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諦めが肝心

黒子とギアスがメインかな?

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別れたら好きな人 2

 勢いで辿りついた先は生徒会室。
 副会長であるルルーシュ先輩の居場所としては、ここ以外にないだろう。
「失礼します」
 第一印象が肝心だと、ノックと共に声を張り上げて部屋の中に入る。
 中には数人の男女の姿。
 もちろん、目的のルルーシュ先輩の姿もある。
「何の用かしら?」
 ニッコリと微笑みながら聞いてくるのは、金髪が印象的な妖艶な女性だ。
「ルルーシュ先輩に告白しに来ました」
「「「「・・・・・・・はあ?」」」」
 部屋の中に居た誰もが呆れている。
 そうだろうな、自分でも唐突過ぎたと思える。
 そう思っている中、聞こえてきたのは大爆笑の声。
「気に入った!君、格好良いじゃない」
 ナイスよ。
 そう言いながら爆笑しているのは、金髪の女性だ。
「会長。笑い事じゃないです」
 ルルーシュ先輩の言葉に、この人がアッシュフォード学園の名物会長なのだと知た。
 色々な伝説がある名物会長。
「でも、ここまで堂々と告白しに来た子なんて他に居ないじゃない」
「居ないという以前に、今もこれからも必要ないですから」
 いい加減に笑い止んで下さい。
 ルルーシュが宥めるものの、ミレイの笑いは止まらない。
 だが、笑われていても認められた事には変わらないだろう。
 だったら、ジノは大きく深呼吸すると、
「好きです、ルルーシュ先輩。私と付き合って下さい」
 言い切った。
 だが、
「断る」
 ルルーシュの返事は素っ気ない。
「あれ、やっぱり?」
 それまで爆笑して居たミレイも、予想通りなのか肩を竦まして終わりだ。
「どうしてですか?」
 こんな風に断られても、ジノは諦めきれない。
 断られるにしても理由が欲しい。
「お前の事を知らない」
 ルルーシュにとっては、これで十分だった。
「だったら、もっと知って下さい」
 知らないと言うので断るというなら、もっと知って欲しい。
「嫌だ」
 意味がない。
「良いじゃないの」
 甘いはずの告白場面なのだが、当の本人達は睨み合いに近い。
 そんな二人の間に入ったのは、面白い事が何よりも好きなミレイだ。
「何が良いんですか?」
 ミレイの出場は、できれば遠慮したいというのがルルーシュの本音だった。
 この人は、自分の欲望のままに突き進む事がある。
 今回も、そんな予感がするのだ。
「ルルちゃんが、彼を知らないからというのであれば、まず彼の事を知ってもらうことから始めないとね」
「始める気などありません」
「良いから。良いから。それで君だけど。名前と簡単な自己紹介をしなさい」
 ビシッと指差されたジノは、まだ名前すら名乗っていない事に気が付いた。
 ルルーシュ先輩は、学園の有名人。
 それに引き換え自分は、入ったばかりの新入生でしかないのだ。
 知名度が違い過ぎる。
「はい。私はジノ・ヴァインベルグです。一週間前にアッシュフォード学園に入学しました」
 ここまで言うと、
「「「「1年生!!」」」」
 ジノの体格や態度からは、よもや1年生だとは気が付かなかった。
「はい、1年です。性格は、よく犬に例えられます」
「そんな感じ」
 うんうんと勝手にミレイが頷いている。
「会長!」
「良いじゃないの。それよりもジノ君」
「はい」
「毎日、放課後の生徒会室に来る許可そ出してあげる」
 どうするかはジノ君次第だよ。
 ミレイの目は、完全に楽しんでいる。
「え?それって」
「会長!!」
「うふふふふ。うちのルルちゃんは難攻不落よ。まあ、頑張ってみなさい」
「はい」
 分かりましたと大きな声で返事を返したジノは、意気揚々と生徒会室から帰って行った。
「会長」
 そんな後姿を見送りながらもルルーシュの機嫌は悪い。
「ミレイ会長。今回のは遣りすぎです」
「そうですよ」
 今まで見守っていたシャーリーとリヴァルですら、今回の会長の暴走は見逃せない。
「良いじゃない。楽しくなりそうで」
「会長だけがね」
 ニヤニヤと笑うミレイに対して、ルルーシュの機嫌はどこまでも悪かった。 
 




☆短い&そして、なかなか距離の近付かない2人。多分、次も短いかも。
この話、ジノの対抗馬として誰を出そうかな?
でも、長くしたくないので出さないかも。
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