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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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手紙 3

 それから1年。
 カレンとスザクは無事に訓練所を卒業する事ができた。
 それも、カレンに至ってはトップの成績だ。
「凄いよね」
 代表として挨拶姿は堂々としていた。
「それ、嫌味?」
 確かにトップでの卒業だが、それは総合成績の結果なのだ。
 実技において、カレンがスザクに勝った事は一度もない。
「え~。褒めてるのに」
「アンタに褒められても嬉しくない。ったく、学力面で人並みの成績さえ取れれば、スザクがトップよ」
 地を這う学力が、突起していた実技の足を引っ張ったのだ。
「う~ん。それが難しいんだよね」
 あはははと笑うスザクに、カレンは呆れるしかない。
 だが、
「これで名誉ブリタニア人よ」
「うん」
「やっとスタートラインに立てた」
 そう、ココはまだスタートラインでしかない。
 この先に待ち受けているのは、もっと過酷な現実だろう。
 それでも、兄の夢を叶えるのだ。
「頑張ろうね」
「ええ、勿論よ」
 絶対に叶えてみせる。
 そして願わくば、兄の恋人だった皇女様に会ってみたい。
 兄が選んだ人なのだ、絶対に嫌な人ではないはずだ。
 

 全ては、まだスタートライン。
 

 訓練所を出たばかりの新人は、本来なら戦場に送られる。
 実践の訓練には持って来いだからだ。
 そこで生き残ってこそ、初めて役に立つと印象付けられるのだ。
 だが、スザクとカレンには別の任務が言い渡された。
「は?皇女様の護衛ですか?」
 カレンの戸惑った声に、スザクも頷いて聞いていた。
 本来なら、皇女様の護衛は騎士か生粋のブリタニア軍人のエリートと呼ばれる者達が勤めるはずだ。
 それを、訓練所を出たばかりのペーペーにやらせるなど聞いた事がない。
「なぜ、自分達のなのですか?」
 それなのに、なぜ自分達が指名されたのだろう?
「お前達が、皇女殿下と同じ年だからだ」
「はぁ」
 理由になるのか?
「殿下は、見聞を広めたいと仰られて、護衛には該当エリアの者を使われたいそうだ」
「それで、自分達ですか?」
 それでも、新人を使うのはマイナスなような。
「そうだ、該当エリアの、それも自分と年の近い者というのが殿下の希望だ」
「あ!それで、自分達ですか」
 同じ年。
 それは、問題の皇女殿下が17歳という事だろう。
 17でエリアの総督。
 自分達の最終目標に、17歳の少女が就く。
 羨ましいのだろうか、それとも妬ましいのか。
 複雑な心境だ。
 カレンがソッと隣を見れば、スザクの表情も冴えない。
 気持ちは同じなのだろう。
「そうだ。皇女殿下は、明日にはエリア11にお着きになる」
「「明日!?」」
 それは急ではないだろうか?
「予定では来週だったのだが、諸事情により早まった」
「それでも、今日で明日というのは」
「急すぎます」
 もう少し余裕が欲しい。
 いくらなんでも急すぎだ。
「それは分かっているのだが、これも仕事だと思って諦めろ。お前達の護衛の件は決定事項だ」
「「はぁ」」
「明日からは頼むぞ」
「「・・・・・・」」
 やっぱり複雑だ。
「ああ、言い忘れていたが。殿下の護衛が下っ端というのは外聞が悪い。お前達は新人だが、異例として少佐相当の地位が付く」
「「え!」」
 少佐って、兄の最終経歴だ。
 それを皇族の護衛と言うだけで貰えてしまう。
 余計に複雑な心境だった。





☆次で漸くルルーシュが出ます。
お待たせしました。
 
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