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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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優しい世界

☆ナナリーは健康体です。日本という国が存在しています。
ナナリーとルルーシュは日本のスザク宅に留学中。





「もう、お兄様ったら」
 自分に駆け寄ってくるのは、愛しい妹のナナリー。
「こら、そんなに走ると転んでしまうよ」
 少々お転婆な所があるが、素直で優しい子だ。
「大丈夫だって、ルルーシュと違ってナナリーの運動神経は良いんだから」
 アハハハと笑いながら言うスザクに殺気を覚えるものの、強く反論できないのが悔しい。
「何も無いところでは転ばない」
 言えるとしたら、こんな程度だろう。
 確かに、お世辞にも運動神経が良いとは言えないから。
「あら。この間、何も無いところで転びましたわ」
「そ、それは」
 ナナリーに見られていたかと思えば、カーと顔が赤くなってしまう。
「なんだ、やっぱり転ぶんだ」
「だから、それは。クソっ、もういい」
 なんだ2人して。
「お兄様がイジケテしまいましたわ」
「そうだね、ナナリー」
 笑いあう二人に、ルルーシュの気がそれてしまった。
「全く、お前達は」
 呆れながらも、妹と幼馴染が大切なのには変わらない。
「だってねぇ、スザクさん」
「そうだよね、ナナリー」
 意思の疎通のなせる業か、2人はそれだけで良いのだろう。
「まったく、妬けてしまうよ」
 どちらにという訳ではない。
 1人だけ除け者にされた事への嫉妬。
「大丈夫ですわ。ナナリーにとっとは、お兄様が一番なんですもの」
「僕だって、ルルーシュが一番大切なんだからね」
 そして始まるのは、妹と幼馴染によるルルーシュ争奪戦。
「はいはい。分かったから」
 こうなると、この2人は長い。
「ダメです」
「ダメだよ」
 なぜかルルーシュに関しては、引く事を知らない2人だ。
「あのな」
 このままでは埒があかない。
「私がお兄様の騎士になって、お兄様を守るんです」
 胸を張っていう妹の姿に感動するものの、妹に守られる兄というのは情けないかもしれない。
 たしかに、母親の身体能力を引き継いだ妹は、確実に自分よりも強い。
 だが、複雑だ。
「ルルーシュは、僕が守るんだ。だから、僕がルルーシュの騎士になる」
 ナナリーにだって譲らないという幼馴染。
 初めてあった頃から体力バカな一面を持った幼馴染は、今現在では化け物染みた体力バカになっている。
 

 そんな2人の気持ちは嬉しい。
 嬉しいが、
「ナナリー」
「はい。お兄様」
「君も皇族なのだから、騎士になるのではなくて、騎士を持つ立場になるんだよ」
「でも。その」
 納得がいかないのか、まだブツブツ言っているが仕方が無い。
 ナナリーだって皇族なのだ。
 妹に守られるのが嫌という訳ではない。
 たぶん。
「それから、スザク」
「何?」
「日本人はブリタニア皇族の騎士になれない」
「えー。嘘」
「本当だ、今のところ例外は無いな」
 自国の民が一番だと思っているのだろう。
 皇族の騎士に、ブリタニア人以外はいない。
「やぱり、嫌です」
「絶対に、嫌だ」
 説得も無駄のようだった。
「ナナリー、スザク」
「はい」
「なに?」
 2人の笑顔が眩しい。
 今日も説得できなかった。
 たぶん俺が騎士を持つまで、この2人は言い続けるのだろう。
 その為にも、早く騎士を持ったほうが良いのは分かっている。
 分かっているが、この2人以上にシックリ来る相手が見つかる可能性は少ない。
 どうしようかと空を見上げれば、どこまでも続く青い空。
「今日も天気が良いな」
 今日は天気が良いのだ、2人への説得は明日以降で良いだろう。
「そうですね」
「そうだね」
 3人が見上げた空は、どこまでも綺麗に広がっている。





☆優しい話が書きたくなったので、書いてみました。
優しい世界では、ナナリーとスザクがルルーシュを取り合っていれば良い。

 
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