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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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幼い誓い

☆ロイルル 騎士皇女「マイレディ」の二人の出会い編になります。ルルーシュは4~5歳位だと思います。






 幼いながらも女の子であるルルーシュは、綺麗なモノが大好きだった。
 綺麗な花や、キラキラしている装飾品。
 どれもこれも、綺麗で素敵なのだ。
 その日は、庭を飛んでいた綺麗な蝶を追いかけて、知らない場所にまで着てしまった。
 一瞬、不安に駆られたが、道端に咲いている花に目を奪われてしまった。
 それは、小さな花だった。
 初めて見る花は、小さいながらもカワイイ花。
 勿論、カワイイ物も好きなルルーシュは、その小さな花に見惚れてしまった。
「わぁぁ。カワイイの」
 小さな白い花。
「おやおや、迷子かなぁ~」
 その日、久しぶりに訪ねた友人の離宮からの帰り道、ロイドは道端にしゃがみ込んでいる小さな少女を発見してしまった。
 メンドクサイと思いつつも、この場所に来れる人間は限られている。
 皇族だろう少女を放っておいたら、後々面倒な事になるのは目に見えていた。
 それに、手入れされた花ではなく、道端の雑草を見ている姿に惹かれるものがあった。
 ならば、自分から声を掛けるしかないじゃないか。
 大きな溜息と共に掛けた声に、少女はビクリと反応して、恐る恐る振り返った。
「だ~れ?」
 舌足らずな声と共に飛び込んできたのは、至高の紫。
「!」
 これ程、鮮やかな紫を、ロイドは見たことがない。
「お兄ちゃん?だ~れ?」
 見た事もない青年。
 だが、大きく見開いた瞳は、とても綺麗だった。
 ルルーシュの好きな色だ。
「君は・・・・いや、貴女は?」
 誰ですか?
 続けたいのに、声が掠れて上手くでない。
 脳が上手く機能しないのだ。
「私?私はルルーシュだよ。お兄ちゃんは?」
 ニッコリとルルーシュが可愛らしく微笑んだ。
「な!」
 破壊的な笑顔だ。
 ロイドの中をルルーシュが埋め尽くす。
「お兄ちゃん?」
 コテンと首を傾げる姿を見て、ようやくロイドの脳に酸素が行き始めた。
「あ!申し訳ありません。自分はロイド・アスプルンドです」
 ドキドキしている。
 自分は変わり者で有名なのだ。
 こんな簡単に敬語を使うようなのは自分の柄ではない。
 なのに、この幼い皇女様には自然に出てしまう。
 これが、皇族の持つカリスマなのだろうか?
 いや、たぶんルルーシュが持つ魅力なのだ。
「ロイド?」
「はい!」
 少女が、自分の名前を呼んでくれた。
 それだけで、ロイドは嬉しくなってしまう。
「ロイドは、綺麗なの」
 うふふふと、両手を口に当てて笑う姿は見ていて微笑ましい。
「滅相もございません。ルルーシュ様の方は可愛らしいです」
 とても可愛らしい少女。
 この少女になら仕えたい。
 バカバカしいが、本気で思えるのだ。
 アスプルンド家の後継者たる自分は、皇族の騎士にはなる訳にはいかないのだ。
 だが、この少女に仕えたい。
 純粋な欲求。
 そしてロイドは、自分の欲求に忠実な男だった。
「ありがとう」
 ニッコリと笑う姿は、何度見ても可愛らしい。
 これはもう、ずっと傍で見ているしかない!
「ねぇ、ルルーシュ様~」
 内心でニヤリと笑いながら、ロイドはルルーシュに笑い掛けた。
「なぁに?」
 綺麗なロイドの綺麗な微笑み。
 ルルーシュはウットリと眺めていると。
「僕をルルーシュ様の騎士にしませんか?」
「騎士?」
 何?
 コテンと首を傾げていることから、ルルーシュは騎士について詳しく知らないのだろう。
「騎士というのは、主を傍で守る存在ですよ」
「守るの?」
「そうです。ルルーシュ様を守りたいのです」
「良いよ」
 傍にいてくれる人が増えるのは、ルルーシュも喜しい。
「ありがとうございます。ならば、ロイド・アスプルンドを騎士にすると言ってください」
「?えっと、ロイド・アスプルンドを騎士にする?」
 これで良い?
 幼い誓いは疑問系だったが、ロイドにとっては、ルルーシュが言ったという事実が重要だった。
「はい。大丈夫です。これで、ずっと一緒にいられますよ」
 契約はされた。
 後は、周囲を丸め込むだけだった。
 無駄に回転の早い頭脳が今ほど役に立つと思った事はない。
「うふふふ。ロイドと一緒」
 嬉しいと呟くルルーシュに、ロイドもニコニコと笑みを湛えている。
「はい。これからは、ずっと一緒ですよ」
 後は、周囲を丸め込むだけ。
 そんなロイドが考えたのは、皇帝陛下を巻き込むというモノだった。
 そして、見事に成功。
 初めてルルーシュを見かけた時から一週間後には、ロイドはルルーシュの騎士として知れ渡っていた。


「ロイドは綺麗だから大好きなの」
 可愛らしく笑うルルーシュに、デレデレとしながらも。
「ルルーシュ様は可愛らしくて、僕も大好きですよ」
 大人になれば、軽々しく言えない言葉も、子供であるルルーシュには関係ない。
「ロイドは、ずっとルルの事を守ってくれるの?」
 ジッと自分を見詰める瞳は、至宝の紫。
 一目で惹かれた色。
「勿論です。この命尽きるときまで、ルルーシュ様をお守り致します」
 それが、ルルーシュ様の騎士になれた自分の役目。
 誰にも譲るつもりはない。
「うふふふ。お願いします」
 嬉しそうなルルーシュに、見惚れながらも。
「イエス、ユア ハイネス」
 ロイドは、騎士としての礼を取るのだった。





☆これで出会い編は終わり。次は未来編。といっても12歳位の思春期な話が書きたいかも。
別名「自覚編」みたいな感じの話を予定しています。
 

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