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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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ゆずれない願い 5

「これから、どうする?」
 日が傾きかけている。
 まだ買い物だけなら出来る時間帯だが、こんな大きなヒマワリの花束を持っての買い物は正直なところ避けたい。
「今日は帰る」
 というか、こんな大きな花束を持って買い物など出来ない。
「そっか、送っていくよ」
 ルルーシュを1人で帰らせることなど出来ない。
 心配で仕方がないのだ。
「1人で帰れる」
 ムッとした顔でルルーシュが言うが、
「ダーメ。別に子ども扱いしてるわけじゃないよ」
「だったら、」
 何で何時も男も俺に送るなんて言うんだ?
「心配なんだよ」
「俺だって男だぞ」
 なんで心配なんかされなくてはいけないんだ。
「分かってるよ。男とか女とか関係なくて、僕がルルーシュを送りたいんだ」
 どうしてもダメかなと、潤ませた目で見詰めれば、
「ウッ」
 ルルーシュはスザクの犬属性の表情に弱い。
 ついつい構いたくなってしまうのだ。
「送っちゃダメ?」
 ダメ押しのように言えば、困り果てている。
 こうなってしまえば、絶対にルルーシュが折れてくれるのだ。
 やったと手を差し伸べようとすると、
「ルルーシュ?」
 そこに割り込んできたのは第3者の声。
 ルルーシュには、嫌というほど聞き覚えがある。
「ナオト兄さん?」
 まさかと振り返れば、そこには兄であるナオトの姿。
「やっぱり、ルルーシュか」
 似ている子がいると思って声を掛けたが、本当にルルーシュだった。
 自分の全てを懸けてでも守りたい存在。
 名前以外の全てを失って彷徨っていた俺に手を差し伸べてくれた。
 愛しい弟。
「どうしてココに?」
 父さんの仕事の手伝いは、どうしたのだろう?
「それは、こっちのセリフだ」
「俺は買い物をしに・・・・・」
 来たのだが、結局何も買えなかった。
 手に残っているのはヒマワリの花束。
「ヒマワリを持って?」
「これは、その、」
「僕があげたんです」
「スザク君が?」
「ええ、どうしてもルルーシュに渡したかったから」
 ヒマワリの花を。
「そうか、それでルルーシュはどうする?」
「え?」
「帰るのなら、一緒に帰るか?」
「え?でも、父さんの仕事は?」
 その為に、早く家を出たはずなのに。
「もう、終わったさ。今から帰る所だ」
「なら、一緒に帰る」
 ナオト兄さんと帰るのは久しぶりのような気がする。
 中等部の頃は、毎日のように送り迎えをしてくれたが、さすがに高校生にもなって送り迎えは恥ずかしいと断っている。
 ロロに対しては普通なのに、俺に対してだけ過保護なのが玉に傷だ。
「そっか、ナオトさんと帰るのなら心配ないね」
 ルルーシュ1人ならば無理にでも付いて行くが、ナオトさんが一緒ならば安心できる。
「だから、別に俺1人でも帰れる」
「はいはい。ルルーシュは自分の魅力に気が付いていないから困るよ」
「なんだ、それは?」
 意味が分からないのだが。
「ルルーシュに分からなくても、僕やナオトさんが分かてるから良いよ」
「え?ナオト兄さんも?」
「そうだな、ルルーシュは俺が責任持って家まで連れて帰るよ」
 スザクの言葉に苦笑しながらも、ナオトはキッパリと言い切った。
「はい。お願いします」
「だから、俺を無視して話を進めるな!」
 ムーっとルルーシュが拗ねていると、
「帰ろうか、ルルーシュ」
 差し出されたのは、ナオトの大きな手。
 同じ男なのに、ナオトの手はルルーシュよりも大きい。
「はい」
 子ども扱いだと思いながらも、一緒に帰れるのが嬉しくて、ナオトの大きな手を掴んだ。
「じゃあね、ルルーシュ。ナオトさんもルルーシュの事を頼みます」
 前半はスザクに、後半はナオトに向かって言う。
「分かった。頼まれなくても守るから大丈夫だよ」
「それじゃ」
 それだけ言うと、スザクは走って帰ってしまった。
 向かう先は軍の寮なのだろう。
 少しだけ寂しく思いながらも、ルルーシュはナオトと共に家路に着くのだった。

 



☆まったりとした雰囲気が大好きなんですけど、伝わっているか心配です。
この話に出てくる人は、みんなルルーシュが大好きです。
そして、とうとうナオト兄さんが出てきました。
もうそろそろ本編から離れようかと考え中。
 

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