諦めが肝心
黒子とギアスがメインかな?
[317] [316] [315] [314] [313] [312] [311] [310] [309] [308] [307]
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ピンクのリボン
「おは朝のラッキーアイテムだ」
ズイっと渡されたのはピンクのリボン。
「何で僕が緑間君のラッキーアイテムを貰わないといけないんですか?」
ラッキーアイテムは、本人が持つからこそ意味があるものだろう。
「バカ者め。これはオマエのラッキーアイテムだ」
「はあ?自分の所だけじゃなくて、僕の所まで見てるんですか?というか、もしかしてキセキ全員分をチェックしてるとか?」
そんなに暇なんですか?
朝の貴重な時間を、無駄な事に費やしているように思う。
「まさか、そんなはずないのだよ。見ているのは、オレとオマエの分だけなのだよ」
「え?」
普段から相性が悪いと言われ続けられているので、その言葉は意外だった。
「黄瀬が」
「黄瀬君?」
最近入った新人。
2年という中途半端な時期に入ってきたにも関わらず、メキメキと頭角を現している。
「アイツが言ったのだ」
「何て言っていたんですか?」
というか、ナゼに黄瀬君?
「・・・・・・・・・・」
「緑間君?」
黙ってしまった緑間に、黒子はどう対応していいのか分からない。
『黒子っちて、可愛いっスね』
なぜソレを緑間に言うのか分からないが、黄瀬の目は真剣だ。
『いきなり何なんだ』
いかにも不愉快といった態度だが、緑間の目が揺れているのを黄瀬は見逃さなかった。
『本気になりそうなんスよ』
本気になってもイイっスか?
真剣に向けられる目。
『なぜオレに言うのか分からないのだよ』
動揺をひた隠して、緑間は言う。
『へえぇ。分からないんっスか?だったら、オレが貰っても文句は聞かないっスよ』
だって、初めて見つけた本気になれる相手なのだ。
黄瀬だとて引きたくない。
『・・・・・ダメなのだよ』
黄瀬の本気を感じたのだろう。無意識に言葉が出てきてしまった。
『我が侭っスね』
『それでもだ』
『分かったっス。じゃあ、一週間だけ待つっス。それ以降は本気で落としに掛かりますから』
手加減はしない。
黄瀬の目が訴えていた。
それが3日前の事。
それから3日間は色々と考えた。
その結果が、おは朝のラッキーアイテムだったのだが、黒子的には不評のようだ。
ならば次からはどうすれば良いのか考えても、何も浮かんでこない。
「緑間君」
さて困ったと表情に出す事無く緑間が考えていると、
「何だ?」
助け舟は黒子の方からでてきた。
「このリボンは、どうすれば良いんですか?」
ラッキーアイテムに興味はないが、捨てるのは憚れる。
「リボンなんだから付ければ良い」
「付けるって、このリボンをですか?」
手渡されたリボンは、ピンクのリボン。
中学男子が付けるには可愛いらしい。
「そうだ、似合うと思うぞ」
ピンクのリボンが似合うというのも問題かもしれないが、本当に似合いそうだった。
「嫌なんですけど」
こんなリボンが似合うと言われても嬉しくない。
「結んでやろう」
嫌そうにリボンを見詰めている黒子の手から、リボンを奪うと器用に髪に結びつけた。
水色の髪にピンクのリボンが映える。
「え?ちょ、ちょっと。何で髪に結ぶんですか!」
ポケットの中に入れておくつもりだったのに。というか、手首とか足首とか目立たない所に結べば良いものを、何で髪!
「似合いそうだと思ったからだ」
「似合いませんて!」
慌てて取ろうとする黒子の両手を掴むと、
「似合っている」
真顔で緑間は言い切った。
その言葉に、黒子の顔が真っ赤になる。
「なっ!何を言っているんですか!」
「なっ!何を言っているんですか!」
「だから、取るな」
こんなに似合っているのだから、取って欲しくない。
「君が……君が言うのなら取りません。でも、ちゃんと責任を取ってくださいね」
「ああ、喜んで責任をとろう」
緑間は嬉しそうに微笑んだ。
☆黒子的には笑いものになった時の責任を取ってもらうつもりで言ったのですが、緑間は男として責任を取るつもりで言っています。
ここから、イケイケな緑間が降臨するんです。
ここから、イケイケな緑間が降臨するんです。
PR
カウンター
プロフィール
HN:
伊月 優
性別:
女性
検索避け