忍者ブログ

諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

[254]  [253]  [252]  [251]  [250]  [249]  [248]  [247]  [246]  [245]  [244

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

片翼の天使 9

「ルルーシュv」
 翌日、教室に入った途端にスザクが横から抱きついてきた。
 余りのタイミングの良さに、何時から待っていたんだと突っ込みすら入れたくなってしまった。
 だが、
「スザク、重い」
 実際に出てきたのは、素っ気ない言葉。
「えー。重い?標準だと思うんだけど?」
 身長は変わらないが、筋肉量は断然スザクの方が多い。
 その結果、スザクの方が重いのは分かりきっている。
「重い」
 暗に退けと言っているのだが、分かって貰えないのだろうか。
 このままでは潰されると、実力行使に出ようとしたとき、
 ドス
 低い音と共にスザクの体が吹っ飛んだ。
 そう、見事に中を舞ったのだ。
「え?」
 何が起こったのか恐る恐る観察してみると、にこやかな顔で足を伸ばしているカレンが目に入った。
「おはよう。ルルーシュ君」
 その笑顔は、大の男を蹴り飛ばしたとは思えないほどに清々しい。
「あ、ああ」
 その見事に伸ばされた美脚さえ無かったら、この事態を引き起こした張本人とは思えない。
「スザクも、何時まで伸びているのよ。邪魔だからサッサと起きなさい」
 いや、君が蹴り倒したんじゃ。
 そう思いつつも、声には出せない。
 確かに、この少女の正体もルルーシュは知っていた。
 この一見か弱そうな(今の蹴りを見せられては通用しないが)少女は、スザクと同様にテロリストとして活動している。大人顔負けの戦闘技術を持った、少女戦士。これが、この少女の正体だろう。
 だが、学園では大人しい、か弱い少女で通していたはず。
 路線変更でもしたのだろうか?
「カレンが蹴り倒したんだろうが。全く、もう少し手加減しろよな」
 これが自分だから軽く吹っ飛ぶ程度で済んだが、一般人ならばそのまま壁に激突だろう。
「あら、ちゃんと相手を確認してから蹴ったわよ」
 暗にスザクだから本気で蹴ったと言っているのだ。
「地が出てるぞ」
 ブスっとスザクが言えば。
「え?あら!やだ。あ、急に眩暈が。ほ、保健室に行って来ますわ」
 急にしおらしくよろめくと、一目散で消えていった。
「今更?」
 そんな様子に、ルルーシュが呆れて言えば。
「まあ、本人の努力は買ってあげてよ」
 いつの間にか復活したスザクが背中に張り付いていた。
「因みに、お前も性格が変わっているぞ」
 少しだけ俺様な感じがする。
「え?そうかな?わーい、ルルーシュの匂いがする」
 急に首筋の匂いを嗅がれて擽ったい。
「おい!止めろ」
「えー、ヤダ」
 だって、優しい匂いがする。
 懐かしいような、締め付けられるような。
 不思議な匂い。
 だから、放したくない。
「オイ、スザク」
 もう直ぐ授業が始まるのに、ルルーシュは未だに自分の机にすら座れない。
「こら、スザク君。ダメじゃないのルルーシュ君が嫌がっているわよ」
「という訳で、はい、そこまで」
 遅れて教室に入って来たシャーリーに止められ、それまで見守っていたリヴァルに引き離されてしまった。
「シャーリー、リヴァル」
 恨めしそうに二人を見るものの、引き離す事に成功した2人は、ルルーシュを席に座らせると、その周りを囲んでいる。
「あー、抜け駆け禁止!」
 それまで散々抜け駆けしていた男の叫び声が教室に響いたが、誰一人として耳を傾けたものはいなかった。
 まだ学園に通い出して2日目の朝。
 だがルルーシュは疲れ果ててしまった。
 
 
 そして、今朝の風景が日常化するまで時間は掛からなかった。
 




☆長い事放置していたので、途中で矛盾した所があってもスルーして頂けると幸いです。
PR

手紙 3 HOME 片翼の天使 8

カウンター

プロフィール

HN:
伊月 優
性別:
女性

活力になります

管理用

アクセス解析


ジオターゲティング

検索避け

忍者ブログ [PR]
Template by repe