諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
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愛されて【前編】
☆皇帝の記憶改竄の場面から始まります。
目の前には憎い皇帝。
だが、スザクに押さえつけられている為に、何もできない。
悔しさがルルーシュの中を満たしていく。
ここまでなのだろうか?
もう何もできないのだろうか?
悔しい。
睨み付けるしかできない自分が悔しくて、だからといって誰も助けてはくれない。
いや、今の自分の状況を知れば、コッソリと自分を可愛がっていた兄と姉ならば助けてくれるかもしれない。
幼い頃、大手を振って自分の元に訪れていたのはシュナイゼルやクロヴィスやコーネリアにユーフェミアだった。
だが、実は他の兄弟もコッソリと自分の元に通っていた。
彼ら曰く、
『だって、自分たちまでルルーシュの元に通っている事がバレてしまったら、後継者問題のゴタゴタに巻き込まれてしまうかもしれないからね』
『そうよ、それに内緒の方がスリルがあるわ』
笑顔で言い切る兄と姉に、呆れながらも嬉しかった。
唯でさえ、大手を振って会いに来る高位継承者達のお陰で、自分や母の立場が悪くなている。
それに加えて、この兄と姉までが自分の元に通っているとバレてしまえば益々自分達の立場が悪くなってしまう。
だからこそ、彼らの思い遣りが嬉しかった。
『ありがとうございます』
感謝の気持ちを言葉にして言えば。
『おやおや、嬉しいね』
『うふふふ。本当』
嬉しそうに微笑んでいる、兄と姉の優しさが嬉しい。
そして付け加えられた言葉。
『何か困った事があったら私達の名前を叫びなさい。どんなことがあろうと、助けてあげるから』
ニコニコと嬉しそうな兄。
『そうよ、貴方だけが大切なんだから』
地獄からだって助けに行ってあげる。
ウインク付で微笑んでいる姉。
嬉しかった。
そんなにも大切に想われていると思えば。
大切な兄と姉。
だからこそ、8年前に名前を叫べなかった。
巻き込みたくなかったから。
いや、もし名前を呼んでも助けて貰えなかったら何かが崩れてしまうと思ったのかもしれない。
だけど、もう自分には失うものがない。
今なら名前を叫べるかもしれない。
もし助けて貰えなくても、これ以上傷付く事はない。
これ以上の絶望などないだろうから。
だから、名前を叫ぼう。
大切な、兄と姉の名を。
「オデュッセウス兄上。ギネヴィア姉上。助けてください」
心からの叫び。
「何、今更助けを求めているんだよ」
自分を押さえつけるスザクの力が強くなった。
侮蔑を含んだ言葉。
スザクに言われなくても分かっている。
だけど、言いたかったのだ。
ルルーシュが諦めたように瞳を閉じたとき、その声が聞こえてきた。
「ようやく、名前を呼んでくれたね」
「待っていたわ」
「ついでに来ちゃった」
場違いな声。
その内、二人の声には聞き覚えがある。
「オデュッセウス兄上。ギネヴィア姉上。それに、カリーヌ?」
兄と姉は、8年前と何も変わっていない。それに傍にいる少女は、面影からいってカリーヌだろうか?
「正解。やった、私の事も覚えていてくれたんだ」
全身で嬉しいと物語っている少女。
だが、
「なぜココに?」
確かにオデュッセウス兄上やギネヴィア姉上の名前は叫んだ。
だが!カリーヌの名前は叫んでいないはず。
「え~。だって、ルルーシュお兄様が呼んで下さらないから」
「いや、呼ぶも何も。なぜ?」
親しくなかった妹を呼ばなくてはならないんだ?
「あら。だって、会いたかったからよ」
それ以外に何があるの?
反対に問われてしまって、ルルーシュとしても困る。
ルルーシュが会いたかったのは、オデュッセウス兄上とギネヴィア姉上でカリーヌではない。
そこまで考えて、ハタっと気が付いた。
「オデュッセウス兄上。ギネヴィア姉上!」
会いたかった兄と姉が来ていた事に。
「おや。やっと気が付いてくれたね」
「つれない子。でも、そこがまた可愛い子」
「来てくれたんですね」
来ないと思った。
いや、来てくれるかもと期待した。
でも、来ないだろうと諦めた。
「約束したからね」
「貴方の声なら、何処にいても聞こえるわ」
それこそ、地獄のそこにいたって聞こえるだろう。
二人の優しい微笑に、ルルーシュは救われる気がした。
☆リクエストの希望はコメディだったのですが、ギャグになりそう(汗)
☆リクエストの希望はコメディだったのですが、ギャグになりそう(汗)
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プロフィール
HN:
伊月 優
性別:
女性
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