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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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小鳥たちのペット(番外編)

「グルルル」
 ガブ。
 不吉な唸り声と共に、聞こえてきた擬音。
「うっ」
 その後に聞こえてきた、息を呑む声。
 その声にエリア11の政庁に詰める官僚達は、何が起きたのか察してしまった。
『『『『『またか』』』』』
 そっと振り返れば、そこには予想通りの光景。
 総督・副総督の補佐であり、ラウンズの一員でもあるスザクのお尻に、小さな小動物が噛み付いている。
 スザクに噛み付いている小動物は、総督・副総督である、ゼロとルルーシュが飼っているロロという名の小型犬だ。
 とても愛らしい外見をしており、ゼロとルルーシュの言う事しか聞かないロロは、ご主人達の前では大人しい良い子だ。
 だが、一度でも主人達の気分を害する者がいようものなら、その牙で制裁を加えるような凶暴な一面を持っている。
 だが、主人達に無害な人物には一切吠えたり噛み付いたりしない、というか無視されるだけなのだが。
 そんなロロなのだが、唯一の例外がスザクだ。
 見た瞬間に唸り声を上げて噛み付く。
 一瞬でも隙を見せた瞬間に噛み付く。
 だが、ゼロとルルーシュが居る前では絶対に噛み付かないので、どんなにスザクが飼い主たる双子に苦情を言っても信じて貰えない。
「この駄犬が」
忌々しい。
お尻を振って振りほどこうとしても、真剣に噛み付いているロロは離れない。
いっそ無理やりにでも引き離そうと思ったのだが、以前にそれをやった時、運悪く怪我をさせてしまい、ルルーシュに本気で怒られた。
 怪我としてはスザクのお尻のほうが酷いのだが、直接見せる訳にもいかないので困っている。
「ぐるるるぅ」
 噛み付きながらも威嚇声を上げる勇ましい姿。
 一見、愛玩動物並み(というか、完璧に愛玩動物だろう)の外見なのに、その根性はすばらしい。
 毎度の事ながら、周りで見ている官僚達も密かに心の中で拍手を送っている。
 ゼロとルルーシュがエリア11を納めるようになって、それまで腐敗していた官僚達が一新された。
 本気で仕事に取り組む人間を重視し、やる気のない人間は切り捨てる。
 二人の就任以降、エリア内で起こるテロの件数も格段に減った。
 それは、実力重視の二人が、ブリタニア人やイレブンという垣根を壊し、積極的に意見を取り入れているからだ。
 お陰で、急速にエリア内の生活水準が向上している。
 今では誰もゼロとルルーシュの悪口や、皇族だからという侮蔑の意見を言うものはいない。
 だが、そんなゼロとルルーシュだが、唯一の例外はスザクだった。
 事あるごとに二人というか、主にゼロを批判する。
 政庁の中でも、人気のあるゼロとルルーシュを非難する事で、スザクは一部のゼロ&ルルーシュのファン達に嫌われている。
 だからこそ、ロロの活躍はゼロ&ルルーシュのファン達の間では歓迎されているのだ。
 

 そして今日も、スザクに噛み付くロロを暖かく見詰めている官僚達であった。

 

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