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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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禁断のリンゴ【前編】

「こういう事だ?」
 自分のコードをルルーシュに継がせるつもりだった。
 ゼロレクイエムは成功させるが、ルルーシュを死なせるつもりなどなかった。
 だから、夜中にコッソリと入り込んだ寝室。
 事前に仕込んだ睡眠薬により、ルルーシュは死んだように眠っている。
「ココまでは完璧だったのに」
 誤算があるとすれば、ルルーシュの体がコードを拒絶した事だろう。
「なぜだ?」
 どうして?
 このままではコイツが死んでしまう。
 死なせたくはない。
 ただ一人の共犯者だからではなく、自分が愛した一人の男として死なせたくなかったのだ。
「なにの!」
 コードが拒絶してしまった。
 これでは助けられない。
 C.C.が悔しそうに唇を噛み締めていると、その現象は起こった。
 ルルーシュの体に異変が起こったのだ。
 それは、C.C.が望んだ現象。
 だが、自分のコードは自分の中に存在する。
「ならば、これは?」
 誰のコードだ。
 そう思うものの、自分が知る限りにおいてコードは2つしかない。
 自分の物でないコードだというのであれば、それはシャルルのコードだろう。
 理由は分からないが、シャルルのコードをルルーシュが引き継いでいる。
 ならば、ゼロレクイエムが終わった後もルルーシュは生きている。
 そして、自分と共に永遠の時間を生きるのだ。
 なんと甘美な事だろう。
 ウットリとルルーシュの寝顔を見詰めながら、C.C.は自分が歓喜している事に気が付いている。
「ゼロレクイエムが終われば、お前は私のモノだ。愛しているぞ、私の魔王」
 眠るルルーシュに触れるだけの口付けをすると、C.C.は軽い足取りで寝室を後にする。
 何も知らずに眠り続けるルルーシュを起こす事無く。
 
 
 ゼロレクイエムは、ルルーシュの計画通り成功のうちに終わった。
 歓喜に沸き立つ民衆を冷めた目で見詰めながら、C.C.は傍にいたジェレミアに合図を送った。
「了解した」
 頷きながら走り出したジェレミアの向かう先、そこには力なく横たわっているルルーシュの死体がある。
 いや、正確には心臓が停止しているだけの体に過ぎない。
 その事を誰にも告げるつもりのないC.C.は、自分の計画が順調に進んでいる事に嬉しさを隠し切れない。
「失敗するなよ、オレンジ」
 期待を込めて呟きながら、民衆に背を向けるような形で歩きだす。
 向かう先は、事前に決められていた場所だ。
 そこに、ジェレミアが民衆の目から隠しながらルルーシュの体を持ち帰る事になっていた。
 ゆっくりと歩いてきたせいか、その場所に着いたときにはジャレミアが既に待っていた。
 よく見れば、ルルーシュの服装も変わっている。
 血塗られた皇帝服から、見知った普段着へと。
 それは、皇帝としてではなくルルーシュとしての死を与えたかったジェレミアの思いだったのだろう。
 だが、C.C.にとっては好都合だった。
「着替えさせたんだな」
 嬉しい誤算だったが、あくまでも表情に出す事はない。
 ここでバレてしまえば、全てが水の泡になってしまう。
「ああ、見ていられなかったからな」
 余りにも鮮やか過ぎる赤に、耐えられなかったと言うジェレミア。
「そうか」
「それよりも、貴殿はどうするつもりだ?」
 事前に聞かされていたのは、ギアスの事でルルーシュが死後も狙われる可能性がある。だから、C.C.自らがルルーシュの死体を絶対にバレない所に隠すというものだった。
「悪いが、内緒だ」
 誰にも教えない。
 そう言い切るC.C.に、ジャレミアは複雑な表情を浮かべる。
「仕方がないのだろうな」
「そうだ」
「理解しているつもりだ。ルルーシュ様の事を頼む」
 死してなお、人々の憎悪の対象になる主が不憫でならなかった。
 だからこそ、死体だけは荒らされる事のない場所で眠らせたかったのだ。
「分かっている。後は私がやるから、お前は本来の場所に戻れ」
 今は歓喜の為に気が付かないかもしれないが、ルルーシュ皇帝の側近が長時間消えている事になれば、民衆が勘ぐる可能性がある。
「分かった。くれぐれも頼んだぞ」
「分かってるさ」
 念を押して言うジェレミアに軽く笑顔で答えると、C.C.はまだ何か言いたそうなジャレミアをとっとと追い出した。
 残されたのは、C.C.と物言わぬ死体。
 いた、心臓が停止しただけの体だ。
「もう直ぐだな」
 自分の勘が正しければ、もう直ぐ復活する。
 自分だけの共犯者が。
 いや、自分の愛している男が。
「早く目を覚ませ。ルルーシュ」
 何時かの日のように、ルルーシュに触れるだけの口付けを落とすと、僅かに揺れる瞼。
 覚醒の時は近い。
 



☆Cルルなのに、ルルーシュが一言も喋ってない!
後編ではちゃんと?生きて(笑)出番があります。
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