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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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反逆の狼煙

★オデュッセウスさんとギネヴィアさんがルルの味方でシュナイゼルさんフルボッコな話。
だけど、ルルーシュは出てきません。




反逆の狼煙





「本当におろかな子」
 ギネヴィアの言葉は誰の耳にも届かない。
 いや、一人だけ聞きとがめた者がいた。
「おや、それば誰のことだい」
「あら、お久しぶりですわ」
 うふふと笑いながら、ギネヴィアは兄の為に新しいお茶を出した。
「おやおや、手ずから入れれくれるとは嬉しいね」
「だって、オデュッセウスお兄様は特別ですもの」
 あの子の次に。
 そんな言葉がオデュッセウスにも聞こえたが、それは自分も同じなのだ。
 愛しい愛しい子。
「あの子が困っているらしい」
「ええ、知っていますわ」
 自分の手の者が報告してくれる。
 もっとも、オデュッセウスの方も同じだろう。
「シュナイゼルも困った子だ」
 あの子の敵にならないなら生かしておいても良かったのだが、あの子の敵として立ちはだかってしまった。
「本当にね。ココで生きていたいなら牙を出してはいけないのに」
 なによりも、大切なあの子を傷付けた。
 それだけで万死に値する。
「それでね、悪い子にはお仕置きをしようと思うのだが」
 君はどうする?
 そんな言葉が続いてきそうだ。
「あら、私を誘ってくださるの?」
 珍しい。
 何時もならば勝手に1人でするのに。
「勿論だよ。君を誘わないと怖いからね」
 はははと笑うオデュッセウスだが、その目は笑っていない。
「嬉しいですわ。そうね、シュナイゼルは間違えた」
 ルルーシュの後ろ盾がアッシュフォードと黒の騎士団の2つとしか思っていないのだ。
「私や君がルルーシュの味方だとは微塵も思っていないのだろうね」
「うふふふ、そうですね。だってあの子・・ルルーシュすら知らない事ですもの」
 それは仕方がないことだろう。
 オデュッセウスやギネヴィアが初めてルルーシュを見たのは、生まれたばかりの時だった。
 一瞬で虜になったのは2人とも同じ。
 そして、陰謀渦巻く中で幼子を守るために、2人は決してルルーシュに近付かないという選択肢を選んだ。
 もっとも、手の者を使って近状を報告させたり写真を取らせたりしていたが。
「シュナイゼルも、もっと頭の良い子だと思っていたのだが残念だよ」
「そうね。もう少し頭が良ければ長生きできたのに」
 私たちを怒らせた者に容赦はしない。
「さて、お茶を飲み終わったことだし行こうか」
「はい。お兄様」
 向かうはシュナイゼルの元。
 愛しいルルーシュを傷付けた愚かな男の元へ。


「久しぶりだねシュナイゼル」
「オデュッセウス兄上?」
「ああ、中華以来かな?」
「そうですね。今回は、どうしたんですか?」
 余り表に出ることのない兄。
 その傍らには、殆ど表に出たことのないギネヴィア姉上を伴っている。
「いやね。『弟』の手助けがしたくてね」
 ダメだったかい?
 困った顔をして喋っている姿は兄なのに、なぜか大きな違和感を感じた。
「うふふふ。お兄様ったら」
 背後に控えているギネヴィアも同じだ。
 姿形は姉なのに、まとう雰囲気が何時もと違う。
「ギネヴィア姉上も、どういったご用件ですか?」
 決して外へ出ない皇女として有名なのに、ここはエリア11だ。
 この姉の散歩コースではない。
「兄上と同じよ。困っている『弟』を助けたいの」
 愁傷な言葉だが、シュナイゼルには空しく聞こえる。
 この2人が兄妹の為といって行動を起こすことが考えられない。
「それは、ありがとうございますと言えば良いのでしょうか」
 本能が警戒するままに言えば、
「いいや。君にはお礼を言われないと思うよ」
 オデュッセウスがそう言えば、室内にいた部下達が一斉にシュナイゼルに銃を向けた。
「なに!」
 これは!
「あら、お兄様は部下達でしたの。私は・・・」
 そこまで言うとギネヴィアは、シュナイゼルの背後にいた者に微笑みかけた。
「いらっしゃい、カノン」
「イエス、ユア ハイネス」
 その言葉と共に、カノンはシュナイゼルから離れていく。
「カノン!」
「申し訳ありません。ですが、私はお仕えするお方は生涯ギネヴィア様お1人」
「うふふふ。この子は元々私の手の者よ。残念だったわねシュナイゼル」
「姉上!」
「この兵士たちは私の物だよ」
「兄上!」
「哀れだね」
「元々、貴方の持ち物なんか無かったのよ」
「君が大人しくしていてくれれば、皇帝の座くらいあげても良かったんだよ」
「私たちには興味が無かったから」
 鬱陶しい手を逃れるために凡人の振りをしていたのに。
「だけど君は」
「「ルルーシュを傷付けた」」
 ハモった声は、どこまでも真剣でシュナイゼルを貫く鋭さがあった。
「それが理由ですか?」
 ルルーシュを傷付けた。
 それだけの事で?
「そうだよ」
「そうよ」
 自分達には。それ以外の理由などいらないのだ。
「たったそれだけのことでか!」
 そんな理由で自分の計画が崩れるのか!
「それだけで十分だからだよ」
「貴方には分からないでしょうけどね」
 私達には、それで十分なのだ。
「さようなら、シュナイゼル」
「私達の『弟』はルルーシュただ1人なのよ」
 他はいらない。
 特に、ルルーシュを傷付ける存在なんて認めない。


 その時になって初めてシュナイゼルは、この兄と姉が狂っていたことに気が付いた。
 当たり前のように過してきたのに、今まで一度も気が付けなかった自分の愚かさを呪う。
 ああ、ブリタニアに穢れていないものなど居ない。
 いや、一人だけいた。
 ルルーシュ。
 手を血に染めても、尚も輝き続ける弟。
 だから、この兄と姉は全力で守るのだろう。
 たった一つの綺麗な宝石を。 
 



★やってしまいました。
とうとうオデュッセウス兄様まで黒くしてしまいました。
という訳で伊月の中では、ロイヤルファミリーで白いのはルルだけです。

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