忍者ブログ

諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

[300]  [192]  [299]  [298]  [297]  [296]  [295]  [294]  [293]  [292]  [291

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

姫君の反逆【後編】

☆くどいようですが、ゼロルルのつもりで書いています。




「俺たち皆の意見に決まっている」
「そうか、藤堂や扇も同じ意見なのだな?」
 それまで話に入らなかった二人にも話を振った。
「・・・・・・そうだな」
「当たり前だ」
 二人の言葉を聞くと、蜃気楼の中でクスクスとルルーシュは笑っていた。
「最後に、もう一度問う。ゼロがブリタニア人だった事が、そんなに許せないか?」
「当たり前だ!」
「結構。ではゼロは貰っていく。ゼロを売って日本を取り戻そうとしているヤツラに渡す訳にはいかないからな」
「なぜそれを?」
 扇の言葉が、団員たちにも聞こえてしまった。
 彼らはただ、ゼロが裏切ったから始末するとしか聞いていなかった。
 だから、玉城と謎の人物との会話で動揺していた。裏切りの理由が、ブリタニア人だったという事までは聞かされていない。
 そして、まさかブリタニア人だったからだけで殺そうとしているなんて思ってもみなかった。
 だからこそ動揺していたのに、止めのように扇の言葉が聞こえてしまった。
 ゼロを売るというのか?
 確かに正体不明という点では不安であった。
 でも、それ以上に成果を出していてくれたから納得して付いていくことができたのに。それなのに、ただブリタニア人だったから裏切り者として排除するというのだろうか?
 ブリタニア人だったからこそ正体を隠すなんて子供だって思いつくのに、なぜそれで幹部たちはゼロを裏切り者だというのだろう?
 ブリタニア人だからゼロを売って良いとでも言うのだろうか?それこそ、幹部たちの方が裏切り者ではないのか?
 そう感じてしまった団員達は、一人また一人と銃を下ろしていく。
「おい!お前等何してるんだ!」
 玉城の怒鳴り声も聞こえないかのように、銃を下ろしていくものが後を絶たない。
「終わったな」
『何だと!」
「これは黒の騎士団の総意ではなく、幹部たちの独断偏見に満ちた処刑だったことが分かったのだろう」
「何言ってやがる」
 俺たちは、ソイツに騙されたから。
 まだ何か怒鳴り散らしているようだが、もうどうでも良かった。
 必要な映像と音声は確保したのだから。
 ニヤリとルルーシュは笑うと、ロロに合図した。
「うん。分かったよ兄さん」
 ゼロとルルーシュを本気で慕う少年は、ヴィンセントの中でニッコリと笑うと脱出経路を確保した。
「逃げるぞゼロ」
 ルルーシュがゼロに言えば、ゼロは無言で頷いている。
 ここで嫌だと言えば、ルルーシュが危険な目に遭うのが分かっているからだ。
「おい!待てよ!!逃がさないぞ」
 お前たちも追えよ。
 今までゼロに銃を向けていた団員たちを怒鳴り散らしても、彼らは一歩も動こうとはしなかった。
 
 
「まさかルルーシュに助けられるなんてな」
 なんとかブリタニア軍を巻いた3人は、ようやく一息付ける場所を見つけた。
「姫君に助け出されて悔しいのか?」
 クスクスと笑うルルーシュに、ゼロは肩を竦めるだけだった。
「兄さんが無事で良かった」
 ロロは嬉しそうにゼロとルルーシュを見比べている。
「そうだな。ありがとうロロ」
「兄さんが無事なら、それで良いんだ」
 嬉しそうに笑うロロを見ていると、ああこの子は本当の家族なんだと安心してしまう。
「それよりゼロ」
「なんだルルーシュ」
「黒の騎士団を切り捨てたい。構わないだろうか?」
 黒の騎士団は、ゼロが造った組織なのだ。
 自分一人の感情で潰す訳にはいかないだろう。
 もっとも、ゼロがダメだといっても止めるつもりは無いが。
「そうだな。仕方がないだろうな」
 もう、彼らは自分の駒ではない。
 駒でないのなら必要ない。
 自分に必要なのは、半身のルルーシュと新しい弟のロロだけで良い。
「ゼロを裏切った者達に、それ相応のことはしないとな」
「私も手を貸しますよ、私の姫君」
「では、手伝ってもらいましょう。俺の王子様」
 ゼロとルルーシュはお互いに見詰め合うと、クスクスと笑い出した。
 
 

 
 後日。
 世界には衝撃的な内容の映像が流れた。
 ゼロとルルーシュが本気で作り上げた映像では、ゼロがギアスを持っている事も皇子である事も出てきていない。
 ただ、ブリタニア人だからという理由でゼロを売って日本を取り戻そうとしている幹部たちの姿が克明になっているのだ。
 ゼロを売った挙句に、弁明の機会も与えることなく殺そうとしている映像は、黒の騎士団の内部ですら幹部たちに対する批判が相次いだ。
 何も知らないものたちにすれば、黒の騎士団の幹部たちこそが裏切りの象徴となる。
「こんなものだな」
 自分の映像に満足そうにしていると。
「ゼロ」
 愛しい半身の呼ぶ声が聞こえてきた。
 あの時に死ななくて良かった。死んでしまっていれば、この愛しい半身に二度と触れられなかったのだ。
「おいで、ルルーシュ」
 ゼロが呼べば、ルルーシュは嬉しそうに腕の中に飛び込んできた。
「これからは、ずっと一緒だよな?」
 心配そうなルルーシュの声に。
「勿論だ。二度と離すものか」
「ゼロ」
「ルルーシュ」
 重なり合う二人の姿は、誰にも見られることはなかった。






☆もう少し厳しい内容にしようかと思ったのですが、断念しました。
ゼロ様とルルが幸せなら良いかと満足しちゃいました。
ルルの単品だたら、もっと違ったかもしれませんが、今回はゼロ様もいたし。二人のラブで終わりたかったから。
PR

弟を増やしました HOME 姫君の反逆【前編】

カウンター

プロフィール

HN:
伊月 優
性別:
女性

活力になります

管理用

アクセス解析


ジオターゲティング

検索避け

忍者ブログ [PR]
Template by repe