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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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決戦は日曜日

☆スザルル「ノスタルジア」のスザクサイドのお話です。

少しだけスザクが変態染みてるので、スザクが大好きという方は読まないことをお勧めします。
それでも構わないという方のみ、お読み下さい。






 スザクの幼馴染であるルルーシュは、とても綺麗だ。
 見た目もだが、内面も綺麗で神聖なオーラすら漂わせている。
 そんなルルーシュに近付きたいと願う者は後を絶たない。
 だが、ルルーシュがまともに喋る相手はスザクだけだった。
 その事に優越感を感じながらも、何も変わらない日々。


「なあ、スザク」
「何?」
 放課後になってクラスメイト達が自分の周りに集まるのは、既に恒例行事のようになっている。
 彼らが求めるものは唯一つ。
 ルルーシュとお近づきになりたいというモノだった。
 寡黙で近寄りがたいと言われいるにも関わらず、声を掛ける者達は後を絶たない。
 毎回、毎回、断られるというか、多分ルルーシュの耳にまで伝わっていない誘いの言葉。
 読書中のルルーシュに話し掛けても無駄なのに学習能力がない。
 だからこそ、クラスメイト達は僕の周りに集まる。
 寡黙手近寄りがたいが、美人でアイドルなルルーシュに近寄りたいと願って。
「ランペルージを誘ってくれ」
 ガバリと頭を下げてくるクラスメイト。
 やっぱり思った通りの展開だ。
「無理だよ」
 やんわりと断っても、血走った目のクラスメイト達は諦めない。
「頼む」
 読書中のルルーシュに話し掛けて、話を聞いてもらえるのはスザクだけだった。
「どうせ断られるよ」
 毎回、断られているのに諦めない人達だ。
「いや、今度はカラオケにした。これなら歌わなくても楽しめるはずだ!」
 力説するクラスメイトには悪いが、ルルーシュが賑やかな事が苦手だと、どうして気が付かないのだろう?
「無理だと思うよ」
「それでも頼む」
 その言葉に、やれやれと思いながらもスザクは思い腰を上げた。
 向かう先はルルーシュの元。


 読書に集中している姿は、やっぱり綺麗だ。
 学園のアイドル(本人は自覚していないが)として騒がれるのも無理はない。
 

「ルルーシュ」
 たった一言でルルーシュは本から顔を上げてくれる。
 クラスメイト達が、どんなに話し掛けても気が付かなかったのに、自分の声には反応してくれる。
 それが嬉しくししかたがない。
「なに?」
 素っ気ない言葉でも、返事があっただけで嬉しい。
 クラスメイト達には悪いが、やはりと言うかルルーシュはカラオケには行かないらしい。
 でも、日曜日のデートは覚えてくれていた。
 クラスメイト達の落胆よりも、スザクにとっては日曜日のデートの方が大切であった。
 もっとも、デートだと思っているのはスザクだけだろう。
 ルルーシュは単に一緒に映画を見るという事ぐらいしか思っていないだろう。
 それでも良かった。
 少しでも一緒に居られる時間が増えるのだから。
 

 それだけで満足しないと。
 そう思いつつも、今回のデートでは、もう一歩だけ進めたいと思っていた。
 決戦は日曜日だ。


 日曜日は見事な晴天。
 絶好のデート日和だった。
 待ち合わせ時間よりも早く着いたスザクは、木の陰からルルーシュの事を見詰めていた。
 いつも待ち合わせ時間よりも20分近く前から待っていてくれるルルーシュ。
 自分を待っているルルーシュの姿を見るのが、スザクは何よりも好きだった。
 単行本を見ているようで、チラチラと腕時計を気にしている。
 そのギャップが可愛らしい。
 だが、見詰めている内に待ち合わせの時間が近付いてくる。
 ルルーシュに対して真剣なスザクは、遅刻(下手をすると、ルルーシュよりも前に来ているが)をして嫌われたくない。
 タイミングを見計らうと、木の陰から何気なくルルーシュに近付く。
「待った?」
 時間は若干早いが、不自然にならない程度にしなくてはならない。
 気が付かれたら変態と言われても仕方がない事をしているのだから。
「いや、大丈夫だ」
 ルルーシュは開いていた文庫本を閉じた。
「良かった。今日の映画だけど、本当に僕が見たかったヤツで良いの?」
 別に映画などデートの口実でしかない。
 特別に見たかった訳ではないのだ。
 ルルーシュと待ち合わせして出掛ける。
 好きな相手とのデートを楽しみたいだけなのだ。
「スザクが見たいヤツで良い」
 ぶっきら棒な言い方だが、目元が少し赤い。
 照れているのだろう。
 こんな風に照れているルルーシュは、壮絶に可愛らしい。
 普段は綺麗という言葉がピッタリなのに、こんな時は可愛らしくて仕方がない。
「ありがとう」
 こんなに可愛らしいルルーシュを見れたことへの喜び。
「あ、ああ」
 戸惑っているのだろう声も可愛らしくスザクには聞こえる。
「行こう」
 スザクは強引に(普通に手を出してもルルーシュは気付かないから)ルルーシュの手を掴むと、映画館のある方へ歩き出した。
「//////スザク、その、手を//////」
 真っ赤になって慌てているルルーシュの破壊力は想像以上だった。
 マジでヤバイって。
「//////ルルーシュは迷子になりやすいから。このまま行くよ//////」
 ルルーシュに釣られる様に、スザクの顔も赤くなっていく。
 うわぁぁ。
 ルルーシュってば、可愛らし過ぎるよ。
 どうしよう、心臓がバクバクしてる。
「う、うん」
 素直に頷いてくれたルルーシュにホッとしていると、スザクの手を握り返してくれた。
「え?ルルーシュ?」
「//////ま、迷子になったら困るから。その//////」
 真っ赤になりながら上目遣いで見上げる顔は、凶悪に可愛らしい。
「//////そうだね//////」
 参った。
 降参だ。
 余りの嬉しさに、スザクは微笑んでいた。


 これはもう、絶対に!今日中に落とす!!
 決意も新たに、スザクは今日の予定を組み立てていった。
 

 翌日から、ルルーシュの傍から離れないスザクが学園の話題となった。
 嬉しそうに笑い合う二人の姿に、多くの学生達が涙を流したのだった。
 そして、涙を流す学生達に、勝利の笑みを浮かべる男が居た。





☆ノスタルジアが、一昔前の少女マンガを意識したのに対して、この話は今風の感じかな?
ほぼ同じセリフを使っているので、読み比べたら楽しいかも。
ノスタルジアはスザルルのリハビリに対して、この話は伊月の趣味が丸出しです。
こんな感じのスザクが大好きなんです。
   

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