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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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俺が見つけた宝物

☆帝光時代捏造 
まだ一年なので、誰もレギュラーになっていない頃の話の捏造。
未来の帝光キャプテン(キセキ)が黒子を見出す話。








 ようやく体が帝光の練習に慣れた頃、基礎練習が終わればミニゲームをやる事が多くなった。
 チームメイトは自由に決められたので、ごぞって強い人間の下に人が集まっていく。
 そのせいか、自分から声を掛けなくても何時だってメンバーは俺の回りに集まっていた。
 変わり映えのないメンバーに嫌気が差していたのも理由の一つだったかもしれないが、それ以上に同情からだろう。
 帝光の1年の中でも、黒子の下手さは際立っていた。いや、強いと有名な帝光のバスケ部に下手な人間が入るほうが稀なのだ。
 初心者ですら、運動神経に自信のある者達だ殆どだった。
 経験者の(小学校の時から続けていたらしい)くせに、ここまで下手なのはどうしようもなかった。
 だからこそ、ミニゲームの際は誰にも声を掛けられる事無くポツンと佇んでいた黒子。
「俺のチームに加わるか?」
 同情から掛けた言葉。
 いつもチームを組んでいるヤツラが、嫌そうな顔をしているのも目に入ったが、それ以上に自分の腕に自信があったから構わなかった。
 下手な黒子が入ったとしても、その分自分が点を取れば良いだけの話なのだから。
「どうする?」
 上からの言い方になってしまうのは仕方がないだろう。
 その時の俺は、それだけの自信があり、黒子に声を掛けたのは同情からだったのだから。
「お願いします」
 ペコリと下げられた小さな頭。
 断られるとは思ってなかったが(バスケ部に入ったのだから、バスケは好きなのだろう。だったら見ているよりも、ミニゲームに加わりたいはずだ)ここまで素直に頭を下げられてしまうと、戸惑ってしまう。
「お、おう。俺がいるからな、負けはしないぜ」
 今まで意識した事がなかったが、黒子の瞳は凡庸としているのだが綺麗だ。
 その綺麗な瞳が、俺だけを見詰めている。
 少しだけ嬉しくなりながらも、照れ隠しのように語尾が荒くなってしまった。
 
 
 そして始まるミニゲーム。
 元々俺がいるのだから負けはしない。
 だが、
「え?」
 まただ。
 気が付いたら、ボールが手の中にある。
 考える間もなく、ショートを放つ。
 欲しい時に、欲しいタイミングでボールが手の中にやってくる。
 そんな感覚だった。
 周りを見回せば、他のチームメイトも同じようだ。
 戸惑いながらも、絶妙なタイミングで来るパスによってシュートを放っている。
「何が起こっているんだ?」 
 確かに、今日の相手は余裕で勝てる相手だったが、ここまで点差の開くような相手ではないはずだった。
 終わってみれば、俺達の圧倒的な勝利。
「凄いな。流石だよ」
 ここまで圧倒的な強さを見せ付けられては、相手チームも怨むよりも感心しているようだ。
 元々は同じバスケ部の一員なのだからそうだろうが、それにしても、
「おかしいだろう」
 俺の呟きは誰にも届かない。
 そして、いつもと違う要素を考えてみれば、それは黒子しか思い至らなかった。
 バスケが下手で、ミニゲームからは声が掛からなかった黒子。
 そんな黒子が入っただけで、ここまで変わるものだろうか?
 
 
 その理由が知りたくて、翌日も黒子に声を掛けた。
 昨日と同じように、綺麗な瞳が俺を見詰める。
「お願いします」
 ここまでは、昨日と同じ。
 だが、相手が昨日とは違う。
 最近同じ一年でありながらも頭角を見せ始めてきたヤツラが俺を含めて4人ほどいた。1年ながらにベンチ入りは確実だと噂されているメンバーだ。
 今日の対戦相手には、その中の一人である緑間がいる。
 何時だって苦戦する相手だ。
 だが今日は、見極めるための駒になってもらうぞ!
 
 
 その試合も、ワンサイドゲームになった。
「何なのだよ、これは?」
 今までには考えられなかった点差。
 いつだって緑間とは均衡したゲームになっていたのだから、信じられないのだろう。
 唖然とした顔で、スコアボードを見詰めている。
「どうだ?凄いだろう」
 フフーンと得意げになってしまうのは仕方がない。
 だって、本当に気持ちが良い。
「ありえないのだよ」
 こんなに点差が出るような内容ではなかった。
 それは、緑間だって分かっていいる。
「俺が最初に見つけたんだ」
 ゲームの途中で、やっと気が付いた。
 気が付いて、認めてしまえば後は楽だった。
「何が言いたいのだ?」
「アレは、俺が見つけた宝物だ」
「アレ?」
 何の事なのだと緑間が不思議がっているが、知った事じゃない。
 
 
 1年の中で頭角を現してきたのが4人。そして黒子を入れて5人。
 帝光で天下を取るには十分な人数だ。
「さて、下克上の始まりだ」
 俺の見つけた宝物は最強だぜ。



☆書いちゃった。
帝光キャプテン×黒子大好きです。
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