。
「そうかもしれないが」
 だが、
「じゃあ決まりね」
 カレンの言葉で、呆気なく決着がついた。


 ルルーシュは完璧主義者だった。
 それは、渋々引き受けた子供達の教師役も完璧にこなしていた。
 小学生の高学年ともなれば、些細な事も気になって質問してくる。
 その度に、ルルーシュはきちんと答えていくのだ。
 答えれれば答えれるだけ、ゼロの人気は上がっていく。
「ゼロ先生。あのね」
 初めの頃はゼロの仮面に怯えていた子供達も、すっかり慣れたものだった。
「どうした」
 相手が子供という事もあり、いつものゼロの口調よりは柔らかい。
「仮面を取って下さい」
「それは!」
 流石にヤバイだろう。
「お願いします」
「いや、だが」
 ルルーシュが渋って居ると、周りにいた子供達が次々に集まってきた。
 そして、気が付くと教えている子供達の全員がルルーシュの周りに集まってきている。
「なっ!」
 そして、口を揃えて
「「「「「「「お願いします」」」」」」」
 大合唱だ。
「だが!・・・・・・」
 無理だというのは容易い。
 今までは相手が誰であろうと、仮面は取らないと突っぱねてきた。
 だが、相手は子供達だ。
 無下に断って心の傷となってはいけない。
「「「「「「「お願いします」」」」」」」
「分かった。だが、一つだけ守ってもらいたい事がある」
 難しく言っても分からないだろう。
 だったら、
「私の仮面の下の顔を、大人達には絶対に言ってはいけない。守れるか?」
「「「「「「「守る!」」」」」」」
「良い返事だ。これから見せる素顔は、君達だけの秘密だ」
 秘密という言葉に、子供達の目が輝いた。
 大人達には秘密。これ以上に子供達を刺激するキーワードは無いだろう。
「「「「「「「はい」」」」」」」
 目を輝かせながら返事をする子供達に、ルルーシュは微笑ましいモノを感じながら仮面を取った。
「これが素顔だ」
 苦笑しながら言うルルーシュに、子供達は素直に驚いている。
「「「「「「「うわぁ」」」」」」」
 それもそうだろう、仮面の下から出てきたのは、
「「「「「「「綺麗なお姉さんだ!」」」」」」」
 その言葉に、ルルーシュはズルリと滑った。
「はぁ?誰がお姉さんだ!俺は男だ!」
 口調がルルーシュに戻っている事に気が付かない。
「え!こんなに綺麗なのに?」
「うそだぁ」
「うそ!」
「やだ」
「えー」
 口々に色々言っているが、
「どう見ても男だろうが!」
「「「「「「「女の人に見える」」」」」」」
 全員一致で、否定されてしまった。
「・・・・・・そうか」
 今までも女に間違われた事は何度もあるが、ここまでキッパリ言われたのは初めてだった。
 それも、相手は子供達だ。
 今までのように問答無用で沈める訳にはいかない。
「あのね、その」
 ルルーシュが諦めつつ溜息を付いていると、1人の男の子がオズオズと上目遣いに見てきた。
「どうした?」
「僕がお姉さんの事を守るよ」
 何処か嬉しそうな男の子。
「・・・・・はぁ?」
 守るとは?
「あ!ずるいぞ!俺だってお姉さんの事なら守る」
「へぇ?」
 どうなってるんだ?
「だったら、僕も」
「俺だって」
 男の子達は皆守ると主張している。
「そ、そうか。ありがとう」
 力なく男の子たちに微笑んで見せれば、子供たちは真っ赤になっている。
「男の子達だけじゃ心配だから、私達だってお姉さんの事を守るからね」
 ついには、女の子達にまで『守る』宣言をされてしまった。
「あ、ありがとう」
 こうなれば自棄だ。
 ルルーシュはニッコリと微笑んだ。




☆たらしのルルーシュ。本人に自覚はありません。
相手は子供だろうと、お年寄りだろうと一発でKOです。

 

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