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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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禁断のリンゴ【後編】

「早く起きろ」
 眠り姫だって、キスで起きたんだぞ。
 呟けば、ルルーシュの瞳が僅かに開いた。
「・・・・・・」
「起きたか」
 ぶっきら棒な言い方だが、言葉に嬉しさが滲み出ている。
「・・・・・・なぜ」
 それは、何に対しての疑問だろう。
「生きているからだ」
 簡素な説明。
 だが、その言葉にルルーシュの顔が歪む。
「失敗したのか」
 呟きは絶望が滲み出ている。
 自分が生きていた=ゼロレクイエムが失敗したと思ったのだろう。
「まさか、成功したさ。だからココには、私とお前しかいない」
「だが、俺が生きている。成功したとはいえない」
 生きていてはダメなのだ。
 自分が死ぬからこそ、ゼロレクイエムは成功するのに。
「お前が生きている事は、誰も知らない。お前の騎士は勿論、オレンジだって知らない。知っているのは私だけだ」
 ニヤリと笑うC.C.に、初めてルルーシュが驚きの顔をみせた。
「お前だけだというのか?」
 他には誰も知らない?
 まさか?
 自分に何が起こったのだ?
「そうだ、私だけだ。他の誰も知らないし、知らせるつもりもない」
 これでお前は、私だけのモノ。
 暗い優越がC.C.を満たしていく。
「お前のコードなのか?」
 あの傷で、誰も知られる事なく生きているとなれば、それはコードを引きついたからだろう。
 だったら、C.C.のコードが自分に移ったのだろうか?
「違う。私のコードは私が所有している。お前のはシャルルのコードだ」
「まさか!」
 そんなはずはない。
 懸命に否定するが、否定材料が足りない。
「事実だ。これで私達は本当の意味での運命共同体だ」
 お互いにコードを持っているのだ。
 死ぬ事なく、二人で生きていくしかない。
 なんと甘美な事だろう。
「お前とか。嫌だな」
 嫌そうな顔をしているルルーシュが愛おしい。
「諦めろ。どうせお前は、ギアス能力者を作る気はないのだろう?」
「ああ」
「だったら、一生私の傍にいろ。それに、約束だって叶えてもらっていないぞ」
「そうだな。どうせ・・・」
 自分は死んだ身なのだからな。
 ルルーシュの呟きはC.C.にも聞こえた。
 だが、あえて聞こえない振りをすると。
「なあ、ルルーシュ」
「何だ?」
「初めから、これが運命だったのかもな」
 自嘲気味に呟くC.C.に、ルルーシュの眉間に皺がよった。
「お前が運命論者だとは知らなかったぞ」
「私も初めて知ったからな」
「はぁ?」
「だが、私の前のコード保有者は女だった。そして、V.V.の前の保有者は男だ。それから来る結論など一つしかないだろう」
「コード保有者がアダムとイブだとでも言いたげだな」
「案外、そうかもな」
 ニヤリと目を細めるC.C.。
「謹んで遠慮するぞ。誰がピザ女を抱けるか!」
 真っ赤になって叫んでいるルルーシュ。
「安心しろ、私が抱いてやる」
「な、なんて、破廉恥な!」
 女の台詞ではない。
 喚いているルルーシュを尻目に、C.C.はいたくご機嫌だ。
「お前は私のモノだ。だが、私はお前のモノじゃない」
「勝手だな」
 酷く勝手な言い分だ。
 だが、
「私はC.C.だからな」
 ニヤリ。
 不適な笑みは、自分よりもC.C.の方が似合っているかもしれない。
「そうだな」
 コイツはC.C.だ。
 我侭なピザ女で、自分の運命共同体。
 それで良いのかもしれない。
「時間だけは腐るほどあるんだ」
「確かにな」
 コードの保有者に死はない。
「行くぞ、ルルーシュ」
 行き先など言わない。
 だって、予定は未定なのだから。
「ああ」
 ルルーシュも、あえて行き先は聞かない。
 聞いても無駄だと分かっているから。
 
 
 お互いに分かっている事は、自分達の時間は永遠にあるという事だけ。




☆久々のノーマルカプを書いたような気がします。
強気なC様は大好きです。

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