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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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惚れ薬

★この話の中でルルーシュは、普通に皇族をしています。




 ブリタニアの魔女。
 諸外国の人間には、第二皇女コーネリアを指す言葉だが、皇族関係者のなかでは第一皇女ギネヴィアを指す言葉になる。
 なぜなら、第一皇女ギネヴィアの趣味が黒魔術だからだ。
 そして、唯我独尊のギネヴィアを止められるのは、ルルーシュ皇子のみというのも関係者達の常識ともなっている。
 おかぜで、ギネヴィア関係の苦情は、常にルルーシュの元に回されるのだ。
 
 
 
 
 ノックの音と共に、申し訳なさそうに入ってきたのは、第一皇女付きの侍女だった。
 最近では、既に名前すら覚えてしまうほどに顔馴染みだ。
「またですか」
 ルルーシュが大きな溜息と共に呟けば、
「本当に、申し訳ございません。本来ならばルルーシュ皇子のお手を煩わせるなど恐れ多いのですが、私どもでは皇女(ヒメ)様の暴走をお止めすることが出来ません」
 これ以上内ほど恐縮している侍女に、哀れみすれ覚える。
「我が姉上ながら、強烈ですからね」
 一般人の侍女にはキツイだろう。
「いえ、その、皇女(ヒメ)様だって、探せば良い所の一つや二つくらい・・・・・・・」
 頑張って探しているのだろうが、顔が引き攣っている。
「無理しなくて良いですよ」
 苦笑しながらルルーシュが言えば、
「も、申し訳ありません」
 土下座しそうな勢いで謝られてしまった。
「相手は、あの姉上ですからね」
 はははと力なく笑いながら、ルルーシュは重い足取りで第一皇女ギネヴィアの元へと向かった。
 
 
 ギネヴィアの離宮に近付くにつれ、漂う異臭。
「いつにも増して、強烈ですね」
 侍女に言えば、恐縮するだけで何も言えないようだ。
「分かっているので、そんなに恐縮しないでも良いですよ」
 何時もの事なのだから。
「本当に、申し訳ございません」
 恐縮しながら誤り続ける侍女促し、着いた先はギネヴィアの研究室と言う名目の実験室。
 中では、異臭を漂わせている釜の前に、漆黒のマントを羽織った姉が佇んでいる。
「姉上!」
 強烈な匂いに頭がクラクラするが、このさい無視するしかない。
 今は元凶を止める方が先なのだから。
「あら、ルルーシュ。どうしたの?」
 うふふふと妖しい笑みを浮かべながらルルーシュを見詰めるギネヴィア。
「どうもこうもありません。何時もの苦情が僕の方に舞い込んだだけです」
 兄弟姉妹合わせて3桁にもなるが、ギネヴィアが認めている兄弟はルルーシュ一人だけだ。
 後はザコと一応身内に別けられる。
「まあ、ゴメンなさい。でも、もう少しで完成なのよ。だからね、ちょっとだけ待っていて」
 本当に終わり掛けなのだろう。机の上には使用済みの空き瓶がゴロゴロとしている。
 中身の入っているビンは2つしかない。
「終わったら、ちゃんと換気してくれんでしょうね?」
 こんな匂いを放置されたら、堪ったもんじゃない。
「勿論よ。ルルーシュにだけは迷惑をかけないわ」
 だからお願い。
 ギネヴィアがルルーシュに弱いように、ルルーシュもまたギネヴィアに弱い。
「絶対ですよ」
「約束するわ」
 その言葉に、ルルーシュが頷くと、ギネヴィアは残りの作業を開始した。
 直ぐ終わるという言葉は嘘ではない。
 あと2つほど薬品を入れれば良いだけなのだ。
 仕上げるために費やした時間は5分にも満たない。
「終わったわよ」
 ルルーシュの目の前には、液体の入った小瓶。
 先ほどまで混ぜていた釜の中身が入っているのだろう。
「それで、その瓶の中身は何ですか?」
 ここまで自分を振り回したモノの正体を知りたい。
 それは、ちょっとした好奇心だった。
「あら、何って惚れ薬よ」
「・・・・・・・はあ?とうとう好きな人でも出来たんですか?」
 その為に惚れ薬を作ったと言えば、納得できるほどに姉上らしい。
「あら、まさか」
 いや、そこで否定されても。
「だったら、どうして?」
 惚れ薬なんて厄介なモノを作っているんですか!
「別に大した理由じゃないのよ。シュナイゼルが作れるかと聞いてきたから、作ってみているのよ」
「・・・・・・シュナイゼル兄上?」
 厄介な名前が出てきた。
 あの外面だけは抜群に良い兄が、女性相手に惚れ薬なんて使うとは思えない。
「そうよ。作れると言ったからには作らないと、これは私のプライドの問題よ」
 うふふふと、妖しい笑みを浮かべながら小瓶を振っている姿は魔女そのもの。
「それで、その惚れ薬をどうするんですか?」
 渡すのだろうか?
 あのシュナイゼル兄上に?
 そんな事になったら、絶対に使われる。
 身の危険を感じたルルーシュが、これからの逃走計画を練っていると、
「どうするって、こうするのよ」
 ルルーシュの問いかけにニヤリと笑ったギネヴィアは、作ったばかりの惚れ薬の入った小瓶を床に落とした。
 ガラスの砕ける音と共に、中身が溢れ出す。
「姉上!」
 何をしているんですか!
 せっかく作った(中身に問題ありだが)物を、簡単に捨てるだなんて。
「構わないのよ。だって、シュナイゼルには作ったモノを渡すだなんて一言も言っていないもの」
 だから壊しても問題ない。
「でも、本当に良かったのですか?」
 苦労して作ったモノだろうに。
「どうせシュナイゼルの事だから、貴方に使うつもりだったんでしょ」
「・・・・・まあ、たぶん」
 というか、俺に使われる可能性は99.9%間違いないだろう。
「だったら、破棄するのが一番よ」
「姉上」
 普段は荒唐無稽な姉だと思っていたが、性格に一部(?)問題アリだが、やっぱり自分の姉なのだと感動してしまう。
「さあ、もう後片付けに入るわ。ルルーシュも部屋に戻りなさい」
「はい」
 優しく促されたので、ルルーシュは素直に従った。
 この異臭騒ぎも、直ぐに収まるだろう。
 シュナイゼルの企みも潰れて、安心して自分の部屋に戻っていくルルーシュ。
 
 
「うふふふふ。やっぱり可愛い」
 ルルーシュが部屋からいなくなるのを待って、ギネヴィアが妖しく笑う。
「完成した中身は、アレだけじゃないのに」
 釜の中に、出番を待ち構えているオドオドしい液体。
「さて、これはどうやってルルーシュの食べ物に混ぜようかしら」
 楽しみだわ。
 
 
 シュナイゼルに渡すなど問題外だが、だからと言って、他の人間達に渡すつもりもない。
「あの子は私のモノよ」
 可愛い、可愛い、私のルルーシュ。
「誰にも渡さない」
 うふふふ。
 妖しい笑い声が、部屋の中に木霊する。





☆最近、皇族ルル萌え。
ギネヴィア姉様がシュナ様と被った(汗)もっと妖しい人を前面に出したかったのに!
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