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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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手紙 4

 翌日は、見事な晴天。
「日本晴れだね」
 のほほんとしたスザクの声は、カレンの苛立ちを増幅する。
「煩いわね」
 静かにしなさいよ。
 キッと睨み付ける眼差しも、スザクには効かない。
「そんなに怒っている顔をしていると、僕達が護衛するはずの皇女様も怯えるよ」
「良いわよ。私の顔で怯えても、アンタの得意なタラシ顔で万事OKよ」
「タラシ顔って、酷いな」
 多少は自覚があるのだろう、スザクは苦笑するだけだった。
「お前達、皇女殿下がお見えになる」
 上司の言葉で、一瞬にして緊張感が高まる。
 今から会う皇女様は、自分達の護衛の対象だ。
 粗相のないようにしなくてはならない。
 だが、たかが護衛程度で、兄と同じ地位に着いてしまった事がカレンには許せないのだ。
 ギュッと噛み締めた唇から、僅かに血の味がする。
 複雑な表情で佇んでいるカレン。
 その隣でスザクが心配そうに見詰めていた事には気が付いていなかった。
 そんな中、重厚な扉が開くと共に現れてのは、一人の可憐な少女。
「え?」
「うそ!」
 スザクとカレンは、現れた少女に釘付けになってしまった。
 腰まで伸びている真っ直ぐな黒髪。
 煌くアメジストの瞳。
 優しそうな笑みを湛えた口元。
 完璧な美貌。
 おとぎの中のお姫様そのものだった。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです。貴方達が私の護衛ですか?」
「「は、はい」」
 見事に被ってしまった声に、目の前の綺麗な皇女様が微笑んでいる。
「うふふふ。元気の良い方々ですね。これから1年ですが、宜しくお願いします」
「「はい」」
 そう、護衛の任期は1年だ。
 1年後には、この皇女様の下を去らなくてはならない。
 だがカレンは、一生この方に仕えたいと思ってしまった。
 隣を伺えば、同じように熱い瞳で皇女様を見詰めるスザク。
 どうやら、この綺麗な皇女様に、2人して落ちてしまったらしい。
『ゴメンなさい。お兄ちゃん』
 お兄ちゃんの夢を諦めた訳ではない。
 ただ、それ以上に守りたいと思える人が見つかってしまったの。
 だって、全身全霊を掛けて、この方をお守りしたいから。
「お名前を聞いて宜しいかしら?」
 首を傾げる仕草すら気品が漂っている。
「自分は、枢木スザです」
「私は、紅月カレンです」
 カレンが自己紹介した途端、ルルーシュの顔が翳った。
「紅月?」
 恐る恐るといった感じで聞いてる姿は、どこか迷子の小動物を思わせる。
「はい、そうですが。それが何か?」
 何かあるんだろうか?
「いいえ、ゴメンなさい。何でもないの」
 とても何もないという雰囲気ではないのだが、皇女様の言葉に反論する事はできない。
「はあ」
 だからカレンも気のない返事にしかならなかった。
 ただ、その時のルルーシュがカレンを見詰める瞳は、どこか慈愛に満ちていた。





☆先は果てしなく遠い。
だって、終わりを考えていないから(オイ)
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