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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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悪逆皇帝

 思わぬ協力者が現れた結果、ルルーシュは意に反して皇帝という椅子に座る羽目になった。
 自分が目指したのはブリタニアの打倒であって、皇帝の椅子など欲しくはなかったのに、舌先三寸で丸め込まれた結果、誰にも恥じない統治者となってしまった。
「なぜだ!」
 ルルーシュの叫びは、既に日常と化していた。
「煩いぞ」
 皇帝のベットでありながらも、C.C.は当たり前のように寝そべっている。
「魔女!お前は自分の部屋に戻れ!」
 ルルーシュが皇帝になった時に、C.C.には個別の部屋を与えている。
「一人寝が寂しい童貞君の為に居てやるんだ、感謝される事はあっても怒鳴られる筋合いはないぞ」
 ニヤリと笑う魔女に、ルルーシュの米神がピクピクと引き攣っていく。
「お、お前という女は、常識を知れ!」
「ほお、常識とは107人もの妻を娶る男の事か?」
「黙れ魔女!」
 その言葉はルルーシュにとっては禁句に近い。
 なぜなら、それはブリタニア前皇帝の事ではなく、現皇帝の事だからだ。
「おやおや、外まで聞こえてきたよルルーシュ」
 皇帝であるルルーシュの部屋に、ノックもなく入って来られる人間など、魔女を抜かせば一人しか居ない。
「全部兄上のせいです!」
 現れたのは、諸悪の根源でもあり、自分が唯一叶わないと痛感した人物でもあり、否定したいが半分とはいえ血の繋がった兄、シュナイゼルだった。
 ルルーシュがキッと睨み付けているのにも関わらず、シュナイゼルには全く通じていない。
「そんな怖い顔をしては、108人の奥さんに逃げられてしまうよ」
 ははははと、面白そうに笑う兄に、ルルーシュの血管は切れそうになるが、その言葉に違和感があった。
「108人?」
 おかしい。
 自分の記憶が正しければ、昨日までは107人だったはずだ。
「そうだよ、108人だよ」
 ニッコリと悪意のない笑顔。
 だが、ルルーシュには悪意の塊に見える。
「ほお、また増えたのか。どこまで増えるか楽しみだな」
 ニヤニヤと笑いながらC.C.は面白そうに目を細めている。
「あ、兄上がそうやって来る女性を拒まずに迎え入れるから、他国の人間に俺がどんな風に言われているのか知っていますか?」
 この男が、全ての始まりであった。
 
 
 皇帝に改竄された記憶の中、普通の一介の高校生として過していたルルーシュの前に現れたのは、ブリタニアの宰相であるシュナイゼル。
 余りの出来事に目を見開いていたルルーシュに、シュナイゼルは言い切ったのだ。
「ようやく見つけ出したよ、可愛い私のルルーシュ。さあ、縦ロールを追い出して君が皇帝になるんだ。これは君の運命だよ。そして、宿命でもある」
 ニッコリと、雲の上の人物から言われた事に、ルルーシュは付いていくことができなかった。
 なにせ、当時は前皇帝の完璧なる記憶の改竄のため自分の事を、ただの高校生だと信じ込んでいたのだ。
 自分の事を一市民と信じて疑わなかったルルーシュは、皇族であるシュナイゼルに逆らう事が出来ないまま舌先三寸で丸め込まれて、気が付いたら皇帝の椅子に座らされていた。
「な、なぜ俺が?」
 気が付いたときには、既に皇帝と呼ばれていた。
 パニックに陥ってしまったルルーシュを掬ったのは、何時の間にか現れたC.C.・咲世子・ロロの3人だった。
 C.C.により以前の記憶を取り戻し、信頼していた咲世子と自分を慕ってくれるロロに宥められて落ち着いたが、その後直ぐに別の問題が浮上した。
 皇帝としてメディアに現れるルルーシュに一目惚れした有力貴族の娘が皇妃にして欲しいとシュナイゼルに直談判したのだ。
 当時、まだ記憶を取り戻していなかったルルーシュの後見人的な役割も果たしていたシュナイゼルは、その申し出を簡単に受け入れてしまった。
 その事を知った他の有力貴族の娘たちも、我先にと名乗りを上げて、ルルーシュが騙されて皇帝になり、そして本来の記憶を取り戻す短い時間の間に、45人もの皇妃が誕生していた。
 そして、その後も面白がったシュナイゼルにより皇妃の数だけは増えていっている。
 
 
「女性を誑かす『悪逆皇帝』だそうだね」
 さも愉快と言った感じでシレッと言い切った。
「知っているなら、勝手に増やさないでください!」
 気が付くと増えている自分の皇妃。
 中には、一度も会った事のない者の多数存在している。
 これほどまでに完璧に名ばかりの皇妃は後にも先にも自分一人だけだろう。
「でもね、彼女達のバックボーンは必要だからね」
 女性問題さえ抜かせば、ルルーシュは賢帝皇帝と呼ばれている。
 それは単にルルーシュが優秀という訳ではなく、皇妃達の父親である有力貴族達が自分の娘こそを第一皇妃にしたいが為に躍起になった結果、相乗効果でブリタニアは飛躍的に平和な国へと成り代わったのだ。
 他国の人間にとっては『悪逆皇帝』だが、自国の……ブリタニアの国民にとっては『賢帝』と称えられているルルーシュだった。
「だからと言って、108人は多すぎです!」
 どうしてこの人は、こうも簡単に皇妃を増やすのだろう。
 頭が痛い。
「まあまあ。深く気にしてはいけないよ。ルルーシュの悪い癖は考えすぎる事だろうね」
「兄上が考えなさ過ぎるからです!」
 この兄が考えなしに事を運ぶとは思えないが、そうとでも思わなければやっていられない。
「ふふふ、怒られてしまったかな?」
「童貞は怒りやすいな」
 底の見えない笑顔を向けているシュナイゼル。
 ニヤニヤと笑っているC.C.。
 二人の姿に、ルルーシュの中で何かが弾け飛んだ。
「出て行け!」
 綺麗な顔に殺気を漂わせているルルーシュに、二人はやり過ぎた事にシマッタと思いながらも何食わぬ顔で部屋から出て行った。
 これが、ココ最近のルルーシュの日常なのだ。
 
 
 だが、ルルーシュは知らなかった。
 C.C.が毎日ルルーシュのベットで寝るために、他の皇妃達がルルーシュの童貞を狙っていても実行に移せないという事を。





☆ちょっと消化不良です。
裏設定では、咲世子さんはルルーシュの騎士だったりします。それで、強硬手段に出ようとする皇妃達を咲世子さんが笑顔で追撃していたりします。

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