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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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姫君の反逆【前編】

☆あくまでもゼロルルです。ゼロルルのつもりで書いています。




 それは偶然だった。

 ナナリーの消息に、大切な半身の事が頭から抜け落ちていたのは確かだ。

 自分がこれ程に落ち込んでいるのなら、半身たる彼も落ち込んでいるかもしれないと思い、内緒でコッソリと仕掛けておいた隠しカメラの映像で彼の様子を確かめようと思ったのだ。

 だが、その映像に映し出されたのは大切な半身の姿ではなく、そこに居るはずのない兄と姉の姿だった。

「なぜ?」

 なぜ彼等が敵対しているはずの黒の騎士団の本部の中に居るのだろう?

 それも、酷く嫌な雰囲気を醸し出している。

「ゼロは?」

 どうしたのだろう?

 なぜ、敵であるはずのシュナイゼルが居るのにゼロが居ないのだろう?

 ルルーシュは慌てて音声も聞き取ると、そこにはありえない取引がなされていた。

「ゼロを売るのか?」

 お前たちが!

 今までの事など、彼らにはどうでも良かったのだろうか?

 それほど皇族だという事実が許されないのだろうか?だったら、なぜシュナイゼルの言葉を信じるのだ。その男もまた、皇族だというのに。

 それとも、それほどまでにギアスという言葉に踊らされたか。

 敵の言葉を真に受けるほどに。

「許さない」

 誰よりも優しい半身を傷付ける者は、誰であろうと許さない。

 今まで自分やナナリーは、ゼロに守られてきた。

 一緒に戦いたかった、だが優しいゼロが悲しむのだ。

 ルルーシュは綺麗なままで居て欲しいというゼロの希望。

 だからこそ、今まで黒の騎士団の活動にはノータッチできた。

 それが、優しい半身であるゼロの一番の希望だから。

「だが、もう無理だ」

 ゼロを切り捨てた黒の騎士団。

 彼等を許す訳にはいかない。

 だがココでゼロを助け出したからといって、黒の騎士団の批判はゼロに向かうだろう。

 それは避けたい。

「ならば、自分がやるべき事は、唯一つ」

 ゼロを助け出して、彼等の罪を世界中に広げる。

 そのために、ゼロに内緒でコッソリと付けられた隠しカメラが役に立ちそうだ。

 後は、自分が上手く立ち回ればいい。

「たまには、姫君が王子を助けたって良いはずだ」

 戯れにゼロはルルーシュの事を姫君にたとえる。

 他の誰に女扱いされるのは嫌だが、ゼロだけは別だった。

 自分がゼロの姫君だと言うのであれば、ゼロは自分の王子様だ。

「王子を助ける勇敢なお姫様の物語を作ってやるさ」

 

 

 一斉に向けられた銃口。

 黒の騎士団の背後には、悠然と佇む兄と姉。

「そういうことか」

 呟きは誰にも聞こえていないだろう。

 自分は兄の戦略に陥ったのであろう。

 ならば、ココから逃げたとしても全ての駒を失うのだろう。

「すまない、ルルーシュ」

 気がかりなのは、愛しい半身の事だ。

 巻き込みたくなかったから、黒の騎士団の活動には巻き込まなかった。

 だが、自分が帰る場所はルルーシュの元だと何度も言い聞かせて納得してもらっていたのに。

 もう帰ることは出来ないだろう。

「愛していたよ、私の姫君」

 もう二度と本人には告げられないであろう言葉。

 人生の最後の言葉には相応しい。

 団員たちの指に力が入ろうとした時、大きな爆風と共に2機のナイトメアがゼロの前に立ちはだかった。

 ヴィンセントと蜃気楼。

 見覚えのある2機の機体。

 だが、ヴィンゼントはロロとして蜃気楼には誰が乗っているというのだ?

 頭に過ぎるのは、一番巻き込みたくなかった人物。

「黒の騎士団に問う」

 だが、予想通りというか蜃気楼から聞こえてきた声は自分に似た声。

 間違えるはずもない半身の声だ。

「何だよ!」

 蜃気楼から聞こえてきた声に戸惑いながらも、玉城が食って掛かる。

「なぜゼロの言葉を聴こうともしない」

 これが一方的な殺戮であるかのような言い方。

「はっ!コイツは俺達の事を騙していたんだぞ!!そんなヤツの言葉を聞いてどうする」

 フン。

 分かったかと勝ち誇ったように言い切る玉城の姿に、蜃気楼の中でルルーシュはニヤリと微笑んだ。

 上手く乗ってくれた。

「何をもって騙していたというのだ?」

「全部だ!全部騙していやがった」

「ほう、ゼロが日本人ではなかった事か。ブリタニア人というう事は、それほどにお前たちは気に入らないのか?」

「当たり前だ!」

「だが、京都はゼロがブリタニア人だということを知りながらも協力してくれていたんだぞ。勿論、ゼロの正体も知った上で協力していた。だがお前たちは違うと言うのだな」

「俺たちは、ソイツの正体を知らなかった。俺たちを裏切っていたからだ」

「正体を知らせないことが裏切りになるのか?」

「なる!」

「それは、お前個人の意見か?それとも黒の騎士団としての意見か?」

 ここが正念場だ。

 ここで上手く引き出せれば計画は完璧だ。

 今までの会話の中に、ゼロが皇族だということもギアスの事も含まれて居ない。

 ただブリタニア人だからと言うことを強調しているだけだ。





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