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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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奇跡の花

☆ロイルル。(ルルが女体化で、恋人にロイドさん)




奇跡の花




 朝起きたら、女になってました。


「・・・・・・・・・・」
 安っぽいフレーズが頭の中を横切るが、それはこの際無視するとして。
 問題は、
「・・・・やっぱり、女?」
 胸には小さいとはいえ、柔らかな感触。
 そして、昨日まで下半身に有った筈の物がない。
「・・・・・・・・・・」
 もう一度眠れば、元に戻っているだろうか?
 いや、多分ないな。
 そして、嫌というほど現況に心当たりのあるルルーシュは、勢い任せで携帯を掴むと、慣れ親しんだ番号へ掛けた。
 待つこと十数秒。
『はいはい。貴方の恋人ロイドで~すv」
 ふざけた口調に、とうとうルルーシュの感情が爆発した。
「ロイド!」
『なあに、ルル君~』
 電話の口調は、余りにも普段と同じだ。
 一瞬、ロイドへの疑惑が薄れたが、所詮ロイドはロイドだ。
 こんな非科学的な事をやってのけるのは、この男くらいしか思いつかない。
「何をした!」
 敢えて主語は言わない。
 それで通じるのであれば、ロイドが犯人だ。
『え?それって、やった。成功したんだ』
 うんうんと、嬉しそうな声が電話口から聞こえる。
「おい!」
 話に着いていけないんだが。
『はっ!僕としたことが。ゴメンね、直ぐに行くからね~』
「へぇ?ああ、待ってる?」
 良く分からないうちに、電話を切られてしまった。
 何だったんだ?
 まあ、ロイドが来ると言うならば来るのだろう。
 

 それから10分もしない内に、目的の男は現れた。
「ルル君」
 ルルーシュを見た途端、ロイドの目が輝きを増した。
 その表情に、疑惑が確信に変わった。
「やっぱり、お前が犯人か」
 ビシッと指し示す先は、自分の恋人であるロイド。
「え~。犯人て何のこと~」
 白々しいセリフに、ルルーシュの中で何かが切れた。
「貴様!」
 ギロリと睨むものの、ロイドは飄々としている。
「やだな~ルル君。せっかく可愛い女の子になったんだから、笑顔だよ笑顔」
「何をした!」
 ロイドのセリフは、自分が犯人だと物語っている。
「何って、ねぇ~」
「おい!」
「見たまんまだよ。ルル君を女の子にしちゃいました」
 テヘと笑うのだが、大の大人の笑い方ではない。
「ほ~。理由は何だ」
 これで下らない理由だったら殺してやる!
 殺気を漲らせながらロイドを見詰めていると、
「理由ねぇ~。ルル君に僕の子供を生んで欲しかったからかな?」
 うんうんと、自己完結しているロイド。
「子供?」
 男の俺が?
 まあ、確かに今は女だが。
 産めるのか?
「そう。子供で~す」
 余りにも嬉しそうに言うので、ルルーシュの怒りは少しずつ収まっていった。
 だが、怒りは収まっても疑問が残る。
「お前は、子供嫌いじゃなかったか?」
 自分の記憶が正しいのならば、ロイドの子供嫌いは徹底している。
「うん。大嫌いだよ」
「だったら、」
 なぜ?
「でもね。ルル君が僕の子供を産んでくれれば愛せるような気がするんだ」
 それに、
「俺の子?」
「そう、ルル君と僕の遺伝子を持った子供」
 ルル君との証が欲しかった。
「俺は産めるのか?」
 付け焼刃な女なのに?
「産めるよ。だって、僕が造ったクスリだよ。不可能はないよ~」
 産んで貰いたいが為に造ったクスリなのだ。
 産めなければ意味が無い。
「産んで欲しいのか?」
 俺に?
「そうだよ。ルル君に産んで欲しいだ。僕の子供を」
 2人の証を。
「そんな事の為に?」
 こんなバカな事をしたのか?
「そんな事じゃないもん。大事な事だよ」
「・・・・・・・」
 あー、そのー、何だ。
 ちょっと嬉しいかもしれない。
 だって、それだけ愛させている証拠でもあるのだ。
「だから、僕の子供を産んでください」
 お願いしますと、頭を下げるロイド。
 初めてロイドが頭を下げた。
「えっと、そのー、・・・・・・はい」
 最後の返事だけが小さかったのは、まだプライドが付いていかないからだ。
 それでも、ここまでロイドが言うのであれば、産んでも良い様な気がしてきたのだ。
「本当?やった。パパになれる」
 わーい。と、はしゃいでいる姿は子供のまま成長していないかのように思える。
 そんな子供っぽさもロイドの魅力の一部だが。
「でも、本当に良いのか?」
「何が?」
「おれが、その、ロイドの子供を産んでもだ」
「あのね~、僕的にしたら、ルル君が産んだ子供だから欲しいんだよ」
「ロイド」
 ロイドの真面目な顔に弱いルルーシュは、ジーンとしてしまった。
「愛してるよルル君。だから、僕の子供を産んでください」
 お願いします。
「分かった。その、産んでやる」
 照れ隠しにぶっきら棒に言うものの、恥ずかしさの余りルルーシュの顔は真っ赤だ。
「ありがとう」
 えへへへと笑って喜んでいるロイドの姿に、ルルーシュの顔に笑みが浮かんだ。
 自分の選択肢は間違えなかったと。
「ただし、俺も子供も大切にしろよ」
 それが交換条件だ。
「は~い。目の中に入れても痛くないくらいに大切にします」
 だって、どちらも僕の宝物になるのだから。
「信じるからな」
 幸せにしてくれるという事を。
「まっかせなか~い。世界一幸せな奥さんと、世界一幸せな子供にして見せます」
「ああ、改め宜しく」
「こちらこそ。愛してるよルル君」
「おれもだ」
「3人で幸せになろうね」
「ああ」
 ルルーシュア嬉しそうに微笑んだ。




☆ルルの女体化とのリクエストだったのですが、初めから女性にするか、後天的に女性にするか迷って後者にしました。
初めから女性バージョンも書きたいと思っています。
 

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